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【四】青羽―犯人は誰だ?⑤ ※R18

明日は社長命令で一週間ぶりの休日だ。人材派遣会社から料理人が派遣される。探偵屋のテツさんの知り合いなら、きっと腕も確かだろう。ホテルでの取り引きが疑われ始めたのが先月ならば、犯人逮捕まではしばらくかかると透が言っていた。『ルキア』は、穏やかな春を迎えられるのだろうか。  浴室に湯を張りながら手際よく身体を洗い流していった。恋人はきっと休日を見越して俺を抱くだろう。  準備をしていると彼が予想より一時間も早く脱衣所に現れた。ガラス越しのイケメンはスーツの上着を脱衣カゴに放り、喉元に指を引っかけてネクタイを緩めた。束ねていた髪も紐を引っ張り、戒めから解放する。ギリシャ神話のアドニスにも引けを取らない美男子が裸体を晒していくと、俺の心臓がドクンと跳ねた。  こちらへ歩を進める彼の雄が鎌首をもたげる。手に持っていたローションのボトルは彼の手に渡り、隠しきれない互いの勃起を擦り付け合った。充血した赤い欲棒はローションのぬめりを借りて快感のシグナルを発し始める。異国の血を濃く受け継いだ彼は肌が白く、骨格や顔の造形、手足の全てが逞しい。そばかすの散った胸をかじれば、弾力のある筋肉に押し返された。  俺の両手は彼の赤銅色の髪をまさぐり、鼻をくっつけ合い尖らせた舌を彼の口内へと差し込む。あああ……熱くて、そして美味しい。グラスに注がれた極上のワインよりも芳醇な味わいだ。興奮した雄の臭いが俺の鼻孔を満たしていく。汗ばんだ肌がくっつき、透の不埒な手が二本の屹立を包み込んで上下に動いた。浴室の壁にもたれた俺は、リズムと強弱をつけながら扱く海賊に喘ぎ声を引き出されてしまう。シャワーを止めた室内は、ローションが卑猥な音を醸し出した。 「あっ、あっ、ひあっ。それぇ、ダメだっ」 「はぁはぁ。俺も出そうだよ……」 「透、いれてっ」  たくましい胸に手をついて動きを止めた。くるりと背中を向けると、両手を壁について臀部を彼に突き出す。羞恥よりも恋人を迎え入れる欲望が勝った。そっと後孔に忍び込んだ彼の指は準備していたことを感じ取り、柔らかくなった肉壁に淫靡な音楽を奏で始める。指が徐々に増やされて、俺がいつも声をもらす箇所を丁寧に強弱をつけてノックする。 「あっ、あっ、あっ、あああぁぁ」 「気持ちいいか?」   「うん、うん。きもちいぃ……」 チクチクした顎髭が背筋をこすり、甘美な痺れが股間にまで到達した。 「はぁはぁ。青羽……」 「とおる……はやく」  呼吸を乱した赤毛のヴァイキングは、熱杭を埋め込ませていく。  ググググググ。 「ひああぁぁ……」 「青羽……熱くて溶けそうだよ」  パンパンと腰を叩きつけられて、肉環が勃起で擦られる。おでこにそっとキスをして立ち去った紳士が、こんなに野蛮な腰遣いで俺に声を上げさせるなんて誰が想像出来ただろう。ガチガチに反った透を締め付けて快感を伝えると、耳朶をしゃぶられ、肩に噛みつかれた。漲りを打ち付けて、回転させて、ドリルのように抉り、熱い精を放とうとスピードを上げてくる。 「あっ、あっ。とおるっ!」 「うう……いくぞっ」  ドクドクドクドクッ。 ジャグジーに浸かりながら、恋人が身体を洗う姿を堪能した。ここから見ても臀部の筋肉が硬そうに盛り上がってるぞ。赤毛の動く彫像が、なんで俺に興奮するのか未だに意味不明だ。 「いい身体してるな~」  羨ましくて涎もんだよ。 「遠慮せずに触ってくれ。ぜんぶ青羽のものだ」 「いただきます……じゃなかった! 非常階段の件はどうなった?」 「テツが迅速な報告を褒めてたよ。探偵屋にならないかと青羽をスカウトしてきたから、断っておいた」  有無を言わさぬ口調だ。傲慢さよりも心配故の行動だと分かるのは、俺が彼を理解し始めているからなのか。 「うん。刺激は透だけで充分だよ。俺は父親と違う人生を送る。側にいる人間を騙したりしない」  これは希望ではなく、決意だ――。

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