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第17話 銀貨数枚。

「レイズナーは俺のシャドウ(影武者)だ。俺が出来ることを一通り出来るようにしておくようにしなきゃなあ?」 セシルからその言葉を聞いて特訓でやる気を出していたレイズナーは、この数時間で消え失せていた。 今現在レイズナーはセシルから陸地の草原で剣術稽古をつけてもらっていた。 さすがセシルの影武者をやっていたレイズナー、太刀筋がとてもいいのだが、本物ほど重みがなかった。 なのでその特訓をするため二人は剣を持ち向かい合っていた。 重みを重視すると太刀筋が遅くなる、速さを重視すると太刀筋が軽くなる。 その繰り返しで、レイズナーの疲労はこの数時間でだいぶ蓄積されていた。 それを見ているものはどこにもいなかったので、レイズナーは豪快に挑み豪快に負けられるのだが、これではみっともないと感じていた。 夜は啼かせられるのに、その彼には遠く及ばないのが本当に悔しかった。 「はい、また死んだなレイズナー」 「くっ……!!」 名目は秘密特訓、そのままなのだが直球なのがまたセシルらしい。 「っ……本当に、セシルは、……ゴリラだったんですね」 上がる息を整えながらレイズナーはそう言った。 「誰がゴリラだぁっ?!」 「あれ。セシルはゴリラ知ってるんですか?」 「俺の母国に異国の動物を集めた博覧会があって、そこで見た。俺はもっとカッコイイだろうが」 「じゃあきっとあんたの国に運ぶために俺の生まれた港立ち寄ったのかもしれないですね」 レイズナーは暴れたゴリラを見た経験があった。 手の付けられない雰囲気がまさにそれだった。 ゴリラだと例えられたセシルは苛つき始めていたので、言ったレイズナーで発散することにしたセシルは、嘲笑いながら般若の如く顔を歪ませた。 「一回でもゴリラ(俺)の動きを止められたら、何でも言うこと聞いてやるよ、レイズナー」 セシルは剣を構えて勢いよく斬り込んできた。 流石にこのまま負けてばかりいられないレイズナーは再度立ち上がりセシルと相見えた。

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