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第42話 祈りのように*

「まったくお前は……」  口調は仕方なさそうな苦笑まじりのものだったが、シイナの目には完全にスイッチが入っており、欲望でギラギラと暴力的に輝いていた。  今から始まる苛烈なほどの責めを予感し、ユオシェンはぞくぞくと込み上げる興奮を隠しもせず、わざと煽るような視線をシイナへと向ける。 「ま、ここで俺を満足させられなかったら、別の男に襲われた時、また落ちちゃうかもしれないんだけど――お”っ…オッ、あ”あ”っ、あ”-っ♡♡♡」  言い終わらないうちにシイナは前触れもなくユオシェンの内側を乱暴に突き始める。 「へえ? 命握られてるような状況で、浮気宣言とは良い度胸だなァ!?」 「あ、ア”ッ、ああっ♡♡ ご、ごめんなさっ♡♡ ん、ひっ、んぐ♡ あ”~~っ、オッ、あ”♡♡♡」  怒りと欲が入り交じった獰猛な表情を浮かべながら、殺意すら感じる勢いでシイナはユオシェンを蹂躙する。 「お”っ、ひ、ぁ”♡♡ イクッ、ずっとイって、るぅっ♡♡ あ”-っ、あ”、あ”ッ♡♡♡」 「煽ったのはそっちだろう? 俺の形をナカで覚え込め。もう二度と俺以外のものでイクんじゃねぇぞ!」 「ひ、ひゃいっ♡ イキませんっ♡ イかにゃい、からぁっ♡♡ もっと優しくっ♡♡ アッ、アア”ッ♡♡」 「酷くされるのが好きなくせに」 「あ”っ、あ”ぁぁあ”っ~~~~~♡♡♡♡♡♡♡」  耳元で本音を暴く一言を囁かれ、その低音が脳に響いただけでユオシェンは大きく絶頂する。  それでも激しい動きを一切緩めることなく、シイナは乱暴にユオシェンの奥の奥をぶち抜いた。  ――ぐぽんっっっ♡♡♡♡♡♡♡♡ 「お”お”っ…………あ”っあっ♡♡ とまっ、とまってぇっ♡♡ あ”、あ”っ、あ”~~~ッ♡♡♡♡」  結腸を抜いた後も勢いを緩めず、目の前の獲物をぐちゃぐちゃに壊すような勢いで、シイナは奥を食い荒らし続ける。 「し、しぬっ♡♡ しんじゃうっ♡♡ やら、やらぁっ♡ あ”~~っ♡♡♡♡」 「なんだ、俺に抱き殺されるのが嫌なのか?」 「ッ~~~~♡♡♡♡ や、やじゃないっ♡♡ シイナっ♡♡ シイナぁ♡♡♡」  自然とユオシェンはシイナの首に腕を回し、名を呼びながら縋り続ける。 「シイナっ♡♡ すき、すきすきっ♡♡ このまま殺してっ♡ 大好きっ♡♡♡♡」 「ははっ、殺さねぇよ。仮に死んだら、一緒に死んでやるがな」 「うあ”っ、あっ♡♡ やらっ♡ シイナが死ぬの、やらぁっ♡♡」 「じゃあお前も死ぬな。死にそうなぐらい気持ちよくて苦しくても、意識飛ばさず最後まで俺に縋りついてろ」 「ひ、ひゃい♡♡ シイナにつかまってる♡ ちゃんと起きてますぅっ♡♡♡」  縋り付く腕に力を込め、快楽と与えられる振動で正気を失いそうになる視界を遮断するように、目をぎゅっと閉じてユオシェンは耐え続ける。 「ユオシェン、目を開けろ」  命令のように言うと、ユオシェンは素直に瞼を持ち上げる。快感の濁流に押し流されそうになっている彼の瞳がシイナの視線に晒された。 「ッ、あ”っ♡ シイナぁっ、アッ♡ ん、むぐぅ……♡♡」  至近距離で見つめられた後、唇を強引に奪われ、ユオシェンは何が何だか分からなくなる。それでもユオシェンはシイナに縋る腕を離すことはなかった。 「んっ……は、ぁ…♡♡ シイナっ、んむっ、ン………♡♡♡」  キスの合間に必死に名前を呼んでくる恋人への愛しさで、シイナはつい内側への責めを優しくしてしまいそうになる。だが、目の前の彼がそれを本心では望んでいないことは分かっている。  シイナはユオシェンの意識をほとんど奪いそうになるほど深くキスをし、思考も感覚もぐちゃぐちゃになった頃にようやく彼を解放した。 「は、かはっ……♡ あ”、ああ”っ♡♡ ん、ぐ、お”っ、オオ”ッ♡♡」 「腕を離さなかったな。偉いぞ。ご褒美に奥に出してやる」 「ぁ、あ”ぁッ♡ っ、ぁ”~~~♡♡♡ あ、お”っ…オッ、ア”アッ~~♡♡♡」  もはや人の言葉も喋れなくなったユオシェンは、シイナに抱きつきながら体を反らせて濁った嬌声を上げ続ける。  シイナは奥の入口を抜いたまま自分本位に腰を何度も打ち付け、散々我慢し続けていた熱を一気に奥底へと吐き出した。 「ッ、お”、ああ”、あ”ぁァア”~~~~ッッ………♡♡♡♡♡」  ナカに出された感覚が多幸感となって全身を駆け抜け、ユオシェンはギリギリでシイナに縋り付いたまま、背を反らせてガクガクと痙攣した。  時が止まったかのような長い長い絶頂の後、ようやくユオシェンの体から力が抜けて、彼の体はベッドへと落下する。ほとんど意識を飛ばしながらも命令通り、ユオシェンの腕はいまだにシイナの首へと回されていた。  内側から己のモノを抜き、シイナはユオシェンの顔にキスを落とす。 「良い子だ。ちゃんと言いつけが守れたな」 「えへ……へへ、ぁ………?」  だらしない顔で荒い息を整えながら、ユオシェンの目は虚空をしばらく泳いだ後、ようやく目の前のシイナの存在へと辿り着く。 「シイナぁ……」 「何だ?」 「一緒に……幸せになろうねぇ……?」  夢見心地で呟かれたその言葉に、シイナは一瞬だけ言葉に詰まり、それからきつくユオシェンを抱きしめた。 「……ああ、信じてるよ」 「うん……」 「だから、お前も俺を信じてくれ」  祈りにも似た懇願の言葉がユオシェンの耳に届いたのかは分からない。ややあって、穏やかな寝息を立て始めたユオシェンの額に、シイナは自分の額をそっと当てて囁く。 「信じてるよ、ユオシェン」

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