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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。
「文字で表現するって、大好きなんだよね。良いよね」
「口で話すより、文字にしたほうがまとまったり、眠っていた自分の素直な気持ちを書けたりするよね」
「え、分かる……! 大真くんもそんな経験があるんだ」
「……え、ああ、まあ、うん」
そんな経験と言われて思いつくのは、慧司に書いた手紙しかない。
大真はじわりと、頬が熱くなるのを感じた。
「大真、お前楽しそうじゃん」
「……あ、」
棗とばかり話していると、隣に座っていた慧司が大真の脇を肘でつついた。
(楽しそうじゃんって、楽しんでるのはお前だろうが)
明らかに好意を丸出しな女子と話している慧司を大真は睨みつけた。
言い返したい気持ちをおさえ、黙ってウーロン茶を一気に流し込む。
(棗さんがいることで何とかここに居られてるんだ。邪魔すんな)
「おい、無視すんなって」
慧司は、何も言わない大真のはあを掴むと、自分のほうへ向かせた。
指が頬に食い込み、唇が突き出してみっともない顔になる。
慧司の目の前にいた女子が「きゃあっ」と声をあげ、みんなが大真へと視線を向けた。
「慧司、お前何してんの」
友人の一人が声をかけると、「大真が無視するから」とだけ答えて、俺の頬をすぐに解放する。
「慧司くんって、Sなの? 結構強引なんだ」
「私までドキッとしちゃった〜」
何を想像したのか、うっとりした顔をしながら女子は慧司を見つめる。
「さあ? どうだろうな」
「え〜、気になっちゃう」
甘えた声を出す女子に、慧司が笑いかける。その姿に無性に腹が立ち、大真は睨みつけながら頬を押さえた。
(触られたところ、痛い)
「びっくりした。大真くん、大丈夫?」
心配する棗に、「大したことない」と伝えた。棗は何か言いたそうな顔をしたが、何も言わずに慧司を見つめた。
「独占欲強めかあ……」
「え? 何が?」
「慧司くん、すごいね。私たちが楽しそうに話していたから気に入らなかったんだね」
閃きました! みたいな顔をして棗が頷く。
「慧司が? 俺は別に独占欲強いと思ったことはないけどなあ」
「ええ? だってさ、大真くんが会話に入らないってだけじゃなくて、慧司くんって絶対に大真くんに話を回さないんだもの。慧司くんが大真くんをこの場に誘ったんでしょ? なのに変だね」
(どういうことだ?)
棗の言おうとすることが理解できず、もっと詳しく聞きたいと思わず棗の手を掴んだ。
「ん? どうしたの? この唐揚げ食べたい?」
棗が唐揚げの皿を大真の前に差し出した。慧司の話をしていたのに、今は唐揚げに夢中になっている棗に、大真はそれ以上聞くことができなかった。
ただ、自分と慧司には無縁な独占欲という言葉が頭から離れない。
(独占欲? 慧司が、どうして? 今だって、女子と楽しく話しているのに?)
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