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拝啓、愛しのキミヘ。そろそろ正直になりませんか。
大真は、慧司の頬に手を添えた。触ってみると、慧司の頬は見た目以上に熱を帯びていた。親指の腹で頬骨をなぞる。
慧司がそっと手を重ねた。
「大真、好きだよ」
「お、俺も……、すげえ好き」
夢を見ているようで、ふわふわする。
大真は、自ら慧司に顔を近づけた。
「今のはお前が悪い」
「えっ……」
慧司はガバッと立ち上がると、大真の手を握り、リビングへと引っ張った。引きずられるようにして大真がワタワタとついていくと、慧司は大真をソファへと押し倒した。
「今日はさすがにキスだけだから」
その言葉通り、慧司は何度も唇を重ねた。どれくらいの間そうしていたのか分からない。とにかくあまりにも長い時間され続け、終わった頃には大真の唇がヒリヒリするほどだった。
「一生分のキスしたんじゃない?」
「こんなの始まったばかりだろ」
「キス魔だったん?」
「お前限定でな」
大真が何を言っても、敵わない返事ばかりされてしまう。もう何も言わないほうがいいと、黙ってソファに座った。
(この空気をいったん変えないと。心臓が持たない)
大真がテレビの電源を入れると、その横で慧司はスマホを取り出した。連絡でも来たのか? と大真が視線を向けたと同時に、慧司が頬にキスをした。
と、同時に、ピピッと音がした。
(え、写真?)
大真が慧司のスマホを覗き込むと、咄嗟のことで間抜けな顔をしている自分と、口角を上げて満足そうな慧司が映っていた。
「いい感じ」
撮った写真を確認しながら、慧司が嬉しそうに笑う。
「慧司、お前、そういう写真とか撮るタイプだったんだ? 知らなかった。てか、さっきからずっとびっくりしてる。ギャップ多すぎ」
「ああ、写真? まあ撮るタイプでないけど、これはおばさんに送るから」
「……へえ、おばさんにね」
送るために撮ったのかと一度は納得したものの、大真の知る中で慧司がおばさんと呼ぶのは一人しかいない。
ソファの背にもたれていた大真は、慧司の言うおばさんが誰を指しているのか分かった瞬間飛び上がった。
「おばさんって、俺の母親のこと!?」
「そうだよ。ルームシェアする前に俺の気持ちは話したし、お前のこと大切にしたいって話もしてきた。だから報告すんの」
「……ちょっと待って。嘘だろ、お前強すぎ」
慧司と出かける前は、1日の終わりがこんなことになっているとは想像もできなかった。
今日は色んなことがありすぎて、処理が追いつかない。
(しかもまさか、俺の母親に知られていたなんて。てか、母親もそれを受け入れたってことか!?)
「どうなってんの」
「どうもこうも、お前が始めたんだからな。匿名だったけど」
「だってこうなるって思ってなかったし。親に言うとかやばすぎるだろ。怖くなかったのか!?」
「ははっ、何をそんなに驚いて。俺の愛なめんなよ」
そう言いながら写真を眺めている慧司は、こんなところに皺ができるのかと驚くほど、大真も見たことない笑顔だった。
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