44 / 54
第44話 男子高校生だから
ある朝。
眩しい光。
カーテンの隙間から、朝日が差し込む。
小鳥の鳴き声。
休日の穏やかな朝。
でも。
ベッドの中は、全く穏やかではなかった。
「んっ……ぁ、けんと……っ、ちょっと」
「レオ、いい匂い……」
「まだ、朝……っ」
重たい腕が、レオの腰に絡みついている。
耳元に落ちる熱い吐息。
ケントが、背後からべったりと張り付いていた。
首筋に唇が這う。
ちゅ、と赤い痕がつけられる。
同居している兄夫婦は、昨日から外出中。
今日の遅い時間まで、絶対に帰ってこない。
そして。
奇跡的に、ケントの部活が休みだった。
「だめ……起きなきゃ」
「嫌だ」
ケントが、レオの肩口に顔を埋める。
「部活ない日なんて、滅多にないのに」
しょぼくれた声。
子犬のようにすり寄ってくる。
ずるい。
そんな声を出されたら、断れない。
「……一回だけ、だからね」
「レオ、好き」
パジャマが脱がされる。
素肌が空気に触れる。
ケントの手が、レオの中心を的確に捉えた。
「あっ、んんっ……!」
指先が、蕾をほぐす。
とろとろに溶けた場所。
昨日も散々弄られたのに。
ケントの指が入るだけで、すぐに熱を帯びる。
「あ、っ……! そこ、だめっ」
「ここ? すごい濡れてる」
「言わないで……っ! ぁあッ!」
指が抜かれる。
代わりに、熱く硬いものが押し当てられた。
ゆっくりと沈み込む。
「あ、っ……! ぁあッ!」
深々と繋がる。
朝から、激しいピストンが始まった。
「けんとっ! あ、はげし、っ!」
「レオ、中……最高……っ」
ぱんっ、ぱんっ、と肌がぶつかる音。
朝の静寂を打ち破る。
「あ、いくっ! はや……い、っ、ああ……っ!」
「一緒に……っ!」
激しい絶頂。
朝の光の中で、二人は深く溶け合った。
昼前。
遅めの朝食を済ませる。
トーストとコーヒー。
それだけ。
リビングのソファに並んで座る。
テレビは点いているが、誰も見ていない。
ケントの指が、レオの髪を弄る。
頬を撫でる。
首筋をなぞる。
「……また?」
「ん」
「さっき、したばっかり……っ」
「足りない」
ソファの上で、レオが押し倒される。
シャツのボタンが弾け飛ぶ。
「あ、っ……んんッ」
胸の突起を、甘噛みされる。
ちゅぱ、と音を立てて吸い上げられる。
「ひっ……! ぁ、ああっ!」
足が大きく開かれる。
ソファの柔らかいクッションに沈み込む背中。
今朝の余韻を頼りに、ケントの欲望が突き入れられた。
「いっ……! あ、っ、」
「ごめん、すぐ気持ちよくする」
ケントの言葉通り。
数回のストロークで、痛みは強烈な快楽に変わる。
「あッ! ああ……ッ! そこ、……い……いっ!」
「レオ、可愛い……っ」
ソファが軋む。
「ん……ぁ……っ! けんとぉ……ぁあ……ッ!!」
白濁が、レオの腹の上に飛び散る。
ケントも、最奥に熱を放出した。
「はぁ……はぁ……っ」
息を整える間もない。
ケントが、繋がったまま立ち上がった。
「えっ!? ちょっ、ケント!」
レオの腰を両手で支え、持ち上げる。
最奥に、硬いものが深く刺さる。
「あ、あぁ……っ! おく、あた……るっ……!」
そのまま、廊下を歩く。
一歩進むたびに、極上の弱点が激しく擦られる。
「ひ、ぁっ! あ、歩か……な……いでっ! ああっ!」
「レオ、落ちないようにしがみついて」
首に腕を回す。
足を、ケントの腰に絡める。
動くたびに、快感が脳を揺らす。
「あッ! ん……あッ……ぁあ……ん……あッ!」
ベッドルームに到着。
そのまま、ベッドへ倒れ込む。
繋がったまま。
「あ、っ! も……、むりっ……!」
「まだ」
激しいピストンの再開。
「……あ……あっ! ぁ、……あッ! け、……んとっ!」
「んっ……レオっ、」
「い……く、いく……っ、ッ!」
昼下がり。
さらに、もう一回。
外の景色が、徐々にオレンジ色に染まっていく。
「あ、っ……んぅっ……」
「レオ……好き、大好き……」
終わりのない快楽。
全身が溶けてなくなりそうだった。
夕方。
夕飯は、冷蔵庫にあったもので適当に済ませる。
食卓に向かい合う二人。
レオは、箸を持つ手すら震えていた。
「……腰、痛い」
「ごめん。後で揉む」
反省の色はない。
夜。
再び、ベッドの中。
今日、何度目だろう。
もう分からない。
「……こんなんで、いいのかな」
レオがぽつりと呟く。
一日中、セックスしかしていない。
生産性ゼロ。
欲望のまま。
動物みたいだ。
ケントが、レオの髪を優しく撫でる。
「たまにはアリだろ」
甘い声。
「レオとずっと一緒にいたかっただけ」
「……ばか」
「レオも気持ちよかっただろ?」
「……ん」
否定できない。
身体は、すっかりケントの快楽に調教されている。
「じゃあ、最後」
「えっ、まだ……ひぁっ!」
再び、ケントの太いものが押し入ってくる。
「あ、っ……も、限界っ……!」
「これで最後。いっぱいいかせてあげる」
「ぁ……あ……ッ! け……ん、とっ! ……あ……あッ!」
夜の闇の中。
交わる吐息。
絡み合う視線。
「あ、いく……っ! い……く……っ!」
「レオっ……!」
果てしない絶頂。
星が弾けるような快感。
レオの身体は、完全に限界を迎えていた。
指一本、動かせない。
深い疲労と、腰の激痛。
でも。
心は、どうしようもなく満たされていた。
ケントの腕の中に抱かれ、泥のように眠りに落ちる。
深夜。
玄関のドアが開く音がした。
「ただいまー」
兄夫婦が帰宅したようだ。
足音が近づいてくる。
ケントは、ベッドからそっと抜け出した。
パジャマを着て、ドアを少しだけ開ける。
「おかえり」
小声で言う。
「お、起きてたのか。レオは?」
兄が聞いてくる。
「もう寝てる」
ケントは、表情を一切崩さずに嘘をついた。
「そうか。おやすみ」
「おやすみ」
ドアを閉める。
暗い部屋の中。
ベッドには、シーツにくるまって眠るレオの姿。
首筋には、数え切れないほどの赤い痕。
部屋中に充満する、甘く卑猥な匂い。
バレなかったのが奇跡だ。
ケントは、レオの隣に横たわる。
熟睡しているレオの頬に、そっとキスを落とした。
「おやすみ、レオ」
男子高校生。
血気盛んで、欲望に忠実。
こんな風に、一日中好きな相手を貪り尽くすなんて。
大人になったら、きっと出来ない。
時間も、体力も。
今しか出来ないことだから。
たぶん。
そう、自分に言い聞かせている。
ケントは、レオの温かい身体を抱きしめた。
腕の中に収まる、最愛の存在。
この先もずっと、この熱を手放すつもりはなかった。
甘い余韻の中。
ケントも、ゆっくりと目を閉じた。
ともだちにシェアしよう!

