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第53話

翌朝、大悟の腕の中で目覚め、ふと時計に目をやる。 時刻はまだ午前五時前で、宏太は慌ててベッドから体を起こす。 その動きに隣で寝ていた大悟も目を覚ました。 「ん? 宏太…早いね」 「ぁ、起こした? ごめん。俺帰るよ。昨信太一人にしちゃってるし」 「ぁ、そっか。信太くん大丈夫かな?」 「多分、寝てると思うけど、帰ったら多分泣かれるかもね」 そんな話をしていると、携帯と着信音が鳴り響いた。 散らばった服の中からそれを取り出すと、画面には赤瀬の名前が表示されていて、宏太の顔が強ばる。 「…赤瀬先輩からだ」 「…出なよ」 大悟にそう言われ、まるで自分を落ち着かせるように一つ息をこぼすと、意を決して通話ボタンを押した。 「…もしもし」 『あ、宏太? 今、ちょっと話せるかな?』 「…はい、大丈夫です」 『昨日…ごめん。いきなりあんな事して謝って済むことじゃないかもしれないけど、俺が宏太を好きなのは本当だから』 「あの…先輩がそう言ってくれるのは嬉しいです。でも、俺は…」 『わかってる。宏太に恋人になってほしいなんて言わないから。でも、このまま宏太との関係が壊れるのは…正直、辛い。あんな事しといて、って思われるかもしれないけど、せめて友人としてでも宏太の傍に居たいんだ。ダメ…かな?』 「先輩は俺の憧れだったんです。輩と付き合う事は出来ないけど…俺もこのまま先輩との関係が壊れるのは嫌です。だから、先輩がそう言ってくれて、正直ホットしてます」 『そっか…よかった。このまま宏太に嫌われたら、って思うと、正直怖かったんだ。今度は友人として宏太の話聞くから…困った事があったら、いつでも頼ってほしい』 「先輩…ありがとう、ございます」

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