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第7話

ラブレグルス 学校に着くまでの間、ほんの数十分の事なのに、とてつもなく長く感じた。 基本的に人見知りな日輪は、始めて会った歩や直人を警戒していたのだ。 しかし、気さくに話しかけてくれる直人に早々に心を開き、紅明との会話で気難しくて無口なのかと思っていた歩も実際話してみると、とてもいい人に思えた。 流石、叶多と緑子の兄だ。 自分にすら優しくしてくれる。 学校に着き、校門前で見送られた。 いつもはお手伝い3人の誰かがしてくれていたので、変な感じがする。 自分にも兄がいたらこんな感じなのかなーと少し想像してみて、いや、そういや自分の兄は紅明だったと思い直した。 自分と紅明は年が離れた兄弟なのだ。 紅明の父親と自分の母親が再婚して出来た、血の繋がらない兄弟。 それ以上に思ってはいけないし、紅明が優しくしてくれるからといって、甘えても勘違いしてもいけない。 自分が幼い頃から紅明には迷惑をかけてきた。 その恩返しができたら、俺の人生はもうどうにでもなれ!という感じた。 その反面、彼に迷惑がかかるのなら、自分はスッと身を引くつもりだ。 優しい紅明に、嫌な感情も発想も言葉も浮かんで欲しくない。 今は可愛がってくれるけれど、それはきっと、幼かった純粋な日輪を今の日輪に重ねているのだろう。 今の自分はそうじゃない。 出会った頃から比べたら、随分と汚れたものだ。 だから、彼の側から離れろと皆に言われたとき、1人で生きていく力を付けなくてはならない。 そのために、日輪は学校に入ったのだから。

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