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30.レトロ喫茶イーストに到着!
レトロ喫茶イーストまでは、ナビによると三十分かかるらしい。
その間は史弥 君の話やげんちゃんの新作スイーツの話をしていた。
史弥くんは飲み会でつぶれてしまって、とっきーが送っていったらしい。
それは誘ったとっきーがやるべきだってげんちゃんも注意していた。
で、昨日のグレープフルーツケーキの話もしたら……とっきーは俺たち二人が残ったことに不満そうな声をあげたけど、そのあと何かを思い出したのか、おあいこだから許すとかなんとか言っていた。
「とっきー、そろそろパーキングも近いんじゃない?」
「そうだな。玄暉 、その交差点を左に曲がって左手に見えてくるパーキングが安いらしい。ちょっと狭いらしいけど、玄暉なら大丈夫だよな」
「ああ。この車はそこまで大きくないから大丈夫だ」
とっきーナビとげんちゃんの運転で、無事にパーキングへ車を停めることができた。
目指すレトロ喫茶イーストはこのパーキングのすぐそばにある商店街の中らしい。
「確かドラッグストアをすぎてからすぐ見えてくるはず……あ、この建物だ」
「外にも懐かしい感じの看板がある。落ち着くレトロ喫茶って感じかな」
「今なら並ばずに入れそうだな。行こう」
とっきーが先陣を切って自動ドアを開けると、ふわりとコーヒーの香りが漂ってきた。
挽きたての香りはやっぱりいいもんだ。少し暗めの照明に落ち着ける雰囲気の店内。
俺の好きなレトロ喫茶そのものだ。
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
「三人です」
「かしこまりました。こちらのテーブル席へどうぞ」
とっきーが店員のお姉さんに伝えると、スムーズに席へ案内される。
制服は白の丸襟のついた黒のワンピースだ。
腰に白のレースのカフェエプロンを付けていて、可愛らしい感じだ。
案内された席に着くと、俺ととっきーが隣同士でげんちゃんが俺の向かい側へ座る。
「女の子を雇ったら、プラコレもワンピースだな」
「それ、ただのとっきーの希望じゃないの? 確かに可愛いけど……」
「今は一人いてくれるだけで助かるから、しばらくはワンピースの出番はないだろう。残念だったな、鷺羽 」
俺が言う前にげんちゃんがピシャリと言い放つ。
とっきーは、つまんなそうな顔をしてから立てかけてあったメニューを手に取ってテーブルの上で開いた。
「ホント、玄暉はつまんないヤツだよな。どれだけ蒼樹一筋なんだよ……って。俺はクリームソーダとハムのホットサンドにするかな」
「とっきーがチャラいだけだろ。俺は噂のクリームたっぷりのフルーツサンドとブレンドにする。げんちゃんは?」
「俺はクリームソーダとホットケーキのモーニングセット」
全員お目当ての物を決めてから、店員さんを呼んで注文する。
俺は店員さんに頼んだ後も、デザートの写真を眺めていた。
「蒼樹 、デザートも頼まなくて良かったのか?」
「迷ったけど、俺フルーツサンド頼んじゃったからどうしようかなって。お腹いっぱいにならなければ、プリンアラモードも頼んでみようかなと思ってさ」
「朝から生クリームはヘビーだと思うけどな。まあ、玄暉がどう見ても少なそうだから、蒼樹がお腹いっぱいでも玄暉が食べられるだろ」
とっきーは当然のことみたいに言うけど、げんちゃんに無理強いするほどでもないしなぁ。
でも、どんなプリンアラモードなのか写真だけじゃなくて食べてみたい気もするんだよな。
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