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淫紋を刻まれた王子は帰城した将軍にしゃぶられ尽くす
今、俺の父は、大広間の壁にかかった母の肖像画に向かって何事かぶつぶつと話しかけている。
「嗚呼、デヴォルジャ。聞いておくれ。なんと私たちの息子は、あの悪しき魔法使いにまたも悪さをされてしまったようだ」
無理もない。忘れ形見のひとり息子の腹に淫紋を刻まれただけでも大問題であるのに、今度は男性器の下に膣を作られてしまったのだ。国民の覚え目出度き第一王子の凋落っぷりに、父が精神的に追い込まれているのは間違いない。その結果、亡き母に詫び始なければならないと思ってしまったようだ。私がしっかりしていなかったばかりに、などといった言葉が聞こえてくる。
「父上、お気を確かに」
「確かにしたいのは山々だが、結界も破られてしまった今、どうしろというのだ。ああ、デヴォルジャ。私はお前との大事な息子を守り切れなかった。せめてお前が生きていれば、ともに嘆くことも出来たというのに」
全く当てにならない父に、さて、どうしたものか――と、俺は父の視線を追って母の顔を見た。長い睫毛が目を惹く漆黒の瞳に、薄紅色の口唇。俺にそっくりな顔が、慈愛に満ちた表情を浮かべて絵の中に納まっている。その美しさたるや、美の女神フォリシーナも嫉妬をするほどに違いない。
とはいえ、俺を産み落とした直後に命を落とした母だ。当然ながら俺は彼女のことを全く知らない。父が偶に語って聞かせてくる話では、俺と違って控えめな性格であったらしいが……。
父と母の間には俺一人しか子どもがおらず、王室の将来を憂う大臣たちからは、後妻を娶るようさんざ進言があったようだが、父はその全てを毅然と跳ね除けた。妻はデヴォルジャひとりだけ、とは随分と一本気且つロマンティックな性格をしている父ではあるが、それだけに今回の俺を中心とした騒動に参ってしまったのだろう。兵士たちの話では、大臣たちが俺を廃嫡するしかないと云っているとも聞く。そうした内圧とも戦っているのであるから無理はないが、対ヌーベルは目先の危機だ。もう少し心を強く持って欲しいのが本音ではある。
そうである以上、延々父に独り言を云わせ続ける訳にもいくまい。父上、と、俺は父に呼びかけた。何だ。と、迷惑そうに振り返る父はすっかり現実逃避の世界の虜となってしまったようにも映る。困ったぞ。とは思うが、このままにはしておけない。俺は父を肖像画から引き剥がし、真面目に対応策を協議することにした。
「ヌーベルの魔法を封じることは可能なのですか、父上。そうすれば俺は自分の身を守れるのですが」
嘘偽りのない本音だった。
一度目の不覚はさておき、先程の件に関しては、脚さえ動けば対処が出来た筈だった。どれだけ不意を突いてくる相手とはいえ、ヌーベルは魔法使いである。俺の剣技には身体が追い付かない筈だ。
だからこそ、俺は奴の卑怯な魔法の数々を封じられないかと考えた。それが出来れば命を奪わずに、奴を捕えることも可能になる。そうすれば、この国の法に則った裁きも与えられるだろう。だが、俺が考え付くようなことは、父もとうに考えて付いているのだ。
「それが出来ればもっと簡単にこの問題も解決しているだろう。実際に魔法寮の魔法使いたちも鋭意研究中だ。とはいえ、進捗は芳しくない。お前の淫紋を消す研究なども同時進行させているからな」
「研究に優先順位を付ける必要がありますね。淫紋を消す研究は後回しにして、先ずはヌーベルの魔法を封じる研究を進めるべきかと」
「確かに。これ以上、お前になにかあっても困る」
顎にたくわえた髭を撫でつけながら父が口にする。
「それと結界の再展開もお願いします」俺は続けた。「破られてはしまいましたが、時間稼ぎにはなると思います」
「そちらは早急に手配しよう」
「後は俺の身体の検査ですね。膣だけならまだしも、内臓器官にまで影響があったりしたら大変です」
「確かにな。それも直ぐ手配しよう。部屋で待っているといい。医師を向かわせよう」
「有難うございます」
今出来ることはこのぐらいだろうか。俺は更に対策を考えたが、特に思い浮かぶようなこともない。ならば、長居は無用だ。俺は父に頭を下げ、大広間から辞すべく踵を返した。
待て。と、背後から父の声がかかる。
「伝え忘れていたが、明日フリードが戻ってくる」
「フリードが? 西方の問題が解決したのですか」
久しぶりに聞く名前に、俺は微妙な気分になった。
フリードは前の騎士団長ヴァイズの息子だ。母がないまま育った俺の乳兄弟でもある。ヴァイズが俺の遊び相手にと良く城に連れてきてくれていたこともあり、俺にとっては家族のような存在でもあるのだが、如何せんヴァイズに似て頭が固い。何せ奴の家が信仰しているのは正義と規律のヴァシヴィラヤーナだ。現在の俺のふしだらな生活を奴が知ろうものなら、怒髪天を衝くのではなかろうか。
「そうだ。だからお前も少しは生活を改めろ。フリードはお前のことを本当に心配しているからな」
「わかりました」
俺は渋々頷いた。
一年前に将軍職に就いたフリードが、兵を連れて西方の部族問題を解決しに向かったのは、俺がこうなるより少し前のことだ。当然のことながら、西方で城の一大事を耳にした奴は、後のことを同行させた兵士たちに任せて城に戻ると云い出した。とはいえ、長年の因縁が表面化した問題である。難しい局面を兵士に鎮圧させて終わりでは、奴の威信が傷付きかねない。俺の世代を支える要職に就いているフリードには、面子を保ってもらわねばならないのだ。
