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第5話 ※扉の中から聞こえてくる声は

 クロード様から添い寝をお願いされた時はどうなるかと思ったけれど、その後も毎日添い寝を続けている内にだんだんと慣れてきて、今ではとても安らかに眠れるようになった。  慣れって凄い!  ご主人様も気持ちよさそうに眠っているし、添い寝係としてしっかりとご奉仕出来ている事で、俺の心は誇らしい気持ちでいっぱいになる。  それにやっぱりクロード様の匂いは極上でとても幸せな気持ちになれるから。  なんだかんだ俺も添い寝係を止めたくないと思ってしまっていた。  そんな日々が半年ほど続いて季節は秋に変わり、朝晩と寒くなってきたとある日……クロード様の寝室に上着を忘れた事に気付き、こっそり寝室に取りに行こうと廊下を歩いていた。  この時間は誰もいないはず。  ご主人様は執務室にいるだろうし、忘れ物を取りに入っても誰にも気付かれないだろうから。  寝室の扉の前にたどり着いてドアノブに手をかけた。  扉の前に立っただけでクロード様の匂いがしてくる……この敏感な嗅覚も困ったものだ。  そんな事を考えながらノブを押そうとした瞬間、中から声が聞こえてくる。  正確には声というより、なんだろう……息遣いというか……盗み聞きは良くないと思いつつ扉に耳を当て、中の声に耳をそばだててみた。  「…………っ、はぁ……ぁ…………」  この声はクロード様の声……とても艶っぽくて、胸がドキドキしてくる。  中で何をしているのだろう。  声だけではイマイチ状況がつかめない。  何かに苦しんでいるのなら、助けてあげなきゃ……!  ほんの少しだけ扉を開いてみる。  ほとんど音を立てずに開く事が出来たので、隙間から覗いて見ると、ベッドに腰をかけているクロード様の姿が目に入ってきた。  「ぁ……っは……ぁ…………あぁ」  頬を赤く染め、息は上下し…………視線を下に移してみると、下半身で熱く膨張しているソレを自身の手で扱いていたのだ。  あれは自慰というものだと、性教育の一環で習ったはず。  自分の主人のそういうのを目の当たりにしてしまい、どうしていいか分からず、その場で立ち尽くした。  どうしよう、こんなところを見てはいけないのに。  目が離せない。  クロード様でもそういう事をしたい時があるんだ……ご主人様は29歳。  もうすぐ30歳になるのに、未だに婚約者すら作る気配がない。  俺はその方が嬉しかったけれど、公爵家としてはそういうわけにもいかないというのは教育を受けていく内に理解した。  いつかは祝福しなければならない時がやってくる。  その時を想像しただけで胸が痛むけれど、クロード様には全く女性の影がないので、そういう欲求があまりないのかもしれないと思っていたんだ。  でも――――  「あ……はぁ…………っ」  すっかり硬くなった熱を気持ち良さそうに扱くクロード様は、とても艶めいていて、背筋が粟立つ。  ご奉仕したい。  アレを口に含んで気持ちいいところを隅々まで舐めてあげられたら……そんな事を考えていると、いつの間にか俺の下半身もギチギチに硬くなってしまっていた。  こんなところを誰かに見られたら大変だ。  そう思うのに、室内からクロード様の声が聞こえる度に釘付けになってしまう。  「あ、あっ……はぁ……あぁ……!!」  クロード様の声が大きくなり、自分の下半身から室内へと視線を戻した。  扱く手の動きが激しさを増し、腰が浮いてしまっている。  先端からは先走りという液体も溢れ出ていて、どうにかして舐めたい衝動に駆られる。  あぁ…………見たらダメなのに……アレがほしくて目が離せない。  どうしてかお腹がずくずくする。  まるでこちらに見せつけるかのように激しさを増した手の動きは、やがてご主人様を絶頂へと導いていった。  「ああ……いぃっ……イクッ……~~!!」  先端から白濁が解き放たれ、クロード様の体がビクビクと痙攣する。  そんな姿もなんて美しいんだろう。  彼の手元には……俺が忘れていった上着が。  途端に体に熱が集まり、その場から駆け出していた。  どうしてあそこに上着がっ……!  違う、あの時俺が思ったのは、あの上着が羨ましく思えて……俺もおそばに置いてほしいって。  大切なご主人様に対して何を考えているんだ。  自分を戒めながら自室へと駆け込む。  「クロード様……」  心臓が激しく脈打ち、頭の中がご主人様で埋め尽くされていく。  大好きなクロード様……クロード様……。  ご主人様の事を想うだけで下半身が痛いほど、興奮で張りつめていく。  こんなんじゃ仕事に戻れない。  俺はすっかり勃ちきったソレをパンタロンの中から解放し、クロード様がしていたように自分の手で扱いていった。  声を出さないようにめくった上着を口に含み、必死に手を上下する。  「ふ……んっ……んん」  気持ちいい……クロード様……クロード様ぁ……!  俺のも触ってほしい。  主人にそんな事、させられないのに。  ココも可愛がってもらいたいなんて思ったらダメなのに。  想像しただけで手が止まらない……!  「んっ……ふぅ……っ!」  もうほとんど無意識だったと思う。  俺の手は先走りですっかり濡れ、滑りが良くなったおかげで上下する手の激しさが増していった。  頭は真っ白になり、すぐに体に溜まった熱は解き放たれていく。  「ふぁ……ふ、うぅぅっ!!」  何とか声を出さないように努めたけど無理で、体は痙攣し、床に欲望が飛び散っていく。  「あ……ぁ…………あぁ……」  頭の芯まで痺れ、上手く思考が働かない。  自慰ってこんなに気持ちいいものなんだ……初めて自分でしたので、驚くほどの快感にクセになってしまいそうで怖い。  「クロード様……」  愛しい人の名前を呟くと心も満たされていく。    クロード様は自慰の時、誰を想っているのだろう。    そこまで考えて首を振った。  この恋は実らないと分かっているのだから、ご主人様の気持ちを考えてはいけないと自分を戒める。  床に散った自分の欲望を見るとまた体に熱が集まってしまいそうだったので、すぐに綺麗にして身なりを整え、仕事に戻っていった。  

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