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第45話
「そう…ですよね。また進路の事はゆっくり考えます。担任には怒られそうだけど」
「いくら怒られても、自分の将来の事なんだからさ、慎重に考えな。じゃあ、俺は帰るよ」
「はい。ありがとうございました、先輩ぱ──ぁ……大悟」
ふと視線を向けた先に見慣れた姿を見つけ、宏太は一瞬思考が停止した。
別にやましい事をしている訳ではないので堂々としていればいいのだが、宏太の目に映った大悟はどこか怒っているようで、普段見ないその表情に背筋が震える。
恋人である宏太と自分の知らない男とのツーショット。
真っ先に思い浮かんだのは浮気の疑いだった。
兎に角宏太に話を聞かなければ、と大悟は二人の間に割って入り、宏太の腕を強引に掴む。
「え!?」
余りにも強い力で掴んでしまった為、宏太が驚いた声をあげる。
明らかに戸惑っている宏太に気付かぬフリをし、強引に家の中へと入っていった。
宏太の部屋に着き、ようやく掴まれていた腕が開放される。
だが、安心したのは束の間で、大悟の怒りに満ちた表情に恐怖心が生まれた。
「あの男は誰なんだ!」
声を荒げる大悟なんて見たことがなかったせいか、その問い掛けに何も答えられない。
ちゃんと説明しなければ、と思うのに、恐怖心の方が優ってしまい、ただ震えることしかできないでいた。
「...答えたくないってことか。なら...もういい。......別れよう」
何も答えない宏太に痺れを切らしたのか、さらに怒りを増した口調で別れを告げられた。
そのまま部屋を出ていこうとする大悟の背中を見つめながら、引き止めなければ、と思うものの、体が固まって動かなかった。
一人取り残された部屋で、なんでちゃんと説明できなかったんだろう、と悔やみながら、一人涙に溺れていた。
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