そういった事情もあり、父はフリードにそのまま西方問題に取り組むことを命じたようだ。奴は西方に残ることとなり、今日に至る。
しかし、大臣たちが半年はかかると見込んでいた問題を、五か月ほどで解決するとは流石は常勝将軍と呼ばれる男だけはある。奴ならヌーベルもなんとか出来るかも知れない。若くして将軍にまで上り詰めた乳兄弟の帰城を、だからこそ、俺は歓迎することにした。
※ ※ ※
矢張りと云うべきか、俺の内臓を検査した医師は、そこに子宮の存在があることを認めた。ただ、普通の女性が有している子宮と比べると非常に小さく、生殖機能はないだろうとのこと。また、仮に卵子が生産されたとして、精子が結合するようなことがあっても、この構造では着床出来ず、生命に分化する前に流れてしまうそうだ。
つまり、使ってなんぼだということだ。
午後を自慰に使おうと思っていただけに、今日の俺はつまみ食いをしていない。加えて父との対策会議に医師の検査である。如何に堅物フリードが帰城してくるとはいえ、淫紋が消えない以上、俺は誰かを性的な相手として消費しなければならないのだ。我慢が極限状態に達していた俺は、いつもの時間を待たずに今夜の相手となる三人の兵士を呼びだした。バーターにクラスト、そしてダンジャ。俺のお気に入りである彼らであれば、忌まわしいヌーベルとの性交の記憶も木っ端微塵に吹き飛ばしてくれることだろう。
俺は準備をして彼らを待った。
準備と云っても大したことではない。入浴を済ませた身体に催淫効果のあるオイルを塗り込み、祭祀用の装身具であるボディチェーンで全身を飾る。露出した乳首には、小ぶりの宝石をあしらったニップルリング。こういった格好をした方が、兵士たちがより悦ぶからではあったが、今日の彼らも例に洩れないようだ。
「お呼びをお待ちしておりました、殿下」
天蓋付きのベッドの上で彼らを待っていると、二十分ほどしてバーターを先頭に三人の兵士が姿を現した。
軽鎧の装着のないシャツとズボンだけの姿。服の上からでも筋肉質な肉体であることがわかる。表情を引き締めて入室してきた彼らではあるが、ひとたび扉が閉まればそうはいかない。俺を見る彼らの瞳には婬情 の色が見て取れる。
「今日は随分と早いお呼び出しですねえ、殿下。もう我慢が限界ですか」
焼けた肌に金髪なバーター。いつも屈託なく俺に絡んでくれる彼が、俺の手招きに応じて早速ベッドに上がってくる。
「噂は兵舎にも届いていますよ。殿下もそれを試されたいのでしょう」
褐色の肌に黒髪黒目なクラスト。じっとりと俺を責めるのが好きな彼もまた、バーターに続いてベッドに上がってくる。
「いけませんね、殿下。そのような格好までされてお待ちとは、どれだけ我々に期待をされていらっしゃるのやら」
栗色の髪を撫でつけて、精悍な面差しを晒しているダンジャ。俺に張型を渡した兵士が俺の足元に上がってくる。
「ほら、殿下。我々に早速見せてくださいよ。殿下の新しいマンコを」
左右をクラストとバーターに挟まれた俺は、バーターの言葉にゆっくりと脚を開いた。俺の視界は男性器が塞いでしまっているが、淫唇 が濡れている感触はある。赤く染まった淫紋の下、蜜壺に集中する三つの視線。彼らがごくりと息を呑んだのを見て取った俺は、新たに出来た器官を蹂躙される予感に胸を高鳴らせた。
「今日はどちらを使われるつもりですか、殿下。もしや両方、などという欲張りをされるつもりではないでしょうね」
にやついた顔付きで口唇を耳に寄せてきたクラストが、乳首を撫で回しながら尋ねてくる。俺はクラストに顔を向け、その口唇に口唇を重ねていった。
「マンコが三つにペニスが三本、となったら、することはひとつ、ですよねえ、殿下」
クラストと互いに口唇を啄み合っていると、我慢しきれなくなった様子でバーターが耳元に囁きかけてくる。俺はバーターの手の導きのままに、奴の股間を撫で回した。俺に出来た新たな器官に期待をしているのだろう。奴のペニスは既に血管が浮き出そうなまでに漲っている。
「こんなに涎を垂らして、いやらしい前の口ですね、殿下。何か我々に云うことがあるのではありませんか」
淫唇 の入り口を弄っていたダンジャが尋ねてくる。好きにして。俺は口付けの合間に喘ぐようにして云った。
お預けを食らい続けている俺は、心も身体も疼いてどうしようもなくなっているのだ。早く、滅茶苦茶にされたい。頭の中はこれから先に待ち受けているめくるめく世界で一杯だ。奴らの愛撫を受ける度に、一枚、また一枚と理性が取り払われてゆくのが理解 る。
「なら、どこが一番殿下のお気に入りなのか見ることにしましょう」
下卑た笑いを浮かべたダンジャが右手を淫唇 に、左手を菊座 に這わせてきた。とぷりと挿し込まれる指。あっ、ああっ。蜜壺と蕾を掻き混ぜられた俺は頭を仰け反らせた。痺れるような快感が腰から脳へと這い上がってくる。
「流石は殿下。こんなにいやらしい音をさせて、罪な方だ」
俺の顔を覗き込むようにして乳首を撫で回していたクラストが、頭を下げてくる。首筋から肩、鎖骨ときて、乳首を吸い上げられた俺は更に喘いだ。弱い部分ばかりを一度に責められてはひとたまりもない。早くも視界が滲んでくる。俺は訳がわからなくなりながら、バーターのペニスを扱いた。
