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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。

大真(はるま)、ご飯持って行って」 「はーい」  慧司(けいし)がご飯をよそいながら大真に声をかけた。  テーブルに食器を並べていた大真がキッチンへ受け取りに行くと、慧司が「今日は絶対大盛りだろ?」と笑う。 「当たり前に大盛りだし、おかわりもするわ」 「だよな」  高校三年生の夏に慧司に提案された通り、大学進学を機に地元から離れた場所でルームシェアを始めた。  すぐにアルバイトを始めたせいで、すれ違う日のほうが多い。それでも大真は、こうしてたまに夕飯を一緒に食べたり、朝起きておはようと言える環境にいられるだけで満足していた。  全て運び終えて椅子に座ると、皿に盛り付けたコロッケを眺め、二人で写真を撮る。  大真が角度をかえながら何枚も撮っている姿を見て、慧司がフッと笑った。 「撮りすぎじゃない?」 「だって、初めてこんなちゃんとしたの作ったからさ」  今日は、珍しく二人の時間が合ったから、慧司の提案で“手の込んだ料理”に挑戦することになった。  第一弾は、ほうれん草コロッケ。  小麦粉やパン粉がこぼれても良いように、テーブルにチラシを敷いた。  粉や卵やらで手を汚しながら、不器用さ全開で作った。コロッケには、手で握ったあとが残っているし、衣は揚げすぎて若干焦げている。 (でも、俺にとっては世界一愛おしいコロッケだ) 「大真、これ、やばくない? そこそこうまそうじゃん」 「次に休みが被ったらさ、また手の込んだ料理に挑戦してみようぜ」  いただきますと手を合わせた後、慧司がコロッケに大きくかぶりついた。あまりにも大きい一口に、大真の頬が緩む。 (衣がぽろぽろ落ちてるし、子どもみたい)  慧司は、大学生活が始まってすぐの頃から、「かっこいい人がいる」と噂されていた。  それなのにまだ、恋人はいない。  これまでと変わらないか、それ以上の人気があるのに、慧司自身は何も変わらなかった。 (こんな可愛い顔、俺しか知らない)  二人で暮らしている自分だけの特権だ。大真は作りたてのコロッケに手をつけずに、優越感に浸りながら慧司を見ていた。 「……なあに?」  大真の視線に気づいた慧司が、カチャリと箸を置いた。突然見つめ返されただけではなく、その声色があまりにも優しかったせいで、大真の体温が一気に上がる。 「な、んでもねえよ」 (見ていたの、バレた……!)  大真は気まずくなり、慌てて視線を逸らした。それから箸を握り、急いで口にコロッケを詰め込む。  慧司のことを笑えないくらいに、ぽろぽろと衣が落ちていった。 (せっかく二人で作ったコロッケなのに! こんな雑に食べるなんて……! 俺のバカ!)  誤魔化し方が分からなくなった大真が、その後もひたすらコロッケを口に運んでいると、それを見ていた慧司がけらけらと笑った。  それからゆっくりと手を伸ばし、大真の口元に触れる。 「ソースついてる」 「え?」  

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