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第43話 夏輝サイド<秘密のイケメンさん>
俺達が達也のことでバタバタしている間に、事務所では順調に仕事が進んでいた。
「理事、ステラのファンミーティングなんですが、ファン向けにアンケートを取ったんですよ。メンバー達は、ファンがどんなことを希望するのかを、聞いて欲しいんだそうです」
メグちゃんがうれしそうに報告をしてくれた。
「へえ、そうなんだ。それで結果は出たの?」
「もう、すごいですよ。これが希望リストですが、
もうステラにも渡しました。今検討していると思います」
リストを見ると、気持ちが熱いねえ。ファンって凄い。
「それとね、達也さんにもうファンが出来ていて、心配の問い合わせが凄いんですよ。
なんかコメントを出した方がいいんでしょうか?」
桐生さんと顔を合わせた。
「じゃあ追加で、『お見舞いをありがとうございました。ただいま静養中ですが、御心配には及びません。回復したら、またご挨拶をいたします』ってHPに出してくれますか?」と俺。
「はい、分かりました。すぐ出します」
「桐生さん、ちょっとステラの様子を見に行きましょうか?」
「そうですね、いきましょう」
イベントスペースでは、机を並べて皆で会議中だった。
俺達が姿を現すと、リーダーのゲンがすぐ駆け寄ってきた。
「記者会見を見ました。達也はどうなんですか?身体は大丈夫なんですか?」
他の皆も一斉に寄ってきた。
「うん、ありがとうね。達也は薬を飲んで寝てるよ。
ちょっとパニックになってしまってね。
事件の日の記憶もないんだ。
頭を強打していて、頭痛、めまい、首の痛みも訴えてるから、もうちょっと時間がかかると思う。
それに狙われたから中々次がねえ。いつになるかなあ……」と俺。
「あのう、僭越ですが、俺達に出来ることがあったら言ってください。
デビュー曲の踊りも練習しておきますよ」とゲン。
「ありがとうね、すごくうれしい。達也に伝えておくね」と桐生さん。
「ファンミーティングが凄いんだって?みんな頑張って大サービスしてあげてね」
「はい!」
凄い返事が返ってきた。
桐生さんがうれしそうな顔をしていた。
そのままホテルフロアに行って、達也を訪ねた。
佐々木マネージャーが付いていた。
「お疲れ様。達也はどうですか?」
「なんか、うつらうつらするばかりで寝たままなんですよ。
これでいいんですかねえ?
あまり食べてないですしね。体力が落ちると思って……」とマネージャー。
「じゃあ、点滴をしますよ。2本くらい打とうか。処方を出しておくので、あとでナースが点滴に来てくれますよ……いや駄目だな。
決まったナースにした方がいいな。まさかと思うけど狙われたからね。
ちょっと待って、電話します」
そして川瀬院長にお願いすると、
すぐに点滴と点滴台を持ってきてくれた。
「こんにちは、川瀬です。お加減はいかがですか?
イケメンさんと聞いて喜んでやってきました」
ふ、と笑った。全く。
「院長、達也は狙われてるので、
もう一人くらい来てくれる決まった人がいると助かるんですが、誰かいますか?」
「えー?私でいいでしょう?他の人にはあげられませんよ」
「もう~」と笑った。
「じゃあ、紹介します。こちらはマネージャーの佐々木さんです。
彼がいるか、もう一人、長身のイケメンさんが夕方には来ると思います。
松永さんと言います。CMスポンサーの副社長さんです。
よろしくお願いしますね。油断が出来ないのでね」
「あのねえ。なんか嫌な感じがするんだけど、
音楽関係の悪いやつと言えば、オリオンの黒田社長しかいないじゃないですか?
そっちは調べてるんですよね?」と川瀬院長。
「川瀬さん、シーーーですよ。今はまさに捜査中ですからね。
ここにいることも秘密です。クリニックで言わないでくださいよ」
「言ってないですけどね。でもみんな知ってますよ」
「なんで?」
「だって今日は朝一に車いすで総院長と一緒に来て、検査に行ったじゃないですか?
待合室にもいたんだし、他の患者さんだって数人は見てますよ」
「‥‥‥そうだった」
俺がバカだった。
「大丈夫ですよ。ホテルの部屋までは知らないんだから」
「そうだね。では、よろしくお願いしますね」
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