「これ、これを、頂戴」
「これじゃわかりませんよ、殿下。教えて差し上げたでしょう。何処に何が欲しいのか明瞭 りと云ってくれないと」
俺の耳を舐っていたバーターも頭を下げてくる。乳輪から乳頭へと、じっくりと舌を這わせてきつつ、亀頭を掴んで親指で尿道口を捏ね繰り回してくる。と、そこに更に絡んでくるクラストの手。陰茎を扱かれた俺は、駄目と声を上げた。
「いっちゃう、そんなにされたらいっちゃう。やだ、やだ。らめ……」
舌足らずになるほどの快感に、俺はあられもなくよがった。だが、上手く手足に力が入らない。ああ、あ゙あ゙、あ゙……喘ぐ度に、胸板が上下し、ボディチェーンがちゃらちゃらと音を立てる。イク、いくいく。俺は波となって襲い掛かってくる快感のままに声を上げた。
「だめ、それ、おかしくなっちゃう……ッ」
喘ぎ声が喧しくなった俺の口を、ダンジャが塞ぎにかかってくる。俺はダンジャと舌を絡め合いながら、膝を浮かせて大きく腰を逸らした。菊座 と淫唇 に挿入されているダンジャの太い指が、ごりごりとそれぞれの弱い部分を擦っている。押し寄せる快感は、今にも蓋を開いて飛び出してゆきそうだ。
嫌だ、まだ、まだいきたくない。
俺は腰を絞った。少しでも長く快感を押し留めなければ。そうは思っても、彼らの責め苦が止む気配はない。あぅ。ああ、う。ダンジャとの口付けを終えた俺は、腰を振って三人の愛撫から逃れようと藻掻いた。だのに、逃げられない。追ってくる手指に絶望感が過ぎる。
「いく、いくいく、いっちゃう……そんなにされたら、でちゃう……」
全身を絡めとる深い快感に、陰嚢の奥から精液と思しき液体がせり上がってくる。バーターのペニスに置いた手は、最早何の役目も果たしていない。出る出ると喚きながら、俺は腰を振った。たったひとつばかり器官が増えただけだというのに、全身の感度が上った気がする。
女という生き物は、これほどまでに気持ちのいい思いをしているのだろうか。
ダンジャの指が蜜を掬い上げる度に、淫唇 の奥が震える。腹の底は何処の器官が感じているのか不明な快感で一杯だ。俺は爪先でシーツを幾度も掻いた。左右と足元を固められた状態では逃げ場が背中側にしかない。とはいえ枕に背中を凭れかけさせている姿勢では、逃げられる距離にも限りがある。何より彼らの手は、俺の身体を掴んで離そうとしない。
「ああ、そこ。そこもっと舐めて。そう吸って。ああ、そこも。そこもぐちゃぐちゃにして」
思考が止まり、本能が剥き出しとなる。俺は欲望の赴くがままに三人の兵士から与えられる快楽を貪った。
吸われて、舐られて、扱かれて、擦られて、掻き混ぜられる。俺の口を衝いて出るのは空を切り裂くような声ばかりだ。出ちゃう。出ちゃう。そればかりを口にしながら、腰を高く掲げてゆく。その姿は、獣を通り越して化け物じみている。
ややあって、瞳の奥がスパークする。
「ああ、ああ、あ゙あ゙。らめぇ、いっちゃう。ホントにいっちゃうぅ……」
四方八方か一斉に迫ってくる快感。細く、高く、そして濁った喘ぎ声を上げながら、俺はより一層腰を高く突き上げた。ぷしゅ。と、ペニスの先端で何かが弾けたような気配があった。次の瞬間、尿道口から透明な汁が噴き上がる。
あ、あああッ。俺はシーツの海に身体を埋めた。何処でどう達したのかは不明だが、射精には至らなかったようだ。じくじくとした疼きがペニスに残っている。
「潮を噴かれましたね、殿下」
くすくすと笑いながらクラストが囁きかけてくる。
「お可愛らしい方だ。こんなにいやらしく脚をお開きになって」
俺の淫唇 と菊座 から指を抜き取ったダンジャが、好色な視線を二つの穴に注いでくる。
「ほら、殿下。まだ終わりじゃないですよ。今日は四人で一度に愉しむんでしょう。その為ですよね、この格好」
俺の身体に手を這わせてきたバーターが、ボディチェーンを弄びながら笑った。
俺は漏らしてしまった恥ずかしさでいたたまれなくなりながらも、まだ燻っている情欲に、しどけない視線を三人の兵士に送った。蜜を溢れ出させている淫唇 も、蕾を開いている菊座 も、まだ本当に欲しい快楽を与えられていない。期待に満ち満ちた六つの瞳に晒されながら、俺は彼らのその期待に応えるべく口を開いた。
「お願いだから、ください。ペニスを全部、ください」
「何処にどのペニスを欲しいのです、殿下」俺の腰を抱えて、臀部にペニスを擦り付けてきながらバーターが尋ねてくる。「ちゃんと全部云わないとわかりませんよ。何せ、三つも穴がありますからね。きちんとおねだりしましょう。俺たちは殿下の指示をお待ちしていますよ」
俺は三人の兵士の顔を代わる代わる見遣った。
四人で一度にまぐわうのは未知なる経験だ。かといって深く考える問題でもない。俺の欲望は最高潮に達していたし、どうせ最終的には全員とも俺の穴を全部使うのだ。だったら最初は直観で決めていい。
菊座 はバーターだろう。俺の背後を取ったということは、そういうことだ。
淫唇 はダンジャだ。三人の中では一番俺の淫唇 に興味がありそうだ。
口唇はクラストだ。こいつは俺の喉を犯すのが大好きだときている。だったらお望み通りにしてやろう。
