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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。

「え、この雰囲気の中でその話に戻る?」 「だって気になる……」    慧司の言葉に、大真もそれはそうと思ったけれど、今聞かないと慧司は教えてくれない気がした。 (だって俺、自分だと分からないように筆跡も口調も変えたのに) 「別に、俺からって分かるようなエピソードはなかっただろ? 字だって変えたんだ」  慧司の答えが気になり、さっきまで恥ずかしさでいっぱいだった気持ちが少し落ち着きを取り戻した。 「……まあ確かに、字はお前っぽくなかったな」 「だろ?」 「でも、あの日は朝から明らかに動揺してたし」 「……バレてた?」 「まあな」  大真は、あの日の朝の自分を思い出してみた。やたら靴箱に行くまでに時間がかかっていたし、手紙に対して突っかかりすぎていたかもしれない。 「昇降口あたりで、さすがに何かあるなって、お前の様子から気になってた。そうしたら手紙が入ってたからもしかしてお前からかもって思った」 「でも俺じゃん? 男じゃん? 普通はまさかなって信じないんじゃ?」 「お前について、男だとかそれはどうでもいい」 「……そっか」  しゃがんだままの大真の横に、慧司も座った。狭い脱衣所で、二人でぎゅうぎゅうになって並ぶ。  膝を抱えながら慧司を見ると、穏やかな視線を向けていた。 「まあ正直、百パーセントお前からだって分かっていたわけじゃなくて」 「……え? そうなの?」 「だから何回もお前のこと試してたし」 「え、あ、そういうこと?」  ん、と言って、慧司が手を差し出した。大真がそこに手を重ねると、慧司が柔らかく握った。  大切に触れられている感覚がする。 「確信したと言うより、お前からの手紙であってほしいって気持ちのほうが強かったかも。あれだけ俺のことを見て、俺を好きだと書いてくれた送り主が、大真であってほしいなって」 「ほえー……やばいな、それ」 (大好きな慧司に、こんなこと言ってもらえるなんて) 「今日の慧司、全部答えてくれるじゃん……」 「もう隠す必要ないしな」  慧司は少し前屈みになり、大真の額にこつんと自分のを当てた。すりすりと鼻も寄せられ、一気に距離が縮まる。 「大真」  いったん誤魔化してしまおうと思った、あの甘い雰囲気へと一気に戻る。 「けい、し、待って」 「もう待てない。お前の知りたいこと、全部言っただろ」 「待て……って、」  大真は思わず慧司の胸元を押した。まるで恋人みたいなやりとりに、慣れるような心臓は持っていない。  慧司の言葉を一つ一つ受け止めるだけで、いっぱいいっぱいだった。  それでも慧司は再度距離を縮めると、大真の両手を握り手の甲にキスをした。唇にされたわけではないのに、その柔らかな感触に大真がたじろぐ。 「ちょ……、俺らの雰囲気甘すぎん……? 俺、いっぱいいっぱいで」 「こんなんで終わるわけないじゃん」 「ええ……」 「お前は俺とのあれこれ、想像しなかったの?」 (……想像? したに決まってる。したからこそ、この現実をうまく受け入れられないんだろうが)    ぐいぐい迫ってくる慧司の顔を見ると、大真の予想とは違い、ほんのり頬が染まっていた。珍しく、余裕がないように見える。  ーー俺と一緒? 「……した」 「何を想像した?」 「……いろいろ」 「なんかエロいな、それ」 「エロ……って、」 「まあ、少しずつでいいからさ、それ全部教えろよ。もう匿名でなくていいんだから」  

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