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第5話
俺の家族構成を聞くと、母親が再婚したことで、俺はこの学校に入学したということらしい。
しかも、その再婚相手にも俺と同い年の息子がいて、その義理の兄貴がなんと生徒会の『副会長』なのだとか。
んで、その副会長は俺をめちゃくちゃ溺愛しているらしい。
じゃあ、その副会長に会って、とりあえず事情を説明しておくべきかと立ち上がった。
だが、イケメン風紀委員長に結構な勢いで止められる。
「……そんな格好で行ったら、俺があいつに殺される」
確かに、一理ある。
洗濯が終わるまで、もうちょい詳しく俺自身の事を聞くことにした。
なんでも、生徒会と風紀委員はバチバチの対立関係にあるようで、それもあって彼は今まで俺に告白できなかったという。さながら、ロミオとジュリエットのようなものだ。
ついでに、さっき出てきた『親衛隊』の詳しい説明もしてもらった。
親衛隊とは、人気のある生徒に自然発生する、その生徒の学校生活を守るための組織らしい。生徒会メンバーや各委員会の委員長は、大抵が親衛隊を従えているとのこと。
俺の場合は、背もある程度高くてバスケが得意だったらしく、「格好いい!」と大人気だったそうだ。
だから、可愛い男の子たちがキャッキャウフフと周りにまとわりついていたらしいのだが……。
「――で、志津は、声をかけてくる親衛隊を、手当たり次第に食ってた」
……ちょっと待て。一旦、話を中断したい。
落ち着け俺。餅つけ。
食っていた。食っていたって、つまりは……。そういう、その、あれか!?
俺は昨夜、このイケメンに食われたが、本来の俺は、その……食う側ってことか!?
可愛い男の子って何なんだ。手当たり次第って、何なんだよ過去の俺。怖すぎるにもほどがある。
ってか、お前もこんなイケメンのくせに、なんでそんなとんでもない奴に惚れてるんだよ!
俺が一人で脳内大パニックを起こして話を整理している間に、イケメンは何やらノートパソコンを持ってきた。
「言葉で聞くより、見た方が早いだろう。普段の志津の映像だ。体育祭や文化祭の動画もある」
お前……それは、一体何のために撮り溜めていた映像だ?(ストーカーか?)
恐る恐るその映像を見てみると、画面の中の俺は、確かに手当たり次第に周囲に可愛い子をはべらせるチャラ男オーラが漂っていた。
というか、公衆の面前で可愛い男の子たちにベタベタとスキンシップ三昧である。やべぇ奴だ。
結局、その映像を見て得たものは、「俺がちゃんと自分の顔を認識できた」という事実だけだった。
――俺が記憶を失ったのは、「今までの行いを反省しろ」という、神の思し召しかもしれない。
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