欲張りだと云いたいのだろう。俺の指示を聞いた三人の兵士たちが忍び笑いを洩らす。けれども彼らも四人で一度にまぐわうという欲望からは逃れられなかったようだ。仰せの通りに。そう口にすると、俺の身体を起こさせた。
「先ずは私ですね、殿下。どうぞお好きに跨ってください」
ベッドに仰臥したダンジャが俺の手を取る。俺はクラストに導かれるがまま、奴の逞しいペニスを跨いだ。淫唇 にペニスを自ら咥えるのは初めてのことだ。位置を合わせるのが難しい。それでもどうにか亀頭を嵌め込んで、ゆっくりと腰を落としていく。
ぬるりと挿入 り込んでくるダンジャのペニスが、まるで誂えられたボトルのように俺の淫唇 に嵌まり込む。俺は大きく息を吐いた。嵌まっただけだというのに、もう気持ちがいい。さっきもそうだった。俺はヌーベルの野郎が俺を犯した時のことを思い出した。膣内が勝手に伸縮を始め、ペニスを飲み込んでゆくのだ。流石は『感じ易く作り上げた』と云っていただけはある。
「動かして欲しくて堪らない様子ですね、殿下。でも、それはもう少しお待ちください」
腰を振りたくて堪らない。けれどもそれはまだ先だと、ダンジャが腰を抱え込んで押さえつけてくる。同時に背後に回り込んできたバーターが俺の肩を掴んで身体を押し倒してきた。俺はダンジャの肩に顔を伏せた。直後に菊座 に押し当てられたペニスが、ゆっくりと蕾を割って体内に挿入 り込んでくる。
「あっ、あっ、あっ……」
ずっぽりと嵌まり込んだバーターのペニスが、蕾の奥で息衝いている。壁一枚隔てた向こう側にはダンジャのペニスも。俺ははあはあと喘いだ。苦しい。苦しいのに、気持ちがいい。
「こんな狭い場所に二本もペニスを咥え込んじゃって。ホント、好きですよね、殿下」
背後から回ってきたバーターの手が俺の顎を持ち上げた。嗚呼。と、吐息を洩らしながら、俺はいつの間にか目の前に差し出されていたクラストのペニスにむしゃぶりついた。口付けて、舐って、そうして口唇で挟み込む。それを待っていたかのように、俺の髪を掴んだクラストが、ゆっくりと俺の口内にペニスを押し込んでくる。
亀頭が喉を通って、首の内側に嵌まり込む。同時に、淫唇 と菊座 に嵌まり込んでいるダンジャとバーターのペニスが動き出す。ん、んん、んんぅ。俺は彼らに各所を犯されるがまま、低く呻いた。陶酔が全身を駆け巡っている。
「嗚呼、最高ですよ。殿下の喉マンコ。きつく絡み付いてきますね」
「いやいや使い慣れた雄マンコも最高ですよ。この張り付く感じ、堪らないですよ」
「雌マンコも最高ですね、殿下。凄く吸い付いてくるじゃないですか」
口々に俺を言葉で責めてきながら、三者三様に腰を振る三人の兵士に、俺はかつてない恍惚を味わった。喉の奥を支配する極まった快楽。そして、蕾の奥からじわじわと染み出してくる快楽。何より、蜜壺の底を突き刺してくるような快楽が堪らない。
迫りくる筋肉に圧迫されながら、俺は与えられる快楽をひたすらに貪った。
脳は薔薇色だ。頭の中が快感に満ち満ちている。
達しても達しても終わらない快感が繰り返し襲ってくる中、こんな思いが出来るのなら、ヌーベルの奴に感謝をしてやってもいいかも知れない。欲に飲み込まれた俺はそんなことを思いながら、三人の兵士に身を任せ続けた。
突き上げられた分だけ、身体に快感が蓄積されてゆく。嗚呼、もっと。もっと。口に出せない思いを俺は胸の内で叫んだ。もっともっと俺をはしたなくしてくれ。そう願いながら為されるがままに扱われていると、どうやら先に果てたようだ。喉の奥に粘り気のある体液が流れ込んでくる。
俺はクラストの精液を、一滴残らず飲み干した。
俺の喉からペニスを抜き取ったクラストが、位置を変えて俺の胸に手を忍ばせてくる。ああ、アア、嗚呼。俺はようやく自由になった口唇で、思い切り嬌声を放った。ああ、もっとぐちゃぐちゃに掻き混ぜて。女のように高い声で甘えた言葉を吐けば、満更でもないのだろう。バーターもダンジャも腰の動きを速めてきた。
「あぅ。あん。ああ、いく。今度こそ、いく。いい、そこ、いい。ああ、いくぅ」
小刻みに淫唇 と菊座 の底を叩かれ続けた俺は、いよいよもって限界が近付いているのを感じた。脳が溶け切ってゆくような感覚に、背中をしならせる。腰から下はもう痺れて使い物にならないほどだ。ただ切り裂くような快感がずうっと陰嚢の底を叩いている。
「あぅ。ああ、うぅ。いっちゃう、いくぅ。いく、いくいく、ああ、あぅ、いくぅ」
バーターとダンジャの二人に一度にぐいとペニスを押し込まれた俺は、ひときわ高い声を上げた。きゅうっと膣の奥が締まったかと思うと、俺の男性器から精液が噴出する。けれどもそれだけでは終わらない。
「あぅ、駄目。もういったの。いったって。やめ、やめて。またいっちゃう。いくぅ」
まだ達していないのだろう。腰の動きを再開させたバーターとダンジャに、俺は首を振って抵抗の声を上げた。ひりついた蜜壺と蕾が収斂を繰り返している。それが大きなうねりとなって、二人のペニスを包み込んでいるのだろう。恍惚とした表情を浮かべて腰を振り続ける二人に、早くも二回目の波が迫ってくる。
「無理、無理。また、またいく。ああ、バーター、ダンジャ。もう止めて、くれ」
けれどもその程度の懇願で止まる二人でもない。より腰の動きが激しさを増す。
「ダメですよ、殿下。我々もクラスト同様に、殿下の中でいかせてもらいますからね」
「こんなに気持ちのいい雌マンコに出さずには終われませんよ、殿下」
