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第13話 神の御本で※
「んっ……なにっ、やめっ」
いきなり後ろの孔に何かが入ってきた。入ってきて、中で動き出した。
「痛いですか?」
「いたい……」
痛いに決まってんだろ? いきなり何をしてくれてる? ふざけんな。
「やっぱりローションがないと難しいですね。こんなことになるなら用意しておけばよかった」
ため息をついたミヒャエルの声を耳にした直後、俺は身体を震わせた。
「なんっ」
いきかけた寸前で止められていたそれが、突然温かい何かに包まれた。
「んんっ、んっ」
嘘だろ? まさか、フェラされてる? 童貞には刺激が強すぎるどころじゃない。いく寸前で止められて敏感になっているというのに、手でされるのとはレベルの違う快感に、意識が飛びそう。
「はあっ、だめだっ、んっ」
飛びそうっていうか、頭が回らない。話し合って、なかったことにしようなんてあれも、すっかり吹き飛んでいる。それどころか、もう無理。持たない。出そう。やばい。
「あっ、いく、んっ、ミヒャエル……っ」
俺は何かにすがりたくなり、シーツをつかんだその拍子に吐き出してしまった。
やばい。死ぬほど気持ちいい。余韻に浸っていると、ずるりと抜けた感覚があった。
もしかしてミヒャエルの口の中にあのまま出した?
脱力しながら確かめようとするも、何も見えない。いつの間にか夕日が沈んでいたようで、視界は真っ暗だった。
逃げよう。今がチャンスだ。話し合うなんて無理だ。頭も回らないし。ここまでされてしまっては何もなかったことになんてできない。
そのとき突然、生暖かくどろりとしたものが、後孔に入ってきた。直後に柔らかく熱いものが触れ、うねうねと動き出した。
「なにっ、……っ」
もしかして舌で舐めてる? ケツの孔を? 嘘だろ? まさかこのどろどろとしたやつは、俺の精液……じゃないよな?
「やめて、ミヒャエル、まじで、やめ……」
ミヒャエルは息を荒くしながら、音を立てて舐め続けている。
俺の血の威力がここまでとは思わなかった。看守は俺に対して欲情するなんてことはなかったのに。
効力が効いているのはミヒャエルのほうなのだから、満たされるまで止めるつもりはないだろう。
いっそ暴れるなりして逃げ出したほうがいい。でなければ、取り返しのつかないことになる。
「んっ、っ……」
それなのに、ミヒャエルの舌が、指よりも柔らかいそれが中へ入って刺激を与えて、不快より快楽のほうが強くなっている。もっとして欲しい、止めないで欲しいと願ってしまっている。
どんどんと息が荒くなり、喘ぐほどの息遣いになったミヒャエルが「うっ」と、うめいた直後、何か硬いものが入り口にあてがわれ、またも熱いどろどろとしたものが後孔に注がれた。
「んあっ」
今のは何だろうと考えている間に、また何か入ってきた。今度のは指だとすぐに気づいたが、どろどろとしたもののせいで滑りがよくなったらしく、痛みがない。
「だめっ、やめっ」
違和感はあれど、優しげな手つきだからか、指が増えても痛みどころか刺激になっている。刺激というか、奇妙にも気持ちよさを感じ始めている。
「もう、やめ、やめてください」
「……フ……トイファー神官」
なんか、三本くらいに増えてる気がする。まるで入り口を広げるように内壁をやんわりとこすって押し開けている気がする。
「ミヒャエル、騎士団長……」
指が抜かれた。
「ミヒャエルと呼んでください……」
ほっとする間もなく、さっき一瞬当たっていた硬いものが、またもぴたりと触れる。
「あなたと一つになることが」
さらに硬度を増しているそれが、指の代わりに入ろうとしている。待て、ちょっと待て。
「僕の、夢でした……っ」
うわうわ。やめてやめてやめて。入ってくる入ってくる。信じらんねえ。魔法が使えたら殺してやる。いや、使えなくても殺してやる。
ミヒャエルのものが俺の中に入ってきて、ぐいぐいと奥へ行く。熱くて違和感が凄い。変な感じがするどころじゃない。
「……やっと一つになれた」
うるせえ。感慨深くうっとりしてんじゃねえよ。抜け。
と考えていたら、それは抜けていった。
「んっ」
が、ほっとしたのもつかの間、勢いよくまた奥へずずっと入ってきた。
「はあっ、あっ」
抜けそうなほど引かれて、また奥へと深く入れられる。
「あっ、あっ、やめろっ、やめっ」
その速度が少しずつ増していく。気持ち悪いし、不快極まりないのに、フェラされていたときよりも身体がぞくぞくとする。いくら欲情してたとしても男を相手に入れるなんておかしいし、入れられてる俺も、気持ち悪さが真逆に向かい始めているなんて、あり得ない。あり得ないのに……
「うっ、ミヒャエル、んっ」
抜き差しされるたびに頭が痺れる。
出したばかりで萎えていたあれが、硬くなってきた。触れられているわけでもない。ミヒャエルが腰を動かすたびに揺れるだけなのに、先走りさえ出始めている。
「気持ちいいですか?」
「はあっ、んっ、気持ちよく、なっ、んっ」
「足りないですか?」
「なに? あっ、だめっ」
抽挿を繰り返しながら、ミヒャエルは乳首に吸い付き始めた。まじでやばい。さっきはそれだけでもいきそうだったのに、ダブルでやられたらやばい。
「だめって、んっ、んっ」
肌のぶつかる音と、ぴちゃぴちゃと舐められる音、そしてぐぷぐぷとこすれる音が響き、喘ぎも全部、耳にすらも快楽が襲ってくる。
「んっ、あっ、やめっ、んっ」
教会なのに、神の御本で魔王と騎士が、という背徳的事実に、興奮を煽られらぞくぞくとしてしまっている。
「フラン……トイファー神官、っ」
血清のせいで俺なんかを相手にしてしまったミヒャエルはまだしも、効力の効かない俺が、気持ちよくなるなんておかしい。続けて欲しいと願っているなんて、いかれてる。
ミヒャエルは俺の足を持ち上げて深く奥へと穿つ。こすれるたびに、声が漏れてしまう。声が出るほど、自制の効かない快楽に沈められている。
「もう、我慢できません……いっていいですか?」
「いっ、あっ、なに?」
ラストスパートとばかりに速度が増し、卑猥な音も激しくなっていく。
「んっ、んっ、やめっ」
俺の声が掻き消えるほど激しく穿たれ、ぞくぞくと迫る絶頂感に襲われる。
「……はあっ、もう、無理、かも、しれません」
「んっ、んっ、やばい、いく」
逃げられないほどの快楽に追い詰められ、俺はがくがくと震えてしまった。
同時にミヒャエルは抽挿の動きをとめて、俺のうえに身体を預けた。どくどくと脈打ち、じわと熱く広がるものを感じながら、白濁を吐き出してしまった肌に、ミヒャエルの汗ばんだ肌が重なった。
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