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BLアイドルの悩み 04

「BLアイドルとは何か!? 答えてみよ!! マリン!!」 「えっ、よくわからないけど男同士で仲が良いアイドル?」 「違う!! アイドルとは歌うものだ!! よってこれから通常業務に加えてダンスと歌の特訓をする!!」 「えええええ!?」  またリーダーのヴァンが妙なことを言いだした。確かに一般的なアイドルとは歌をうたっているイメージがある。でもBLアイドルにも必要なのだろうか。まぁ、よくわからないがヴァンが必要だと言うのなら必要なのだろう。俺は深く考えず大人しく皆とヴァンから歌とダンスの指導を受けた。俺は音痴じゃなくて良かったと思った、でも始めは大きな声を出すのが恥ずかしくてなかなか歌えなかった。 「マリン声が小さい!! 虎之介は少しダンスが早い!! 逆にようじは遅れてるぞ!! ジュンはまぁまぁだな」 「大声で歌うのって恥ずかしくないか?」 「そうか? カラオケと一緒じゃねぇ」 「僕もっと早く踊る」 「まぁまぁだなんて言わせないから」  いつものようにようじとジュンは同人誌を作成しながら、俺は衣装をデザインして縫ったりしながら、虎之介は撮影に励みながら、皆でヴァンの言う通りのダンスと歌を頑張った。ちなみに作詞作曲はヴァンで彼の思わぬ才能に皆が驚いた。良い曲なのだ、ノリが良くて歌いやすくダンスするとカッコよくきまった。ヴァンは衣装を着て本番を撮影し、それを動画配信サイトに投稿していた。 ”下手” ”誰これ?” ”これがアイドル?” ”BLアイドルってなんだよ” ”知らね”  などという好意的でないコメントもあったら動画の再生回数はだんだんと伸びていった。その間も俺達は同人誌即売会があれば出て同人誌を売ったり、写真を撮られたり、グッズを売ったりしていた。同人誌即売会では赤字ということは一度も無かった。 「素材がいいからな、とくに俺だが。皆も俺と同じくらい良い!!」  ヴァンの言う通り俺はともかく皆はとてもカッコよくて可愛かった。だから動画の再生数は伸び続けた。すると困ったことが起こるようになった。 「あのマリンさんですよね、握手してください!!」 「え? あ、ああ」  俺も含めてヴァン以外の皆がこうやってファンだという女性、時には男性から声をかけられるようになったのだ。ヴァンに声がかからないのはカラコンを普段はしていないせいだろう。俺は伊達メガネをかけるようになった。そうするとファンだという人からの接触はかなり減った。 「今日は何もなかった、次の衣装を縫うよ」 「俺、女の子に頭を撫でまわされた。ペット枠だからって皆、俺のこと猫かなにかと思ってないか? ええい、撮影でエロく絡んでるポーズ撮ってやる」 「僕も伊達メガネをすることにした、普段は帽子もかぶってる。さぁ原稿描こう」 「全く僕は女の子じゃないんだけど、最近告白されまくって最悪。ようじ~、なぐさめて」  俺はマイペースに皆の衣装を作り、ようじとジュンはじゃれあいながら同人誌を描いていた。ヴァンはその中身のチェックをしていたし、虎之介はだんだんエロくからんだ写真を撮るのが上手くなった。そんなふうに俺達の知名度が上がってきた時だった。ある日、ようじがファンの子に頬にキスされたのだ。ようじはその子を突き飛ばして逃げてきた。 「勝手にキスするなんて酷い!! もう僕BLアイドル止める!!」 「待て、ようじ。そう簡単に辞めるとか言うな。そんなの寂しいじゃないか!?」  俺達は皆でようじを引き止めた、ようじも少し経って冷静になると自分の言ったことを反省したようだ。辞めると言った言葉を撤回した。ヴァンが動画配信でいきすぎたファンからの接触を注意しようと言い出して、必ず動画の最後にこう言うようになった。 「普段の俺達は普通の人間です、見つけてもそっとしておいてください!! 過剰な接触はどうか止めてください!! それではいつも俺達の動画を見てくれてありがとう!!」  それからファンとの接触がかなり減った。コメント欄ではファンとして会えないのは寂しいというものが多く書きこまれた。だがその反面。 ”お高くとまってんじゃねぇ” ”ファンサービスはするべきでしょ” ”こっちはグッズ買ってるのよ” ”握手くらいしてよ” ”ケチ!!”  という反発したコメントも多かった。ヴァンはあまり気にするなと俺達に言った。BLアイドルになった以上、愛してくれる反面、傲慢な態度をとる人間もいるのだと言った。俺はBLアイドルとして活動することが楽しかったから辞めると言わなかったが、コメント欄はあまり見ないようにしようと思った。

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