それで我慢が利かなくなったようだ。再び腰を上げたクラストが、俺の前にペニスを突き出してくる。俺は縋るものを求めてそのペニスを貪った。意識を何処かに逃がしていないと、また漏らしてしまいそうだ。
だのに、快感が収まる様子はない。
次第に火照りを増していく身体が、脳にまで熱を及ばしてくる。俺はクラストのペニスを咥えながら腰を振った。もっと、もっと滅茶苦茶な快感が欲しい。我を忘れて意識を失うくらいに、彼らに滅茶苦茶にされたい。その想いの導きのままに蜜壺と蕾を収縮させる。
「ああ、いいですよ。殿下。最高です。出ますよ、俺。出しますね」
「私もですよ、殿下。ほら、一緒にいきましょう。たっぷり中に出してあげますからね」
どろどろと蜜を吐き続けている淫唇が、卑猥な音を立て続けている。俺はペニスを咥えたまま、クラストの顔を見上げた。そして、うっとりとした眼差しを俺に注いでいる奴の顔を視界に収めながら、二人分の精液を体内で受け止めた。
※ ※ ※
夜更け過ぎに部屋を去った三人の兵士たちに、俺の満足は限りなかった。これならつまみ食いをせずとも、自分の性欲をいなせそうだ。問題は堅物フリードがどこまで俺の性欲を認めてくれるかだが、そこは当事者たる俺がきちんと自分の状態の説明をして説得に当たろう。
「おはようございます、殿下。御支度を済まされましたら、謁見の間に参りましょう。フリード将軍の御帰城にございます」
朝を迎えてフリードの凱旋が近いことを聞かされた俺は、身支度を整えて謁見用の広間に向かいながら、フリードにすべき説明を頭の中で纏めていた。
ヌーベルに淫紋を刻まれてしまったこと……魔法寮の研究が進んでいないこと……奴に云い寄られていること……その結果、更に身体に膣まで作られてしまったこと……これだけの状況にあれば、さしもの堅物も俺が夜伽に励むことぐらいは許してくれそうでもあるが、何せ、俺に注意をするのが生き甲斐なのではないかと思うほどに、あれもこれもと細かく注文を付けてくる男である。油断は禁物だ。俺は腹に刻まれた淫紋の様子を窺いながら、広間に設えられている玉座の脇に立った。
「いいか、ガシュー。何かあったら直ぐ退出せよ。何せフリードはお前の好みに適った肉体の持ち主だからな。兵士の目もある場で、お前に正気を失われては敵わん」
「御忠告、痛み入ります、父上」
父も大分、息子の常軌を逸した状況に慣れてきたようだ。当たり前のようになされる忠告を、けれども俺はあまり真面目に受け止めてはいなかった。
将軍職に就けるだけあって、フリードは今の俺にとっては最上級の餌だと感じるまでに素晴らしい肉体を有していた。筋骨隆々な体躯は、まるで彫刻の世界の武人がそのまま飛び出してきたかのようだ。だが、いかんせん性格が性格である。謹厳実直を地でゆく奴は、大臣よりも小煩い。昔は一緒に中庭で木登りをしていたものだが、それが嘘のように生真面目な臣下と化し、二言目には小言である。
欲とは無縁の位置にいる奴には、どう頑張ってもあの志願兵たちのような俺を王子とも思わない責め方は出来まい。
そうである以上、奴が俺のストライクゾーンに入ることはないのだが、息子のプレイ内容を知らない父は本気で心配をしているのだろう。ちらちらと俺の淫紋の様子を窺ってきては、その都度安心したような表情を浮かべているのだから滑稽だ。
「陛下、フリード将軍の到着にございます」
そうこうしている間に、どうやらフリードが城に到着したようだ。一段下りた位置に控えている大臣が、父の脇に上がってくると耳打ちをする。と、同時に玉座に続くカーペットを挟んで整列している兵士が武器を空に捧げた。いよいよだ。俺は居ずまいを正した父の隣で表情を引き締めた。
「フリード将軍、ご入場です!」
謁見の間に続く大扉が重苦しい音を立てて開いたかと思うと、兜を小脇に抱え、全身鎧に身を包んだフリードが、紅のマントをなびかせながら威風堂々と歩んでくる。西方ではさぞや動き回っていたと見え、顔がかなり日に焼けたようだ。褐色の肌の下に覗く青い瞳。肩まで伸びた茶褐色の髪が、奴の歩調に合わせて揺れている。
「ご無沙汰しております、国王陛下。王子の大事に城を空ける形となりましたこと、先ずはお詫び申し上げます」
壇上の下で膝をついたフリードが、深々と頭を下げて挨拶を述べるのを俺は黙って見詰めていた。
部族問題と城の大事。難しい問題の板挟みとなった奴は、相当に精神を削られたようだ。以前と比べると少し痩せたようにも映る。
「西方での活躍、流石であった」
「お褒めに与り光栄です」
「お陰で部族間の争いも無事に収まったと聞いている。これも五か月もの長きに渡って辛抱強く説得を続けたお主の働きによるものだ。ガシューについてはお前の気に病むことではない。息子の大事より、国の大事である。お主は果たすべき役目をしかと果たして帰城した。それを恥じる謂れはどこにもない。いいな、フリード」
「有難きお言葉にございます」
面を上げた奴の視線が俺を捉える。心なしか頬がこけたように感じられる。
俺は静かに頷いた。
物を云わずとも理解し合えている気がするのは、俺と奴が兄弟同様に育ったからでもある。だからこそ俺はフリードに我が身の情けなさを案じられている現状を恥じた。俺にもっと力があれば、大事な乳兄弟を痩せさせてしまうほどに心労をかけることもなかっただろうに。
剣の稽古に励もう。俺はそう思った。
