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6.隠し事は気になるけど、決意表明
げんちゃんと俺が近くにいると、大体とっきーが真ん中に入ってきて邪魔してくるんだよな。
子どもの頃からそうだったから、とっきーは寂しがりやなんだって思ってたんだけど違うのか?
げんちゃんに答えを求めるように視線を送っても、優しいげんちゃんも肩をすくめるだけでいつも教えてくれない。
「はぁぁぁ……いいよ別に。蒼樹 は何も考えなくていい。期待してないから、今は」
「なんかはっきりしないよな。とっきー、気に入らないことがあればはっきり言えって」
とっきーはテーブルに両肘をついて、分かりやすくぶすっとしてる。
ジト目でとっきーを見ると、不機嫌さを隠さずに俺から顔を背けてるし。
「蒼樹、大丈夫だ。これは俺と鷺羽 の問題だ。今は気にしないでいい」
「だから、今は気にしないでいいって言うのが気になるんだけど」
二人へ交互に視線を送っても、とっきーは更に不機嫌になるだけだしげんちゃんは無表情のまんまだ。
最近は特に俺だけ仲間外れにされている気がして、少し寂しい気持ちになる。
別に仲違いしてるわけじゃないけど、俺にも今は気にしないでいいっていう理由を教えてくれたっていいのにな。
「玄暉 、俺はそろそろ待てないからな。っつーか、今の今まで俺にしてはよく我慢してると思わない?」
「まあな。だが、蒼樹を悲しませるようなことをしたら俺がお前を殴ってでも止めるぞ」
「え……そんな深刻なの? しかも俺に言えないことで?」
むくれるとっきーに真剣なげんちゃん。
二人は俺の分からない何かで揉めてるってことか?
……すごく気になるし、なんで教えてもらえないのかも分からない。
俺は二人を見比べるけど、二人は相変わらず何も答えてくれない。
「いくら俺が短気だからって、時と場所くらい選ぶって。これは……今じゃないよな。分かった、こうしよう」
とっきーは勝手に話を進めながら俺たちへ両う腕を伸ばして俺たちの肩を引き寄せると、グッと顔を寄せて円陣を組むような形を作る。
げんちゃんも普通に腕を伸ばしてきたってことは、俺も一緒に円陣を組めばいいのか?
流されるまま、俺も二人の肩へ両腕を伸ばした。
「これなら許す。で、玄暉。メニュー自体はそんなに改変しないだろ?」
「そうだな。蒼樹のおじいさんのメニューはそのままに、味も再現するつもりだ。基本のメニューはそれで。改変するとしたら……例えばサンドイッチの具の種類を増やすとか、少しの付け加えで最初はいいと思う」
「なるほど。じいちゃんの味なら俺が協力できるし。最初から新しいメニューに取り掛かってもうまくいかない可能性もあるもんな。で、いつまでこのままの体勢?」
男三人が円陣組んだまま話し合いって……いかにも怪しすぎないか?
誰も見てないからいいものの、なんとなく話しづらい気がする。
「いいから。俺の気が済むまで付き合え。玄暉はスイーツも作れるだろ? スイーツは少しだけ特別なものを用意してもいいかもな」
「それは俺も考えた。定番はそのままにして、月替わりのデザートを用意するのはどうだろうか。コーヒーと一緒に食べてもらえるような」
「そうだよな。げんちゃんに作ってもらうんだから、じいちゃんの店の良さに更にプラスアルファできたらいいよな。その方がじいちゃんも喜んでくれるはずだ」
俺らは顔を見合わせてから、改めて体育会系のノリでやるぞー! と声に出して決意表明をする。
青春真っただ中みたいでくすぐったいけど、俺の考えに賛同してくれる友だちがいることに感謝の気持ちでいっぱいになった。
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