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第6話

ラブレグルス 「紅明、さっさとチビから離れろ。学校までの送迎を頼んできたのはお前だろ」 もうかれこれ30分はこの状態なので、流石に呆れた歩が言った。 チビ、と言われた日輪が多少ムッとしていたが、初対面の相手にはとことん人見知りなので、紅明の後ろに隠れたまま身を縮こめていた。 一向に離れてきそうにも無いので、最終手段を使うことにした。 「こんにちは、日輪君。自分、直人言うんやけど......」 誰からも好かれそうな完璧な笑みのまま、直人は日輪に近づき、一瞬のうちに紅明から引き剥がし、抱き抱えた。 「ーーえっ!?うそだろ!?」 あまりに素早い動きなので、日輪録な抵抗すらできずに、外に止めてあった高級車に乗せられた。 高級車の後部座席に歩、日輪、直人の順で乗せられ、車は日輪が通う学校に向かった。

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