フリードが一緒であれば父も庭に出ることを許してくれるだろう。何せ奴は常勝将軍の名に与るほどに、剣技の試合では無双を誇っている。奴に剣を教わらずして誰に教わったものか。俺は自分の力で出来ることは自分でしたいのだ。そう、ヌーベル。奴は絶対にまた俺を狙ってくる。その時に何も出来ずにいいようにされるのはもう御免だ。
「さて、フリード。これだけの働きである。褒賞を与えるところであるが、何か希望はあるだろうか」
「それでしたら、陛下」フリードの巌のような顔付きが、一瞬和らぐ。「叶えて欲しい望みがひとつだけございます」
「おお、これは珍しい。無欲なお主の願いとあらば、出来るだけ叶えよう。何が望みだ」
笑うと犬のように人懐っこい笑顔になるのは昔からだ。懐かしさを覚えながら俺はフリードの望みとやらが聞けるのを待った。
何せ、生真面目が服を着て歩いていると評される人間だ。これまでも幾度か褒賞を受けるチャンスがありながら、その全てを臣下として当然のことをしたまでと退けてきたぐらいである。奴が何を望むのかは、俺でなくとも気になるところだろう。現に、父は勿論のこと、大臣やその場に居合わせた兵士までもが、好奇の眼差しをフリードに向けている。
「何でも良い。口にしてみせよ。金でも領地でもお主の望むようにしてみせよう」
「そのような物質的な望みではございませぬ」
フリードの目がちらと俺を窺う。
次の瞬間、ようやく口を開いて望みを口にしたフリードに、父はおろか、俺も大いに驚き慄くこととなった。
「ガシュー王子の夜伽の相手を一晩務めさせていただきたいのです」
何だって? 俺は目を瞠った。俺の相手をフリードが務める、だと?
よもやフリードまでそういったことを云い出すとは思ってもいなかっただけに、ショックが大きかったのだろう。隣の父を窺えば、顔面蒼白である。全く苦労が絶えない父に、どう言葉をかけたものか悩んだ俺は、結局フリードに視線を戻すことにした。今、下手に父に声をかけようものなら、玉座ごと引っ繰り返りかねない。そう判断したからだ。
「如何でしょうか、国王陛下」
余裕然とした態度で俺を見詰めている奴と視線がまともにかち合う。その表情からは何ひとつ感情らしきものが読み取れない。何を考えているんだ。乳兄弟の乱心に、俺は混乱した。
※ ※ ※
俺はフリードに全身を舐られていた。
場所は当然、俺の自室のベッドの上でだ。
快感を覚えて身を捩らせる度に、ボディチェーンがちゃりちゃりと音を立てる。その度に、フリードが満足げな表情を浮かべるのを、俺は遠い世界のことのように眺めていた。
子どもの頃からの付き合いなだけに、気恥ずかしさが勝る。とはいえ、何でも良いと云ってしまった手前引っ込みが付かなくなった父の命令である。だったら精々『接待』してやろうではないか。俺はそんな気持ちでフリードをベッドに迎え入れていた。
「どうなされましたか、ガシュー王子。噂に聞く態度より、随分と大人しく感じられますが」
どうやら登城するまでの間に、情報収集を済ませていたようだ。俺の足の指を舐りながら人の悪そうな笑みをフリードが浮かべている。
「お前、さては……っ、兵士たちに、話を聞い、て……」
「当然にございましょう。私の目が届かぬとばかりに、随分と乱交に励まれたご様子。国王陛下もお嘆きになっておられるとあっては、先ずは実態を把握するのが最優先にございます」
「あ、の、野郎ども……ッ」
「おや、王子とあろうものが、なんたる言葉遣い。これはきちんと教育をして差し上げないとなりませんね」
両の足首を掴んだフリードに引かれた身体がシーツに沈む。続けて脚を開かされた俺は、反射的に陰部を手で覆い隠してしまっていた。
今更何を見られようとも恥ずかしくなどない筈なのに、フリードの真っ直ぐな視線に晒されると、どうしても隠し切れない気恥ずかしさが込み上げてくる。特に陰唇 だ。おとといの夕方までなかったものを奴に見られるのは、知られてはならない弱みを握られてしまったような気分になる。
「全く、仕様のない方だ。私相手に、今更そうも恥ずかしがる必要もないでしょうに」
幼い頃とはいえ、ともに風呂に入ったこともあるからだろう。互いに黒子の位置まで知っている仲であるというのがフリードを強気にさせているのかも知れない。奴の左手が、俺の右手首を掴んでくる。
「ほら、王子。手を除けてください。それでは見たいものがまるで見えませんよ」
堅物にしては余裕綽々な態度。力任せに手を除けさせられた俺は焦った。脚を閉じようとするも、身体を割り込ませてきたフリードによって阻まれてしまう。濡れた淫唇 に忍んでくる指。どちらがお好みですか。尋ねられた俺は、間近に迫ってきたフリードの顔を直視出来ずに目を逸らした。
志願兵たちを相手にしていた時にはなかった感情。激しい羞恥心に、俺は泣き出してしまいそうになる。
それを知ってか知らずか、フリードの口唇が俺の口を塞いでくる。スムーズに舌を絡め取られた俺は、また焦った。熟 れた愛撫といい、口付けといい、いつの間にかこいつも、他の兵士たち同様に女を知ってしまっているようだ。その現実を思い知らされるのが口惜しくて、そして妬ましくて、耐え難い。
王子たる俺は、間違いを犯す訳にはいかなかった。
