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第七章 週末、そして週明け(3)【R18】

 ややあって開かれるドア。寝室の中央に置かれているキングサイズのベッドの上に身体を置かれる。  ふわりとシーツに沈んだ俺の身体は、これから始まる饗宴に対する期待でしっとりと汗ばんでいた。そんな俺の媚態をベッドの脚側に位置を定めた相馬が見下ろしている。 「今日は見せて欲しいものがあるのですよ、望海様」  ベッドの両サイドには一成と一臣。声を揃えてともに言葉を吐いた彼らの手が俺の身体に伸びてくるのを、俺は逆上せあがってぼんやりとした頭で眺めていた。 「見せて欲しいもの……?」  すぐさま服を脱がされるかと思いきや、彼らの行動は、シャツの上から身体を撫でてくる程度に留まった。どうしたのだろう。いつもは直ぐに事に及んでくるふたりにしては焦れったい動きをする――と思っていると、俺の太腿に手を伸ばしてきた相馬が俺の顔を覗き込んでくる。 「脱げるかい、望海」 「服? いいけど……」  俺は上半身を起こした。先ずは上着代わりに羽織っていたオープンカラーシャツを脱ぐ。そしてTシャツと肌着に手を掛けた。  脱いでいる間も一成と一臣の愛撫は止まらない。肌に距離を近くするふたりの手が、俺の脱ぐスピードを加速させた。ジーンズにボクサーパンツ。脱いだ服と下着をベッドの下に落とすと、ふたりの指が乳首に、相馬の手がペニスに触れてくる。はぁ。と、俺は喉に溜め込んでいた吐息を吐き出した。 「まだ少し柔らかいね」  身体を火照らせ始めたばかりの俺のペニスは半()ちだ。その形を確かめるように相馬が手を滑らせる。亀頭から陰茎、陰茎から陰嚢。ゆるりと陰嚢を揉まれた俺は、立てた腕の先でシーツを掴んで顎を仰け反らせた。  乳首で()けるようになった俺だけれども、やっぱりペニスはそれとは違った快感がある。包み込まれるような気持ち良さ。あっという間に張った陰嚢に、首をもたげたペニスが俺の視界の端で頭を揺らしている。 「気持ちいいかい、望海」 「いい、いいよぅ。相馬ぁ……」  切なさを吐息に乗せて吐き出しながら口にすれば、「これはここまで」と、あっさり相馬の手が引いた。 「意地悪……ぅ……」 「()きたくなった?」 「うん……」  一成と一臣の指はまだ乳首にある。  人差し指と中指で挟み込まれたり、親指の腹で緩く撫で回されたりしていると、次第に射精欲が強くなってきた。もっと。もっと強烈な快感が欲しい。「もっとぉ……」もどかしさに急かされるがままに彼らにせがむと、俺に顔を近くした相馬がくっくと嗤った。 「自分で()ってごらん、望海。私との電話でしたように」 「また……?」  俺は早くも潤み始めた瞳を相馬に向けた。向けて、口にしてしまった言葉に後悔した。  相馬との秘め事。一成や一臣は、俺が相馬と電話で話をしながら自慰をさせられたことは知らない筈だ。どうしよう。慌てて俺の両脇を固めている一成と一臣の顔を窺う。  けれども彼らの綽然とした表情は崩れない。むしろ、面白がっているようだ。笑いを堪えているとも取れる眼差しが俺の顔に向けられている。 「今日はこちらでですよ、望海様」  一成の手が俺の腿を開かせてくる。それが何を意味しているかは俺にはわかった。  同時に、一成と一臣が相馬と俺の秘め事を知っていることも理解した。いつ、どのタイミングでかはわからないが、俺と同じ空間にいても距離を遠くしていることはままある。家でもそうだ。お互い自室に籠っていることも多い。そうした瞬間にだろう。相馬は彼らに俺としたことを伝えたのだ。 「私たちが途中までお手伝いして差し上げます」  一臣の手が俺の右手を取った。脚の合間へと導かれてゆく俺の手。俺が躊躇っていると、「見せて、望海」駄目押しとばかりに相馬が口にする。 「見たいの?」 「見たい」  折角の性行為(セックス)だ。俺だったら自分が相手を()かせたいと思うけれども、相馬たちはそうではないのだろうか。いや、そもそも俺を三人で同時に相手をすることを選択している三人だ。興奮を感じるポイントが俺とは違うのかも知れない。  俺は興味深げに俺の一挙手一投足に注がれている六つの目を見渡した。学園では見せない色欲に塗れた表情。秘められた彼らの顔は、それでもやはり美しい。 