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キミへの気持ちは手紙にのせるから、覚悟して受け取って。
カフェに着くまで、大生は案内してくれる祥太郎にぴったりくっついて歩いた。
「わあ、すごい……」
カフェに着くと、大生は思わずため息がこぼれた。
図書館から十分足らずの場所に、こんな素敵なカフェがあるなんて。
二階建てのその建物は、高木やツル植物で覆われていた。
少し離れたところから見たときは、迫力があるように感じたけれど、近づいて見るとまるで森の入り口みたいだ。
木々に囲まれ、木漏れ日が差し込む小道を歩いていくと、絵本の世界に入り込んだ気分になる。
さっきまでの蒸し暑さが嘘みたいにひんやりとしていた。
「すごいおしゃれ……」
「だろ? 頑張った日のご褒美によく来るんだよね」
「確かに、ここに来るなら頑張れちゃう……」
「まあ頑張ったとか関係なしに、大生と来たかったんだよね」
「……っ」
木々の隙間から差し込む光が、優しく祥太郎を照らす。優しい笑顔を向けられ、大生にとって全てが眩しく思えた。
ガラス扉を開けると、店内は想像していたより天井が高かった。
明るい店内はキラキラと輝いて見える。
「二名様でしょうか」
メニュー表を持った店員に話しかけられ、大生は天井から視線を落とした。
はい、と頷いた祥太郎の後ろで改めて店内を見渡すと、座席は人でいっぱいだった。
「ただいま少し混雑していまして、横並びのカウンターでもよろしいでしょうか」
店員さんにそう尋ねられ、指された方向に視線を向けると、何の仕切りもない横並びの席だった。
(アクリル板がないなら何でも良い……!)
「大生、良いよね?」
「はい……!」
「カウンターで構いません」
「それではご案内いたします」
案内された席に座ると、メニュー表を開く前に、先輩が椅子の位置を調整し始めた。
座り心地でも悪かったのかと気にして見ていると、明らかに距離を詰められていた。
祥太郎の肩がぶつかる。
「……さっきの分」
「え?」
「さっき、遠かったからね」
どうやら、図書館で近くに座れなかった分を今詰めて座っているようだ。
(祥太郎先輩が可愛い……)
予想外の行動に思わず笑う大生の頬を、祥太郎は指先ですりすりと撫でた。
「図書館誘ったけどさ、自習みたいになってつまらなかったよな? もっとこう、一緒に勉強するつもりだったのに」
「……いや、僕は誘ってもらえるだけで充分嬉しいので」
「そっか、なら良かった。でもごめんなあ、なかなか会えなくて。塾の夏期講習を申し込みすぎちゃって」
毎日へとへとだよと、祥太郎は眉を垂らして笑う。
そんなに疲れているのに、会いたいと思ってもらえたことがたまらなく嬉しかった。
大生はふと、『俺にはお前との時間が必要なんだよ』という先輩の言葉を思い出した。
(僕といることで、少しでも疲れがとれてたらいいな……)
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