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木田 智之(きだ ともゆき)視点4

 冴島のモノは既に反り返って冴島の腹に張り付いていた。  それをグッと掴んで下げた冴島が、眉間を寄せつつも口元で笑って言う。 「キト、入れてくぞ」  冴島の言葉にキトが「うん……」と蕩けた瞳で答える。  冴島はここまで一度もキトを急かすことなく、初めてだというキトを先にイかせた。  忍耐強い奴だな、と改めて思う。  まあ、本人にそんなつもりはないのかも知れないが。 「痛かったり苦しかったりしたら言えよ、言えなかったら俺を蹴っても殴ってもいいからな」 「そんな、こと、しないよぉ……」 「しても良いって話だよ」  冴島はイケメンをフルに発揮したようなイイ顔で微笑むと、チュッと音を立ててキトに口づけた。 「んっ……」  ぴくりと小さくキトの肩が揺れる。  冴島は手元とキトの顔色を交互に見ながら、キトの腰の角度を微調整しつつ慎重に腰を進めている。  今、キトの体内に、冴島のが入りつつあるのか……。  後ろからではハッキリは見えないが、友人が友人に挿入するところを見たいかと問われれば、それもどうなんだという複雑な気分だ。 「ぁ、ぁ、ぁ、……」  ふわふわとした声がキトの反らされた喉からいくつも溢れる。  キトの瞳にじわりと涙が滲む様に、痛いのかと一瞬心配するが、その表情はどこかぼんやりと天井を見つめていて、痛みを堪えるようなそれではなかった。 「よーし、上手いぞキト、もうちょいで全部入るからな」 「んん……、ぁあ……、さえじまぁ……」  キトのとろりとした黒い瞳が冴島を映す。  冴島はすぐに気付いてキトを見つめると、優しく微笑んで頬を撫でてやる。 「よしよし、可愛いな、キト。ほら、これで全部だ。吐き気とか苦しいとかねーか?」 「ん、だいじょうぶ……」 「じゃあゆっくり動いてくからな。具合悪くなったらいつでも言えよ」 「うん……」  微睡むようなキトは、随分とリラックスしているようだ。  これもひとえに冴島のマメな気遣いと経験がなせる技なのか。  ゆるゆると様子を見るように優しく腰を揺らしていた冴島が、次第に深く大きく腰を動かしてゆく。 「あっあっぁああんっ、やぁ、んんっ、ぁああっ、んんんっ!」  キトから溢れる嬌声が、次第に甘く色づいたものに変わってゆくと、俺の下半身にもビリビリと響くようになってきた。  ゴクリ、と思わず喉を鳴らした俺に、冴島が「木田ももう下脱いでな。次変わっから、コンドーさん付けとけよ」と声をかける。  視線で促された先には、さっき冴島が装着したコンドームのパッケージがあった。  えーと……。  そういや初めてだな。コンドームを付けるってのも。  俺は下着を脱いで端に畳んで避けると、その小さな箱を手に取ってみる。  さっき冴島が自身のに付けながら俺に説明してくれてたな、と思い出しながら、俺は連なったそれをパリッと1つ外して、ピリリとパッケージを開けてみた。  ふにょっとした感触の、なんかツルッともヌルッとも言い難いぬめりを帯びたそれを手に取って、冴島が「乳首みたいなのが外に来るようにな、ゴムの巻いてる向きでもわかるぜ」と言っていたのを思い出しつつ自身のすっかり立ち上がったそれの先端に添えてみた。  確か、コンドームの先端をつまんで、空気を抜いてから、こう……。  慣れない自分でも、そう手間取ることなくそれはピッチリと装着できた。  まあこれも、冴島が見せながら説明しててくれたおかげではあるが。  思ったよりもずっと窮屈なものなんだな……。 「ぅぁ、ぁぁンンッっ、だ、だめ、なんか、おかし……ぃ、あぁぁんっっっ」  拒否の言葉に俺はキトを振り返る。 「ぁあっ、やだ、だめだめだめっ、ぼく、なんか、ぁああっ、やぁ、やだぁ、お、おかしくなっちゃう、よぉ、さ、さえじまぁっ」  キトは切なげに眉を寄せて涙を散らして冴島に手を伸ばしていた。  必死にも見えるその表情に、俺は止めるべきなのか迷う。 「ん、キトは飲み込みはえーな、もう、ナカでイけそーか、そのまま、感じてへーきだからな、俺のをたっぷり……感じてろよ……」  息を切らしつつ答える冴島は、額に汗を浮かべながらも、ニッと口端を上げる。  どうやら大丈夫なようだ。  キトは「やだ」とか「だめ」を繰り返しながら、ビクビクと体を跳ねさせる。 「ぁ、なんか……、なんか、きちゃ、ぅ……っっっっ、っンンンンンンンンンンンッッ!!」  一瞬大きく目を見開いたキトが、ぎゅうっと目を閉じて背を丸めた。 「俺も、イくぞ」  冴島が低い声で宣言して、キトを直情的に突き上げる。  しばらく、激しい動きとそれに合わせた水音に、冴島の荒い息づかいと、キトのくぐもった呻き声のようなものだけが、部屋を満たしていた。  グッと奥まで腰を押し込んで、冴島が動きを止める。  ああ、今、キトの中で冴島がイッてるのか……。  そう思うと、俺の中心にぐんと熱が集まった。  冴島は眉を顰めながらも、キトの様子を気にかけている。 「キト、可愛いなぁ……」  キトはまだ、ぎゅうっと目を閉じたまま身を縮めている。  時折びくりと身体を跳ねさせているキトの頭や頬を冴島は優しく撫でる。  冴島は、ゆるゆると何度か腰を揺らしてから俺を見た。 「コンドーさんは、出した後のんびりしてっと漏れっかんな、こうやってすぐに根元を押さえて、んで抜いて、それから外して、口を結ぶ」  冴島は俺に説明しながらやってみせる。  実に手慣れたその手際の良さに、俺は思わず「おー」と拍手を送った。  冴島が「これで拍手されたことねーな」と少しだけ照れたように笑って言う。 「相手が女子だと、この辺の作業は十分気をつけねーとだけど、男ならまあ漏れても腹下すくらいだから、そこまで気負うことないぞー」 「……男は腹を下すのか……」 「まあ男の場合は腸だかんな」  そこそこ衝撃的なことを平気な顔で言いながら、コンドームをティッシュに包んで捨てた冴島はそのままティッシュで自分のモノを拭きつつ俺のモノを覗き込んできた。 「ちゃんとできてんな。…………つーか、木田のちんこ……デカくね……?」 「他人と比べた事がないから何とも言えないが」 「色んな奴のを見てる俺が言うんだから間違いない。多分これ、俺のコンドーさんMサイズだから木田にはきついんじゃねーかな。Lサイズ……確かこの辺に……」  がさごそとベッド横の収納ケースを漁る冴島を横目に、しかし、使いもしないで外すのはどうなんだ? ともったいなく思っていると、冴島が俺を見て苦笑する。 「気にすんな気にすんな。引き抜くとキツそうだから、つけたのと逆に根元からクルクル外してみな」 「分かった、すまん」 「気にすんなって。お、あったコレコレ。期限もまだまだ大丈夫だな」  冴島がスマホの明かりをライトがわりに箱をひっくり返すようにして覗き込む様子に、コンドームにも使用期限があるのか、なんてぼんやり思う。 「こっちつけてみ」  ポンと手渡してくるそれを俺が受け取ると、冴島はそそくさとキトのいるベッドに戻った。

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