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大好きなあなたへ。どうしたらこの気持ちを受け取ってくれますか。
響が部活動を終えて戻ると、教室には誰もいなかった。
誰かいたらどうしようと、ドアを開ける前に緊張していた響は、静かな教室にホッとした。
(あっちゃんといるときに、にやけてるの見られたくないし)
終わっていない課題に取り組んだり、たまっているメッセージに返信をしたり、やることはそれなりにあるのに、何も手につかなかった。
久しぶりのあっちゃんの家だ。
自分から家に行きたいとお願いしたのに、二人きりになるのは緊張してしまう。
しばらくすると、響が思っていたよりずっと早く、黒崎が教室へやってきた。
いきなり開いたドアの音に驚いた響は、それを誤魔化そうと「あっちゃん、めっちゃ待ち遠しかったよ〜」とふざけて泣き真似をした。
「そんなに待たせてねえだろ」
「確かに思ったより早くてびっくりした。仕事は? もういいの?」
「だってお前がいるからこれ以上無理だろ」
「えっ、俺のために早く切り上げて来たんだ? キュンなんだけど……」
響は教室の入り口に立っている黒崎に両手で指ハートをした。うげ……と嫌そうな顔をする黒崎へと思い切り抱きつく。
よろけた黒崎は、そのまま廊下に尻もちをつく。
「おい、腰痛めるからやめてくれ」
「まだ若いからいいじゃん」
(俺のために早く終えて来てくれたの、嬉しい)
笑って誤魔化さないと、好きが顔に出てしまいそうだ。
響はおちゃらけた様子で、黒崎の胸元に頬を擦り寄せた。
「まったくお前はさあ。……鞄取っておいで。帰ろう」
「……うん」
過剰にふざけすぎたかもと心配しながら黒崎を見上げると、怒ることなく響の頭を優しく撫で、「わんこみたいだな」と笑った。
「俺が、どれだけ楽しみにしてるか分かる? あっちゃん家はテーマパーク並みに楽しいんだよ」
黒崎が運転する車に乗りながら、響がテンション高めにそう言うと、馬鹿か? というような顔をされた。
本当に楽しみにしていたんだと、本気で言ってしまえば次から次に想いが溢れてしまいそう。だから、こうしてふざけているくらいがいい。
響は、膝に乗せていた鞄に手を回し、強めに抱きしめた。
「そもそも俺の家って、お前が楽しめるものは何もないぞ? ゲームも漫画もたいして持ってないし」
「え? あっちゃんがいれば充分だよ。独り占めできるし! あっちゃん! あっちゃん!」
「……はあ? お前きしょすぎ」
ちらりと視線を動かし、あっちゃんのことをこっそり見ると、口角が少しだけ上がっているように見えた。
「あっちゃん。もしかして、俺の可愛さにやられてる?」
「まじ黙れ。ここで降ろすぞ」
「やーん、怖い〜!」
赤信号になった途端、黒崎は響の頭を強めに叩いた。
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