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第31話 達也サイド<透真と……>
今日は休みにしてくれたのに、気持ちが休めない。
夕べあんなことがあったのに、
その後はどうしたんだろうと思うと気が気じゃない。
彼がくれたスマホのラインの画面を何回も見つめた。
食欲もないままに、そうやって時間が過ぎて行った。
気分直しにお風呂に入ろう。
じっくりとお湯に浸かっていた。
そこへ着信の音が鳴った。
え? あわててバスタオルで拭いて、外の棚に置いていたスマホを見た。
「今下にいる。行ってもいいかな?」
え、待って、どうしよう。
『3分待って』とメールした。
慌てて髪をタオルで拭いて、Tシャツと短パンを履いた。
そして、そっとドアを開けると、もうそこに居た!
微笑んでいた。「お風呂に入ってたの?」
「うん」
彼が中に入ってドアを閉めたら、いきなり抱きしめられた。
ぎゅっと……これを待っていた気がした。
まだ濡れている髪を手で梳いて、匂いを嗅いでいた。
もう~、ちょっと笑った。
「いい匂いがするね、髪を乾かしてあげるよ」
「はい、お願いします」
彼はスーツの上着を脱いだ。
俺はダイニングの椅子に座って、ドライヤーを渡した。
ガーッと温風が髪にかかって、彼の手櫛で乾かしてくれた。
すごく気持ちがいい。ずっと目をつぶっていた。
なんだかすごく上手。
「こういう事、毎日やりたいな」
彼の声に、ふっと笑いそうになったけど我慢。
「夕飯は食べたの?」
「いいえ、まだです」
「じゃあ、良かった。お寿司を買ってきたんだ」
「ええ?うれしい。ありがとうございます」
髪が乾くと、お茶を淹れた。
そんな俺を彼はじっと見つめていた。
視線が合うたびに照れる。
彼はいつも微笑んでいた。
「達也、俺と二人だけの時は、透真って呼んでほしいな」
ちょっと恥ずかしくて両手で顔を隠しちゃった。
「いつか……でもいい?」
「駄目、今」 えー厳しい。
「と、う、ま」
ああ~もうなんだか無理。背中向けた。
だってすごく年上の人を呼び捨てにするなんて無理。呼べないよ。
そしたら、もう後ろにいて、そのまま後ろから抱きしめられた。
「達也、愛しているよ。大好きだ」
息が苦しくなるくらい、ぎゅと力いっぱい抱きしめられた。
なんだかすごくいい匂いが漂ってきた。
なんだろう?
「すごくいい匂いがする。これは何?」
「わからない?君を欲しがってる匂いだよ」
え?と思った時はもう抱き上げられて、ベッドにそっと乗せられた。
内心焦った。ダメ。起きなくちゃ……。
でも彼の力の方が強くて、もう身体の上に乗っていた。
じっと俺を見つめていた。視線がまぶしい。
「達也、愛してるよ」
そしてキスをされた。
もう目をつむった。
俺の初めてのキス。
キスって柔らかい、そしてやさしい。
顔中にキスをされた。
なんだか息苦しくなって口を少し開けたら、彼の舌が入ってきた。
どうしようと思う間もなく、舌が絡んできて、吸われたり、
また口中を犯されたような気がした。
吐息が熱くなっちゃう……。
「ごめんね。びっくりした?」
すこし頷いた。
「ああ、マズイ……本気で欲しくなった!」
彼は顔を外してシーツに顔を押しつけて、ぐりぐりして擦っていた。
「我慢してるの?」
「うん、死ぬほど」
大の大人がそんなことを言ってる。
子供みたい。なんだか、かわいい人?
「ちょっとしちゃう?」そんなことを口走ってしまった。
彼はじっと俺を見つめて、急に立って服を脱ぎ始めた。
えええ、でも俺が言い出したし……。
言っちゃったからしょうがないよね?
俺もTシャツを脱いで、ベッドの布団の中に入ってズボンと下着をずりずりと脱いだ。
裸の彼がベッドの中に入ってきた。
「いいの?」
頷いた。
いつかこういうことはあるよね?
心の中で思った。
俺の頬に両手を当てて愛おしそうに見つめて、また深いキスをされた。
もうわかんない。
ただただ、強烈なまでのいい匂いに包まれて、頭がぼんやりとしてきた。
素肌って気持ちがいい。
彼の背中に両手を回して肩や胸の匂いを、何回もいっぱい吸い込んだ。
「達也は肌が白いんだね。すべすべして気持ちがいいよ」
またじっと見つめられた。
なんだか俺はうれしいのかな?
なんとなく顔が緩んじゃう。
あとは大人の彼に任せた。
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