だから、こうして淫紋を刻まれるまで、俺は性に対しては初心だった。耳で聞いた知識はあっても、実践経験がまるでない。そういった立場に生まれついてしまった以上は仕方がないが、のびのびと過ごした少年自体に仲の良かった歳の近い兵士たちが先に行ってしまうのを、俺は幾度見送ってきたというのか。そんな中で、唯一俺と肩を並べて歩いてくれるのがフリードだと俺は信じていたのに。
「脚をきちんとお開きになってください、王子。そうも乙女のように恥じらわれてしまわれると、私がやり難くなります」
「だったらお前が開かせろ」
「おやおや、これは随分と高飛車な物言いですね、王子。ならば、お望み通りに開いて差し上げましょう」
腿をぐいと掴んだフリードが、力任せに俺の脚を開かせてくる。そして頭を下げると、愛撫の途中に触れてくることのなかった陰部に顔を寄せていく。すっかり濡れそぼった蜜壺に、挿し入れられる舌。とぐろを巻いて動き始めた奴の舌に、俺はあぅ。と、顎を仰け反らせた。
「ああ、素晴らしい。このように涎を垂らし続けるヴァギナにお目にかかるのは初めてですよ、王子」
暫く俺の淫唇を舌で弄っていたフリードが、今度は舌を下方に滑らせてゆく。蕾の中に舌を潜り込まされた俺はまた顎を仰け反らせた。ざらついた舌がひだを擦るのが気持ちいい。あぅ、ああ。俺はフリードの髪に指を埋めて頭を左右に振った。ああ、欲しい。熱を帯び始めた淫紋が、俺の理性を剥ぎ取りにかかる。
「アナルも随分と柔らかくなってしまわれて。私が不在の間に、相当愉しまれたようですね、王子。すっかりはしたない身体になってしまわれたご様子」
「仕方、ないだろ……ッ。俺、だって……この印さえ、なければ……」
言葉で責められるのが好きな筈なのに、何故だろう。フリードに煽られると、口惜しさが先に立つ。
「良く仰います」膝を抱えたフリードが、俺の淫唇 に照準を定めてくる。「好き放題、兵士たちと享楽に耽ったと窺っておりますが」
云うなり、奴の逞しくも太いペニスがぬぷりと蜜壺の中に挿入 り込んでくる。あぁ。俺は溜息混じりの喘ぎ声を上げた。みっちりと詰まった肉棒は、まるで俺の淫唇 に栓をしているようだ。
ぴったりと嵌まり込んで抜けようともしない亀頭が、小さく律動を始める。子宮への入り口を叩かれた俺は両手でシーツを掻いた。これまで乱交に耽ってばかりだった身体だというのに、これだけの刺激に満足感を覚えてしまっている。
「ほら、如何ですか。王子、私のペニスは。それとも一本如きでは、もう満足出来ない身体になってしまわれましたか」
「あ、あぅ。いや。そこ、らめぇ……」
「ようやく可愛らしい声を聞かせていただけましたね、王子。ならば、もっとお愉しみいただけるよう頑張らねば」
直後、二つに折られた身体の腰が持ち上がる。背中の半分だけがマットレスに着いている状態の俺の顔の前には、自分のペニスが垂れている状態だ。
「ああ、なんと柔らかい身体をしておられるのでしょう、王子」
そう口にしながら、フリードが腰をグラインドさせてくる。内臓がひしゃげそうな衝撃とともに襲い掛かってくる快感が、俺の本能を呼び覚ました。腹の中が熱い。フリードのペニスに蜜壺の中を掻き混ぜられる度に、溢れ出る淫水が、双丘の谷間を伝って滴っていった。
ぐちょりぐちょりと音を立てて、奴のペニスを飲み込んでゆく俺の淫唇 。体勢的にフリードには結合部が丸見えになっているに違いない。
「あぁ、あぅ。ん、くぅ。や、やぁ。やん、あっ、あぅ」
俺は俺のペニスから滴り落ちてくる精液に顔を濡らしながら、あぅあぅと喘ぎ続けた。羞恥心が股間を漲らせて止まらない。もっと、もっと。俺は深い位置にペニスを求めて声を上げた。にたりとフリードの口元が歪む。
「いやらしい方ですね、王子は。男に抱かれることをこんなに求めるようになってしまわれて。日頃の威厳も片無しではありませんか」
「いいから、あっ。突いて。もっと、もっと奥。あぅ。そこ、そこ、そこらめ」
「王子の御所望とあれば応えるのは吝かではありませんが、いいのか嫌なのかは明瞭 りとしていただきたいところですね」
「そこぉ。そこが、いい。はやく、もっと、突いて」
「畏まりました、王子」
「ひゃうんっ」俺はより深く挿し込まれたペニスに、普段出さない声を発した。「そこ、そこ深い。そこを、ぐりぐりって、してぇっ」
「調子が出てきたようで何よりですよ、王子」
愉しげに笑ったフリードが、上からペニスを叩き込んでくる。ぐちょぐちょと音を立てて、挿し抜かれるペニスに、俺はあられもなくよがった。シーツを掴んでいる手の色が失われる。とかく気持ちがいい。
「ほら、王子。如何ですか、ここをペニスで擦られるのは」
「あぅ。いい。いい。それ、いい。出ちゃう、はぅ。でちゃう」
それは俺の理性を奪う快楽だった。決してこうなると思っていなかった相手と肌を重ね合わせている。その背徳感が、俺の情欲を極限まで煽り立ててゆく。
俺は蜜壺の中にあるペニスを膣壁で締め付けた。細く長い淫唇 の中で、硬く漲ったペニスが激しく暴れ回っている。ああ、ああ、ああ。俺は視界を自らが垂らした精液で塞がれながら喘いだ。いく、もういっちゃう。甘ったるい声を高く発しながら、フリードのペニスを子宮口まで引き込んでゆく。
「いく、らめ。いっちゃう、いっちゃう。いくぅ。いくいく。あぅ、ああ、ぅ」
下半身に痺れを伴う快感が襲ってくる。よりいっそう深く、フリードにペニスを突き立てられた俺は首を竦めた。
