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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。
(進路決めも、ルームシェアも、キスも今日も……。振り回されてばっかりだ)
「慧司、お前、……意味分からん」
「……俺はお前が分からんよ」
「え?」
慧司は、握る手に力を込めた。
「いて……」
慧司は力を弱めることもなければ、離すこともなく、店に着くまでずっと大真の手を握っていた。
店に着くと、男子二人と女子たちが既に向かい合って座っていた。
男子二人は、慧司を見ると「よ!」と手を挙げた。
(みんなかっこいい……。でも、慧司が一番だ)
女子は第一印象で慧司を選ぶに違いない。そう思って大真が女子を見ると、案の定キラキラした目で慧司を見ていた。
(ほらな)
「あ、慧司の幼なじみ? 初めまして」
慧司の友人のうち一人が気さくに挨拶し、大真のほうへと手を伸ばした。握手しようと大真も手を伸ばし返したが、慧司が間に割り込むように座った。
「おい、慧司! せっかくお前の幼馴染に挨拶しようと思ったのに!」
「そういうのいらないだろ。大真、ここ座って」
お互い手を引っ込めるしかなくなった気まずさから、場を変えようとして大真は「てか俺らが最後なんだ。すみません」と謝った。
それなのに、みんなはきょとんと大真たちを見つめていた。
「最後っていうか、私たちは昼すぎからずっと遊んでて。慧司くんたちはご飯からしか参加しないって聞いてたから……」
「え? あ、そうだったんだ。俺、何も知らなくて……」
状況があまり読めないまま、大真は慧司を見た。どういうことか説明してよと目で訴える大真から慧司は目を逸らした。
(何で途中から? 恋人がほしいんじゃないの?)
もしかしてーー。
途中からでも余裕だと見せつけるためか?
「まあ、とりあえず慧司も、幼なじみさんも座ってよ。改めて自己紹介しようぜ」
遅れて来た大真たちのために、既に終えたはずの自己紹介が始まった。
それなのに、大真は慧司が何を考えているのかばかりが気になって、自己紹介を聞く余裕がなかった。
(やばい……。聞いたのに名前を忘れてしまった)
大真以外のみんなは、二度目の自己紹介のはずなのに笑顔で楽しそうにしている。
明らかに自分だけモチベーションが違う。
大真は、隅で小さく目立たないようにするしかなかった。
「ふう……」
お酒も飲めないのに、参加しているみんなはノリが良かった。何が楽しいのか分からない話題で盛り上がっている。
始まってからずっと、大真だけが一人浮いていた。
慧司も嘘くさい笑顔を張りつけているかと思いきや、笑顔で過ごしていて、大真はそれに驚いた。
(俺の過ごしてるときみたいに笑うじゃん……)
慧司は本気で楽しんでいるのかもしれない。
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