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ルカの言葉に、生徒会室が一瞬ぴたりと静まり返った。
「え怖!? なになになに、人殺す!?」
フィンの悲鳴が上がり、ざわざわとし始める。
「……さすがに、まずいな」
アルシオンがため息を吐いた。
「やばいよねぇ。……って、オルキウス、どうしたの」
ふと、ルカがオルキウスを見た。オルキウスは机に肘をつき、両手を組んで静かに下を向いている。肩が少し震えて、口元が笑っているように見えた。
「いや……なんでもない」
そう言って顔を上げたオルキウスは、軽く咳払いをした。
「多分、人は殺さないんじゃないかな」
「そうかなあ……やりかねないよ、あの暴れ鮫なら」
フィンがぞっとしたように自分の体を抱きしめる。
「大丈夫だよ。……少なくとも、君たちが想像してるようなことにはならないよ」
そう言って笑うオルキウスは、金の目を細めた。
その日の放課後。
オルキウスは学園の生徒たちにきゃあきゃあと騒がれながら、門の外に停めてある黒塗りの車に乗り込んだ。
「おかえりなさいませ、若様」
運転手の言葉に「うん、ただいま」と言って席に座る。
「オルキウス様、さようなら!」
「さようなら」
車の外から手を振ってくる生徒たちに爽やかな笑顔を向けると、運転手がドアを閉める。
ドアを閉めると、黒いブラインドがおりた窓からは生徒たちの姿が見えなくなった。
「────出せ」
その瞬間、全ての表情を消して、オルキウスは低く告げた。
車が静かに走り出す。
「若様。明日のご予定は……」
「外では若様と呼ぶなと言ってるだろう」
運転手の言葉に、オルキウスは足を組んで座ったまま告げた。
「明日は休みにする」
「は……いえ、しかし、明日は海洋評議会が開かれます。新たな神託が下ったようです」
運転手が焦ったように言い募る。
「各家当主も集まるそうですが……」
「……二度言わすな。休む」
金色の瞳を炯々と光らせて低く告げると、運転手はミラー越しにびくりとして目を逸らした。
「……承知しました。しかし、いったいどのような理由で……」
オルキウスはふっと目を閉じ、小さく息を吐いた。
「──ピクニックだ」
そう答えて、明日を楽しみにするようにひっそりと口角を上げた。
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