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37.何とか方向転換
俺、なんで呆れられてるんだろう?
そりゃあ、心配をかけたのは申し訳なかったかもしれないけど。
それにしても、二人とも過剰に心配しすぎじゃないかな。
実際俺がケガをした訳じゃないのにな。
「蒼樹 はいつもボケっとしてるくせに、変な時だけ行動力あるのが危なっかしいんだよな。さっきの場合もさっさと店に入るのが正解だろ」
「それは俺も考えてたんだけど。さっきも言った通り、服をつかまれちゃったから身動き取れなかったんだよ。だからと言って見て見ぬふりっていうのも後味悪いからさ」
「蒼樹は優しすぎるからな。余計に心配だ」
げんちゃんがいつもいい方向へ話を持っていってくれるけど、とっきーは毎回違うっていう役になっちゃうんだよな。
とっきーもげんちゃんも、俺のことを考えていてくれていることは間違いないんだけど。
「このやり取りを何度し続けてきたか数えきれないんだよ。蒼樹はぼんやりするだけの人でいてくれればいいって」
「あのなぁ……別に俺だって喜んでトラブルに関わってる訳じゃないからな? なんだよ、ぼんやりするだけの人って。俺が人助けなんておこがましいってことか?」
「鷺羽 は言い方がキツすぎる。蒼樹のことが心配なのは俺も同じだ」
げんちゃんととっきーは、俺のことになるといつもぶつかっている気がする。
最近は些細 なことでもぶつかっているから、二人に巻き込まれているのは俺もなんだよな。
どっちの意見と気持ちも分かるから、片方に肩入れするわけにもいかないし。
今回に関してはトラブルに巻き込まれたとはいえ、俺が心配をかけたのは事実だからここは俺が折れるしかないよな。
「二人とも、分かった。俺が悪かったから、そろそろ移動しよう。まだ時間はあるのにここでもめてたらせっかくの休みがもったいないしさ」
「そうだな。今回は不可抗力だった訳だし、今日は俺と玄暉 が蒼樹を助けられたから良しとするか」
「ああ。そうだな。次はどうしようか?」
二人とも納得してくれたみたいだし、俺も今後はより気をつけるっていうことで。
二人に飲み物をおごって、今日のことはチャラにする約束をした。
でも、なんだか……危ないことをして叱られてる子どもの気分だよな。
「天気もいいしドライブしながらどっかいい店があったら、そこでおごってもらおうか」
「店が見つけられなかったら、コンビニの飲み物になるからな。げんちゃんもそれでいい?」
「俺は蒼樹の気持ちが嬉しいから、何でもいい」
げんちゃんには車の運転も任せてるから、追加で何かおごろうかな。
とっきーもさすがに文句は言わないだろう。
「コンビニじゃ味気ないし、いい店あるか検索しようか。レトロ喫茶に行ったから、今度は全く違うタイプの店がいいかもな。別方向からの刺激ってことで?」
俺が提案すると、とっきーもそうだなと同意してくれる。
「おしゃれなカフェへ行くのもありかもな。違いが分かりやすそうだ。色々勉強になりそうだし」
「それも楽しそうだな」
何とか丸く収まったみたいで良かった。
休日が台無しになっちゃうのは俺も嫌だったし、ずっとお説教されてるのも恥ずかしいもんな。
三人で楽しんでリフレッシュしたら、また頑張らないとな。
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