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拝啓、愛しのキミヘ。匿名だから許してください。
大真が思っていたことを、慧司が言葉にした。分かっていたことなのに、改めて慧司に言われると涙が出そうになる。
今までずっと一緒だったのに。
「離れたって、別に良いだろ。慧司もそろそろ俺にうんざりしてきたんじゃねえの」
大真は二人の間に流れる空気に耐えられなくなりベッドから起き上がると、慧司に背を向けて座った。
「大真、お前がうんざりしてきた、の間違いじゃ?」
慧司は、大真の肩に手を乗せた。振り向かせようとしたのかもしれないが、あまりの言葉に大真は振り向く気になれなかった。
「……はあ? 俺はそんなこと思わねえよ」
「それなのに、俺と離れて良いんだ?」
(何でまたそうやって……!)
前に、「そんな人を作って良いのか」と言った慧司と今の慧司が重なった。
意図も分からず、そうして煽ってくる慧司に、大真はとにかく腹が立った。
いつも自分にばかり答えを求めてこようとする慧司が憎い。
大真は強く言い返したい気持ちになったけれど、今のままでは何を口走るか分からないと思い、とりあえず少しだけ気持ちを少し落ち着かせたくて膝の上で丸めた手に力を込めた。
慧司と離れたくないし、これからもずっと一緒にいたいけれど、ただの幼馴染という関係でそれを求めるのは違うだろう。
けれど、二人が幼馴染以上になることはないし、何もできることはない。
「……良いも何も、そもそも学力だって慧司に追いつかないんだから仕方ないだろ。今からどんなに頑張ったって無理だと、お前が一番分かってるだろうが」
「別に同じ大学とは言ってないだろ。同じ県にすればって言ってんの」
「はあ?」
慧司の言葉に、大真は思わず振り返ってしまった。せっかく落ち着きかけていた気持ちは台無しになり、彼の真意を知りたいと昂る。
こうして振り向かせることを狙っていたのか、まんまと振り向いた大真を見て、慧司はベッドに肘をつきながらニヤリと笑った。
「大真の家はさ、私立でもどこでもいいから、大学は出てほしいって言われてんだろ? だったら俺が行く大学の近くに来いよ」
(確かに同じ大学は無理でも近くなら俺でも行けるところ、あるかも。……ってそうじゃなくて、)
「……な、何で?」
(近くの大学に行って、慧司はどうしたいの?)
「ルームシェアすれば良いじゃん」
「……はあ!?」
大真が気になっていた理由を、慧司はためらうことなく答えた。
大真は反射的に「はあ!?」と返してしまった後で、何度もルームシェアという言葉を頭の中で繰り返す。
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