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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。
合コン当日。
大真は、クローゼットから服を引っ張り出し、何を着ていくか悩んでいた。
慧司の幼馴染として紹介されるだろうから、恥ずかしくない服装で行きたい。
(これは微妙か……)
慧司とは、店の最寄駅で待ち合わせしている。こんなことなら、慧司が今朝何を着て出て行ったのか、しっかり見ておくべきだった。
(アクセサリー、いるかな)
鏡を見てしばらく悩んだ後、結局無難なワイドTシャツとデニムにした。
普段と違う格好にしたら、慧司に「女子に好かれたくて調子に乗ってる?」と言われかねない。
大真は、ヘアセットもワックスで軽く整える程度にし、指定された時間に駅へと向かった。
「あれ?」
てっきり、慧司の友人らもいると思ったのに、慧司だけがそこにいた。みんなもこれから集まるのだろうか。
「えっと……、みんなは、まだ?」
大真はきょろきょろと周りを見渡した。
「他のヤツらは直接店に行くらしい」
「え、じゃあ、わざわざ俺の迎えに来てくれたってこと……?」
「だってお前、俺が来る前に知らん奴らの中に一人でいるのは気まずいだろ?」
慧司はスマホで文字を打ちながら、大真を見ることなくそう言った。
態度は雑だけれど、言葉は優しい。胸がきゅっとして、大真はシャツの胸元を握りしめた。
「行くか」
「……おう」
大真は、隣に並ぶことはせず、自然と慧司の数歩後ろを歩いた。慧司はずっと誰かにメッセージを打っていて、大真のほうを見ることはなかった。
赤信号で止まったとき、気まぐれに慧司が振り返った。
突然視線が合い、戸惑っている大真に、「お前こそ、彼女作る気なん?」と尋ねる。
(え、いつの話に戻してるんだよ)
大真がポカンとして数秒かたまると、慧司はすぐにスマホへと視線を移した。
「えっと……、俺? 俺は……別に……」
「じゃあ何で来たわけ? てっきり興味があったのかと思ったけど」
「……いや。お前に誘われたから」
「ふうん」
信号が青に変わる。顔を上げた慧司は、ポケットにスマホを突っ込むと、「ん」と大真に手を伸ばした。
「え?」
「手、出せ」
(意味分からんけど、従ったほうが良さそう……?)
大真は慧司の顔色を窺いながら、ゆっくりと手を出した。慧司はその手を掴むと、そのまま歩き始めた。
大真は引っ張られるようにして足を前に出す。
「ここらへん、人が多いから」
「……はあ、」
「はぐれんなよ」
(そのために、手繋いだの?)
怒っているのか、優しいのか、気まぐれなのか。
慧司が何を考えているのか読めないことばかりだ。まだ目的地に着いていないのに、大真はもう疲れてしまった。
それでも、繋いだ手は温かくて、胸が苦しくなった。
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