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誕席に座るBLアイドル 03

「そろそろマリンもBLについてわかってきたか?」 「いや男同士の漫画としか分からん」 「それでもいい、その天然さがお前の売りだ」 「そういうものなのか?」  俺はヴァンにBLのことについて聞かれたが男同士の漫画という以外に何も知らなかった。いや男同士が愛し合ってる漫画らしいとはわかっていたが、具体的に想像できなかった。だから俺は売っている同人誌の中身も知らなかった。 「皆の者、そろそろ俺、主人のヴァン以外のカップリングも作りたいと思う。何か意見はあるか?」 「はいはーい、僕とようじの百合カップルが作りたいです」  ヴァンが新刊のアイディアを求めたらそう言ってジュンが答えた。BLなのに百合とはいかにと俺の頭は混乱した。 「それはいいな、受け同士だ。同じ悩みを抱えているうちにできてしまうこともあるだろう、他には?」 「それじゃ、俺はマリンと絡んでみたい」 「虎之介、どうしてマリンとなんだ?」 「身長が190センチもあって、登りがいがありそうだから」 「マリンはキャットタワーか、まぁいい。そのカップリングもありにしよう。他には?」 「そうだね、マリンは総攻めでいくべきかも」 「ようじ、その理由は?」 「だって190センチもあるから総攻めが似合うし、逆に受けになった時が面白いし」 「それでは次回の同人誌は今までの物に加えて、ようじとジュンの百合もの。マリンの総攻めでいこう」  こうして次回の同人誌の中身は決まったのだがそれで俺は何度も服を脱ぐはめになった。なぜかというとモデルだから筋肉のつきかたとかを見たいとようじとジュンが言うのである。 「はい、マリン。次は虎之介を押し倒して」 「こうか?」 「あっははは、くすぐってぇ」 「もう虎之介も真面目にやってよう」 「そうだ真面目に押し倒されろ」 「ぶっくくく、マリンがそう言うと余計笑えて、はははっ」  そんな調子で半裸で俺は皆を押し倒したり、持ち上げらりするはめになった。ようじとジュンは容赦がなかった、この体位が試してみたいと思うとすぐに俺の服を脱がせた。温かい季節だからいいが、寒い時期だったら暖房を入れて欲しいところだ。 「マリン総攻めは売れそう、僕もっと稼いでみせる!!」 「ようじがそう言うなら、僕だって負けないからね!!」  こうして同人誌の作成は順調にすすんだ、今回順調でなかったのは俺だ。俺は衣装係なのだが、吸血鬼っぽくとメイド服のアイディアがきれてきた。俺はメイド服の本を読んだり、吸血鬼についてWEBで検索したりしながら頑張った。そうして苦労して皆の衣装を作った。 「今回の俺の衣装は胸の開いたヴァンパイアなのだな」 「マリンすご~い、よく何種類もメイド服を思いつくね」  どうやらヴァンとジュンに俺の衣装は気に入ってもらえた。今回はややミニスカートのメイドさんにしてみた。百合カップルといっていたし、ジュンの足は綺麗だから出しても問題ないだろう。そうして衣装ができたらいつもの撮影だったが、虎之介は諦めたのか吹っ切れたのか、自分からこう言っていた。 「そこっ!! もっとエロく絡んで!! 受け同士の色気を出して!!」 「僕、頑張る」 「ようじ相手だもん、頑張るよ」  こうしてブロマイドができあがり、それを元にグッズの作成も終わった。後は同人誌即売会に参加するだけである。今回はオリジナル限定の同人誌即売会に参加ということで皆で気合を入れた。そうしたら、ヴァンがついた途端こう叫んだ。 「誕席だと!?」  俺達は誕席の意味が分からなかった。だがヴァンはすぐに皆にこう強く言い放った。皆もヴァンがあまりに真剣なので神妙に話を聞いた。 「2回目の参加で誕席とは素晴らしいが、相当な混雑が予想される。会計係はマリンだけじゃなく、ようじも一緒にやってほしい」 「俺はいつもどおりだから、問題ない」 「僕もいいよ、ジュンと絡めないのは残念だけど」  こうしてオリジナル限定の同人誌即売会が始まったのだが、前々回にも増して客が飛ぶようにやってきた。 「1冊ずつ全部の本をちょうだい」 「新刊だけください」 「このグッズをください」 「マリンの本だけちょうだい」 「虎之介の本をください」  息つく暇もないほど忙しかった。ヴァンや虎之介、それにジュンは客の相手をして写真を撮られたりしながら、ちょこちょこ手伝いに来てくれた。なんということだろう、初めからあるヴァンのシリーズは完売した。ほどなく新刊もグッズも完売したので俺達は片付けと俺とようじは写真撮影に応じた。 「マリンさん、こっち向いて」 「五人集まって」 「ヴァンさん、一緒に写ってください」 「ようじとジュンのカップルで並んでください」 「虎之介さん単体でお願いします」  そうして全て終わって帰るとまたもや大黒字だった。次回の衣装代、印刷代、撮影代、参加代を除いた分を公平に五人で分けた。かなり良いバイトをしたくらいのお金が手に入った。俺達がBLアイドルだと言っているのもお客さんに知られはじめて五人全員でそろっているブロマイドが一番売れた。俺ってBLアイドルで良かったなと思った。

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