ぷしゅ、と口を開いた尿道口から精液が噴き出してくる。俺の顔を一気に濡らすねばついた感触に、もう目が開かない。はあはあと息を荒くしている俺からペニスを抜き取ったフリードが、笑っているのが明らかな声で、「素敵ですよ、王子」と、俺の脚の拘束を解いた。
ベッドに身を投げ出した俺の顔に触れてくるフリードの舌が、視界を塞いでいる精液を舐め取ってゆく。
俺はゆっくりと目を開いた。俺を見下ろしているフリードの端正な面差しが、満足に彩られている。続けて触れてきた口唇に、俺は口唇を開いた。奴の舌を口内へと招き入れる。矢張り、他の兵士たちと比べると、ただの口付けさえも格段に気恥ずかしい。軽く舌を絡めるだけに留めて、俺はフリードから顔を離した。
「ご満足ですか、王子」
「そんな筈があるか。ここを良く見ろ」
俺は腹部に刻み付けられている淫紋を指し示した。先程よりは色が薄くなってはいるものの、安全圏にはまだ遠い。なら、と、フリードが俺の身体を返す。双丘を割られた俺は、幾分気が楽になった。淫唇 よりも菊座 の方が気が楽というのも変な話だが、使い慣れた場所の方が、反応の予想が付き易いだけに安心する。
「一晩と申し上げた以上は、たっぷり愉しませていただきますよ、王子」
俺の答えなど待つ気はないのだ。続けて菊座 に挿し込まれたペニスに、達したばかりの俺は身悶えた。
※ ※ ※
繰り返し、繰り返し、フリードに達させ続けられた身体が、疲労に塗れている。もうこれ以上は精液も出ないというほどに性行為に耽った俺は、フリードの胸の上に頭を置いて、荒らぐ息が落ち着きを取り戻すのを待っていた。
「記憶に残る一夜になりましたよ、王子」
その俺の髪を梳きながら、窓の外を眺めていたフリードがぽつりと洩らす。
「それは結構なことだがな、どういった風の吹き回しだ。お前がこんなことを云い出すとは、俺も父上も思っていなかったんだが」
「自らが仕える主人が無数の兵士の慰み者になっていると聞いて、正気を保てる臣下はそういないと思いますが」
「だから自分が抱くって? お前のその理論は狂気の沙汰だな」
「その通りですよ」俺の手を取ったフリードが手の甲に口付けてくる。「私は狂気に支配をされてしまったのです、王子。ですからどうか、哀れな私のお願いを聞き入れてはいただけませんか」
靄にけぶる朝の光が、薄桃色に室内を染めようとしている。
俺は顔を上げた。
うっすらと顔の輪郭を露わとしているフリードの面差しは、男である俺でも見惚れずにいられないまでの端正さに満ちている。俺は無言でフリードの言葉を待った。ややあって、真摯な眼差しが俺の顔を捉える。
「私をあなたの愛人にしてください、王子」
何を云っているんだ、こいつは。
俺はたっぷり三十秒ほど言葉を失った。俺もフリードも男だ。だのに愛人とはどういうことだ。奴に云われている言葉の意味がまるで理解出来ない。目を瞠るばかりの俺に、フリードはけれども真面目に言葉を継いでくる。
「いずれ、王子が正妻を迎えることは承知しております。その上で、私を王子の愛人としていただきたい。一生、お守りいたします。ですからどうか」
「お前、正気か。俺が今こういった状態なのは淫紋の所為だぞ」
「承知しております。しかし」云いながらフリードが俺の双丘に手を這わせてくる。「一度覚えた快感を忘れることが出来ますでしょうか、王子」
それは俺も不安に感じていることではあった。
日々愛欲に耽っていると、正常な状態がどういったものであるのかが理解 らなくなってゆく。骨の髄まで叩き込まれた快楽が、忘れられてなるものかと疼き出すのだ。もしかすると、これこそが俺の本性であるのかも知れない。いずれは終わるという当たり前の結末を、俺が受け入れ難く感じているのは、いかがりがわしくも俺の身体がそれだけ快感に馴染んでしまったからだ。
「他の兵士に命じられるぐらいであれば、私がお相手を務めさせていただいた方がいい」
双丘を割った手が俺の蕾に触れてくる。ひだを割って、頭を潜らせてくる奴の太くも骨ばった指。奴の精液でどろどろになった蕾は、嫌になるほどすんなりとその塊を受け入れた。
「私はあなたを愛しているのです。王子」
そう云うなり、フリードが俺の身体をベッドに組み敷いてくる。終わりのないセックスに、けれども俺は抵抗出来ない。
奴の重大な告白は、それだけ俺の意識を奪ったのだ。
幼き日からの奴との思い出が、一気に蘇ってくる。初めて一緒に木登りをした日のこと……初めて一緒に馬に乗った日のこと……ともに水浴びもしたし、読書をしもした。気になる御令嬢だって打ち明け合った筈だ。だのに、今更そんなことを云い出してくるなど反則ではないか。
「どうか御一考いただけますよう」
火照りの引かない奴の身体の重みを感じながら思う。いつの間にか、こんなに大きくなりやがって。一体、いつから俺にそうした想いを向けていやがったのか。想像すらしていなかった現実に、俺の気がそぞろになる。
「好きですよ、王子。愛しています」
俺に愛を囁いてきながらフリードが腰を振ってくる。
こいつの気持ちはわかった。だが。ヌーベルの問題も片付いていないのに、俺にどうしろというのだ――考えなければならないことが山積みとなった俺は、それらの問題を持て余して途方に暮れた。
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