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第24話 イブの夜

 窓の外は、凍えるような冬の夜。  部屋の隅では、飾り付けたばかりのクリスマスツリーが、赤や金色の光をチカチカと瞬かせている。  付き合って初めて迎える、二人のクリスマスイブ。  キッチンからは、明日のために仕込んだ料理の、微かなスパイスの匂いが漂っている。  レオは意外と、こういうイベント事が好きだった。  普段は冷静で感情をあまり表に出さないくせに。  ツリーの飾りを選ぶ時も、ケーキを予約する時も、どこか楽しそうに目を輝かせていた。  そんなレオの姿が愛おしくて。  ケントも自然と、この日を特別なものとして祝う気になっていた。  クリスマスというだけで、どこか魔法にかかったような気分になる。  ただの冬の一日。  けれど、なんか特別なことをしたくなる。 「……今日このあと、していい?」  片付けを終えた静かなリビング。  ケントの低い、少し熱を帯びた声が落ちた。  レオの肩が、微かに跳ねる。  潤んだ瞳がケントを見上げ、そして、恥ずかしそうに小さく頷いた。  少しだけ冷え切った、静かな寝室。  ベッドに沈み込む、二つの影。  触れるだけの、羽のように軽くて可愛らしいキスが、何度も何度も降ってくる。  ちゅ、ちゅ、と、微かな水音。 「……レオって、キス好き?」    ケントの吐息が、唇をくすぐる。   「……ん。……すき」    レオが、甘く掠れた声で答える。  その素直な響きに、キスの角度が深く、激しく変わった。   「んっ、ぁ……」    絡みつく舌。混ざり合う吐息。   「オレのことは?」    唇をわずかに離し、ケントが意地悪く囁く。   「……すき、っ」  その言葉を合図に、ケントの大きな手が服の下へと滑り込んだ。  冷たい空気に晒された肌。  けれど、ケントの手のひらは火傷しそうなほど熱かった。  すっかり尖り切った胸の飾りが、ケントの指先に触れ、期待を込めて微かに震えている。 「あ……っ、んぁっ」  優しく、指の腹で撫で回される。  少しだけ爪を立てて弾かれる。   「ひっ、ぁ……! あ、っ……だめ、」    快感に、レオの細い身体がビクビクと跳ねた。  ケントは焦らない。  甘いキスを落としながら、優しく、優しく。  レオの身体の緊張をほぐしていく。  二人の呼吸が、どんどん荒くなっていく。  肌と肌が触れ合う場所から、じんわりと熱が伝染する。  そろそろ、限界だった。  すっかり解放され、柔らかく熱を持ったレオの奥。  そこへ、ケントがゆっくりと侵入していく。 「あ、っ……ぁ、ぁあ……っ!」  満たされる感覚。  内側が、ケントの熱で押し広げられていく。  自分のかたちを、レオの身体の奥深くに覚えさせるように。  ケントは決して急がず、ゆっくり、ゆっくりと奥へ進んでいく。 「はぁっ、んっ……あ、っ」    苦しいほどの密着感。  深く入ってくるたび、脳の芯が痺れる。  けれど、浅く、ゆっくりとしたストロークがしばらく続く。  じわじわと焦らされるような、もどかしい感覚。 「ぁ、んっ……ケ、ント……っ」    もっと、深く。  もっと、強く。  足りない。  レオの潤んだ瞳が、ケントを懇願するように見上げた。   「……もっと……して……ほしい……っ」  その声は、完全に理性を焼き切る合図だった。 「……っ!」 「ああっ! ぁ、……ひ、……ぁ……っ!」  一気に、速度が上がる。  ケントの重い腰が、遠慮なくぶつけられる。   「んぁっ! ぁ……、ん、っ……! い……ぅ……っ……!」    もう、止まらない。  レオの弱い、一番柔らかい場所だけを、的確に何度も何度も突き上げる。 「ぁ……あッ! け……、っ! けん……ぁっ、ひ……ぁっ」  部屋に響く、濡れた水音。  甘く、熱い嬌声が、とめどなく漏れる。  快楽が押し寄せるたび、声の温度もぐんぐんと上がっていく。  シーツを握りしめる指先が白くなる。  頭の中が真っ白に明滅し、弾けるような絶頂が二人を同時に襲った。 「あ……っ! ん……ぁあ、あ……ぁっ……!」 「レオっ……!」  白濁した熱が、ゴム越しに身体の奥深くに放たれる。  レオの身体が大きく反り返り、ふっと力を失ってシーツに沈み込んだ。 「はぁ……っ、はぁっ……」    肩で息をするレオ。  これで終わりだと、思う瞬間。  けれど。 「んっ……えっ、?」  レオの奥で、ケントの熱が、まだ確かな固さを保っていた。  ケントが素早くゴムを着け直し、再び、ゆっくりと奥に埋めていく。 「あ、っ……嘘、待っ……ぁ、」  再び始まる、深いストローク。  一度果てて敏感になりきった身体に、容赦なく波が押し寄せる。  クリスマス。  本来は、ただの普通の一日。  それでも恋人たちにとっては、底なしの快楽に溺れるための、絶好の言い訳になる日。 「ん……ぁっ! ぁ、……っ、また……ひ……ぅっ!」  甘い声が、静寂の部屋に響き続ける。  少し冷えていたはずの部屋の空気は。  重なり合う二人の熱で、すっかり温まりきっていた。

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