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45.大人の対応に興味津々
俺が凝視して眺めるような失礼な態度を取ってしまったのに、怒るどころか余裕の微笑みで返されてしまうなんて……ダンディな大人ってこういう人のことを言うんだろうな。
「私に興味を持ってもらっているということかな。嬉しいよ」
「興味……そうですね。お客様に興味を持っているなんて失礼かもしれませんが。素敵な方だなと思っていたので、どんなお仕事をされている方なんだろうと想像してしまいまして」
接客業としてはあまりよくないことかもしれないけど、バレてしまったなら素直に言ってしまった方がいいよな。
だって、気になるものは気になるんだし。
一応言葉を選んで伝えたから、怒ってはいないみたいだ。
柔らかな微笑みのままで、俺もホッと胸をなでおろす。
「ふ……君は褒め方が素直だな。永瀬君のような可愛い子に興味をもたれるのは悪くない」
「可愛い女性からはたくさん言われているんでしょうけど、同性の私から見ても北條様はダンディで大人な男性だと思いますよ。なんて、失礼じゃなければいいのですが……」
「ハハ。ありがとう。ここまで褒められてしまってはな。これはもっと注文しないといけないな」
「ええ、ぜひ。料理も私の自慢の友人が作っていますのでおすすめなんです」
さりげなく追加オーダーのおねだりもできたみたいだし良かった。
というか、可愛いか俺?
別に何の特徴もないし、普通も普通な一般人なんだけどな。
どうせならカッコイイって言われたいけど、やっぱり言われないよなあ。
「今日は永瀬君を独り占めしているみたいで私も楽しいよ」
「確かに店も比較的空いてますから、ゆっくりと楽しんでくださいね。俺でよければいくらでもお付き合いさせていただきます」
「永瀬君は人を喜ばせるのが本当に上手だ。これがプライベートだったら少し勘違いしてしまいそうなくらいに」
北條さんの口元が艶っぽく笑みの形になるのを見ていると、年上の男性の色気にあてられてしまいそうだ。
同じ男とは思えない品の良さと大人の色気って……この先、自分には訪れない未来が目の前にある気がした。
「北條様こそ、私では到底到達することのない雰囲気をお持ちですし。羨ましいです」
「そんなことはないだろうけれど、君はこのままの君が一番魅力的だ」
「え? そうでしょうか? ありがとうございます」
北條さん……恥ずかしいこともサラっと言えるのはさすがだな。
俺は仕事だから言えるけど、素で相手を褒め称えろって言われても無理だ。
げんちゃんやとっきーにならまだ言いやすいけど、年上の男性相手じゃ余計に緊張しちゃうだろうな。
「そうだな……このコーヒーゼリーをいただこうか」
「はい、かしこまりました。少々お待ちください」
店内を見回すと、とっきーも史弥 君もちょうど手が離せないみたいだ。
一言お断りをして席を外して、自分で直接キッチンへ向かう。
「げんちゃん、コーヒーゼリーを一つ」
「蒼樹 ? もしかして店内は混雑しているのか?」
「いや、たまたまだよ。俺の手が空いていたから直接来ちゃっただけ」
「コーヒーゼリーは……冷蔵庫に作ったものが冷やしてある。少し待ってくれ」
そういうと、げんちゃんは冷蔵庫から取り出したコーヒーゼリーの上に生クリームとバニラアイスを添えてくれた。
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