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第9話

 ある日の夜、とある貴族の豪華客船で仮面舞踏会が行われていた。  その前日、近くの海域に海賊船ブラックシャーク号が訪れていたという知らせを受けた海軍はその豪華客船の警備をしていた。  その中に身分を偽った海軍提督ウィリアムズが警備に紛れていた。  流石にこの中にセシルは居ないだろう、そう思いながらウィリアムズは壁に寄りかかっていた。  勿論警備とバレたくはない海軍は私服で皆仮面で顔を隠していた。  そのときにウィリアムズは少年の頃のセシルを思い出していた。  セシルは男子としてのワルツは威厳のあるとても素晴らしい足取りで踊っていたが、女役を踊らせても優雅で美しかった。  正真正銘の女性よりも余程目立つ繊細さも兼ね備えていて、相手役にしてもとても踊りやすかった。  そう、今センターで踊っているあの女性のように美しかった。 「……ん?」  そういえば、なんだか女性にしてみたら大柄なのにとても繊細で、まるでセシルを女にしたような容姿だったのだ。 「あいつ……、いつから紛れ込んでいたのだ」  その女性はまるでではなく、正真正銘のセシルだった。

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