「()けたらご褒美だよ」  相馬に軽く口唇を啄まれた俺は決心した。  きっと乙女ゲームのヒロインはこういった気分なのだろう。女生徒に絶大な人気を誇る彼らの心を自分が掴んでいるという高揚感。それは例えるなら褒章だった。自分の努力が実を結んだひとつの形として、俺の胸を甘やかに満たしてゆく。  その感情が、俺を大胆にさせた。  もっと、もっとだ。もっと俺を見て。俺で感じて……俺は枕に背中を預けながら両膝を立てた。自分のアナルに指を()れる。すんなりと異物を受け入れるようになった後ろ孔。弾力のある柔らかい入り口が、俺の指をあっさりと飲み込んだ。 「いい子ですね、望海様は」 「本当に。悦ばせて差し上げたくなりますね」  一成と一臣が俺の耳に口唇を寄せてくる。耳を吸われながら乳首を揉まれた俺は短く声を上げた。彼らに与えられる快感が、俺の動きをより大胆にさせる。俺はアナルに挿し入れた指をゆっくりと動かし始めた。入り口をほぐすように指を回し、少し深い位置にある神経が通っている箇所を刺激してゆく。 「可愛いね、望海は」  相馬の手が俺の内腿を撫で回す。股間に触れそうで触れない位置を掠めては去ってゆく手のひらに、時折、短い疼きがペニスを刺す。あっ、あっ、あっ。更に大胆さを増してゆく俺の指。第一関節を超えて埋まった指が、ぬるぬると俺のアナルを犯している。 「もっと良く見せてください、望海様」  一成の手が俺の左足の膝裏に差し入れらた。直後、抱え込まれた左脚がぐいと持ち上げられる。 「こんなに深く指が挿入(はい)るようになったのですね、望海様のここは」  一臣がその動きを追う。こちらは右足だ。ほぼ二つに折られた身体が動きを窮屈にするが、高まった感情はその程度では俺の動きを止めなかった。膝の合間を通った腕を動かして、俺は自分で自分のアナルを嬲った。緩く掻き混ぜ、浅く突き立て、柔く掻き出す。あっ、あぅ。抑えようにも抑え切れない喘ぎ声が口を衝いて飛び出してくる。その俺の姿を満足げに眺めている相馬。彼の手は相変わらず、俺の内腿を撫で回していた。 「イキたい。イかせて」  繰り返していると、より強烈な快感を求める気持ちが湧いて出た。ここにもっと太いものが欲しい。幾度も叩き込まれたペニスの感触が、俺の気持ちを逸らせる。「我慢だよ、望海」相馬の滑らかな手が俺の手に重なる。「ほら、もっと動かして。望海は激しい方が好きだろう」  うん。と、俺は頷いた。  相馬の整い過ぎた顔は、ただやんわりと物を云い聞かせているだけでも、従いたくなるほどの魅力に満ちている。俺は彼の視線を真正面から受け止めながらアナルを弄り続けた。見られているという感覚が、指での刺激とはまた違った快感を走らせてくる。  あっ、あっ。俺は指を深くアナルに突き立てた。二つに折られた身体が、スムーズな受け入れを可能としている。ずっぽりと根元まで埋まった指が、少し奥まったところにあるしこりに触れた。ああ、ここだ。俺は指の腹でしこりを擦った。ペニスにまで染み出てくる快感が、俺の射精欲を強く刺激する。 「気持ちいいのですね、望海様」  断続的だった喘ぎ声が連続的になったことで、俺の状況を察したようだ。耳を吸っていた一臣が尋ねてくる。  うん。と、俺は頷いた。頷いて、一臣と口唇を合わせた。 「ふふ、外側からでも内部(なか)の動きがわかるようですよ、望海様」  一臣と軽く舌を絡め合った後には一成と。俺は彼の繊細な舌使いを味わいながら、指を動かし続けた。 「いやらしいね、望海は。私たちに見られながらの自慰はどうだい」  相馬の言葉に俺は喘ぐことしか出来なかった。  快感が高く、高く、そして強く、俺の身体を押し流してゆく。もっと、もっと。俺は形を失いつつある言葉を吐きながら、指の腹でしこりを擦り続けた。脳の奥で糸がぷつんと切れたような感覚が生じる。あ、あ。俺はより深く、より奥に指を突き立てた。背中に立ち上ってきた痺れるような快感にぶるりと腰が震える。 「あっ、あっ、あ゙あ゙っ……!」  駆け上がった快感が脳を犯して去ってゆく。どろりと吐き出された精液が、俺の腹に染みを作った。はあはあと喘ぐ俺の口唇に相馬が感極まった様子で口唇を重ねてくる。彼の薄い舌で口内を満たされながら、俺はゆっくりとアナルから指を抜き取った。

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