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第51話 第七章(10)
熱い世羅の体温に溶かされてしまいそうだ。両手を世羅の背中に回し、肌の感触を確かめる。滑らかな世羅の肌はしっとりと汗で濡れ、吸い付くようだ。筋肉質の硬い背中に爪を立ててやりたくなる。
世羅の片手がお互いの雄を包み込み、擦り合わせるように動くと、唇が解放され、感じやすい首筋を舐められる。甘く噛まれ背中を仰け反らせ、掠れた声を漏らした。
鎖骨を噛まれ、ドラゴンタトゥーを愛撫するように舐めては啄ばむように優しく吸い付かれる。そうされると堪らなく感じた。
乳首に到達すると、世羅は夢中でそれを貪る。大きく口を開け、吸い付き、舐め、甘く噛む。
甘く痺れるような快感に黒龍は翻弄された。
欲望の先端から透明の涙が溢れだしている。世羅の手で扱かれるたびにその量は増した。
「うっ……くぅ……ああっ――」
体をくねらせ夢中で快感に悶える。世羅が舌で乳首から乳輪、ドラゴンの口許を舐めまわす。まるでドラゴンを挑発し、キスしているみたいで興奮させられる。
胸を貪る世羅から目が離せなかった。
目を潤ませ、まるでドラゴンと見つめあいながらキスしているみたいに黒龍には見えた。鳥肌が立つほど扇情的だった。
「仁……ドラゴンじゃなく俺を見て」
まるで自身のドラゴンタトゥーに嫉妬しているみたいだ。いや、黒龍は嫉妬していたのだ。世羅があまりにも黒龍のドラゴンに夢中にいなっているから。
世羅が我に返り、顔を上げた。目の下がほんのり赤くなり、得も言われぬ色香を漂わせている。
「お前の龍が……俺を挑発するんだ。目を開けると、龍と目が合う。まるでこいつとキスしているみたいだった」
「妬ける。自分のタトゥーに妬くなんて、バカみたいだけど。本気で妬ける」
世羅を押し倒し、上に乗ると、屹立を後孔へ宛がった。そこはまだ柔らかく、容易に膨らんだ大きな先端を呑み込んだ。ゆるゆると腰を揺らしながら胎内へ誘う。
世羅が黒龍の腰に両手を当て、思い切り突いた。
背中が仰け反り嬌声が漏れる。良いところに当たり、全身が炎に包まれたように熱くなる。震えるほど快感に支配された。
うっすらと目を開け、世羅の顔を見る。欲望に煙る瞳は黒い泉のようだ。妖艶な光を放ち吸い込まれそうになる。
「お前は俺に乗っかるのが好きなのか?」
黒龍は艶めかしく腰を揺らしながらほほ笑む。
「ああ、仁の顔が良く見えるし、あんたを支配している優越感に浸れる」
ニヤリと笑うと、世羅が突然上体を起こした。黒龍の腰を持ち上げ、結合を外す。
「クローゼットの方を向いて膝立ちしろ」
そう言いながら、肩に手を置き向きを変えさせられる。目の前にクローゼットの扉の鏡に映る自分が目に入った。ドクリと心臓が大きく跳ねる。
背後に世羅が見える。腰に手を置くと、指で双丘を開き、屹立の先端をねじ込む。ぐっと押し込まれると胎内の肉壁が歓喜に震え快感が突き抜ける。喉を反らせて唸ると、世羅が黒龍のむき出しの首に貪りついた。
片方の手は、陰嚢を揉みながらその裏の敏感な部分を擦る。もう片方の手はドラゴンを撫でさすりながら乳首を爪で擦る。
堪らない快感に支配され、黒龍の腰が切なく揺れた。うっすらと目を開け鏡を見る。肌をピンク色にさせ、ドラゴンは黒龍が悶え身体をくならせるたびに、揺れている。まるでドラゴン自身が揺れ動いているように見える。
後ろから回された世羅の逞しい腕。屹立し震える己の雄の先端からは白濁が混じる体液がとめどなく溢れだしている。
自分の淫らな姿を見て黒龍は興奮を覚えた。
「自分がどれほどエロい体かよく見てみろ。こんな風に俺を挑発するんだ。お前の龍も加担して俺を落とそうとする。覚悟しろよ、龍一」
名前を呼ばれ、溶けそうなほど熱くなる。もう何が快感なのかわからないほど、全身が甘く痺れたままだ。
ズンと奥に突き上げられ体が上下に揺れる。快感が強すぎて声にもならない。体を這う世羅の手。官能の涙が瞳を濡らし視界を歪めた。口を開き荒々しく息をする。
ああ、キスして欲しい。心から切望した。世羅の髪に指を絡める。さらさらした感触が心地よかった。
「キ、キス、して……」
ため息と一緒に出た哀願。それを世羅は聞き取ったようで、首筋を舐めていた唇を外した。
顎に手を添えられ口づけられる。
満たされる感覚に黒龍は恍惚となった。
溺れていく――。
そう感じた。この男に溺れ、この男の為に自分は存在する。世羅の生きる意味が黒龍の為になればいいのに……。黒龍は切実にその希望を抱いていた。
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