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第38話 透真サイド<達也の避難先>

 達也はぐったりとしたまま、SPに力を借りて車椅子に座っていた。 浅田タワーのホテルフロントへ着くと、すぐにスタッフが駆け寄ってくる。 「松永様でいらっしゃいますか?」 「はい、そうです」 「浅田理事より伺っております。どうぞ、お部屋へご案内いたします」 「あれ、宿帳への記入は?」 「大丈夫でございます。入院扱いにするよう指示を受けておりますので」 「あ、そうか。では、お願いします」 案内されたのは広いスイートルームだった。 ベッドだけでキングサイズ。ありがたい。 「ありがとう。ここはいつまで滞在するという期限はあるのかな?」 「いえ、ございません。理事より指示があるまでは、どうぞごゆっくりお過ごしください。 ルームサービスのメニューもございます。 それと、もしご希望であれば……メニューには載っておりませんが、お粥もお作りいたします」 「それは助かるね。では早速、彼にお粥をお願いできるかな? 冷めないようにポットに入れてくれるとありがたい。それと、温かいお茶も」 「かしこまりました。1時間後にお持ちします。 お粥は一名様分でよろしいでしょうか? 他に何かお持ちしましょうか?」 「ああ、そうだな……。それについてはメニューを見てから決めてもいいかな?」 「はい、かしこまりました。では失礼いたします」 完璧なホテルだ。こんなところに、こんな施設があったとは。 浅田理事がこのホテルに住んでいると言っていたのも納得だ。 病院も完備していて言うことなしだな。 「達也、起きられるか? 部屋に着いたよ。ベッドに移ろう」 なんだかボーッとしているようだ。 ……あ、そういえばずっとトイレに行けていない。マズいな。 「達也、トイレを済ませよう」 足元がおぼつかない彼を支え、ズボンを脱がせてトイレに座らせる。 まだ麻酔が完全に抜けていないようだ。 しょうがない。また抱え上げてベッドへ戻した。 着替えさせようとクローゼットを開けると、 白いガウンタイプの寝間着と、タオル地のバスローブがあった。 肌触りが良さそうで、これまた気に入った。 「達也、着替えるぞ。脱がせるからな」 反応は鈍いが、意識がないわけではない。 今日の衣装を着たままだ。 服を脱がせながら、ふと思いついて身体を拭いてやることにした。 急いでお湯でタオルを絞り、軽く身体を拭く。 肌が白くてきれいだが、皮膚が薄いのか。 赤くならないよう、細心の注意を払ってそっと拭った。 乾いたタオルを当てて寝間着を着せ、布団をかける。 お粥は1時間後か。とりあえず自分用にはドリアとサラダを頼んだ。 達也を見ると、深く寝息を立てている。良かった。 ルームサービスが届き、食事を済ませる。 達也の額に手を当ててみると、熱はないようだ。 ベッドのそばのソファに座り、スマホで小説を読んでいると、やがてドアのチャイムが鳴った。 ドアを開けると、理事と……。 「あら?」 「こんばんは」 そこには、にこやかな笑顔を浮かべた、 超絶イケメンの白衣姿のお医者さんが立っていた。凄い……!

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