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第11話 ※ご主人様に尽くしたい
その日の夜。
「ほら、ご奉仕してくれるんでしょう? 一生懸命動いて」
「んっ、んぅ……」
ベッドの上でご主人様の股座に跨り、自分のとご主人様の熱棒を擦り合わせていた。
俺がどうしても主導権を握りたいと躍起になっているのを見兼ねて、「これならどう?」と提案してくれたのだけど……早くも気持ちが折れそうになる。
だって目の前には大好きなクロード様の美しいお顔があって、擦り合わせているところが気持ちよすぎて腰がくだけてしまいそうだったから。
あまりに気持ち良くて、腰が勝手に動いてしまう。
「はっ、あ、あぅっ……」
「上手……とっても上手だよ、リック」
「クロードさまも、きもいイイ?」
「ああ、とても。 君のも気持ち良さそうに可愛い汁が溢れちゃってる」
「いわないでっ……くださ、ぃ」
彼の手の中にある昂りはどんどん硬くなるばかり。
先端が擦り合うと天にも昇るほど気持ちイイ。
ぬちゅぬちゅと卑猥な音が響く室内。
押し上げられていく熱に、体には甘い痺れが広がっていく。
「あ、だめっ、もう……っ」
「はぁ……いいよ、私もそろそろだから……」
「は、あっ、あぁっ、イクッ……イッ……~~!!」
先端から欲望が吐き出され、体はビクビクと痙攣を繰り返した。
ほとんど同時にクロード様も達していて、二人の視線が絡み合う。
クロード様の唇……口付けしたい。
でもクロード様は体は可愛がってくれるけれど、決して口付けはしてくださらなかった。
やっぱりキスは愛する人とするものなんだよね。
そう考えると気持ちが沈んでしまうから考えないようにして、彼の胸に顔を埋めた。
これくらいは許してもらえるだろうと。
「リック? 疲れちゃった?」
「……少し」
「じゃあ、今日はもう寝ようか」
俺の頭を優しく撫でる手……この手も大好きだ。
指の一本一本を舐めて、食んで、口の中で味わいたい。
そうやってご奉仕したいのに、結局今夜も俺が気持ちよくさせられてばかり。
ご主人様の腕の中はとても心地良い……なかなか納得のいくご奉仕が出来なくてモヤモヤしながらも、大好きな人の腕に抱かれながら幸せな眠りに落ちていったのだった。
~・~・~・~・~・~
翌日、クロード様の執務室にてまたしてもご奉仕活動を頑張る俺——。
「リックはとても主人想いの子だね」
「ふぁひふぁほうほはいはふ(ありがとうございます)」
今日は俺の方からご主人様に壁際に立っていただき、彼のを口に含んでご奉仕させてもらう事にした。
ご主人様は自分から動くのを躊躇っていたけれど、俺が乗り気だったのもあって、自分から腰を動かしてくれている。
「んっ、んぐっ、んん……っ」
「リック……リック…………」
俺の名前を繰り返し口にしながら、自分の剛直を口内に押し込んでくる。
少し先端から液体が出てきていて、吸い付きながら舌で味わった。
今の俺って、凄くご奉仕してる感じがする……!
かつてない感動にご主人様の太ももを掴み、自ら顔を押し付けていった。
「あ、リックッ、そんなに近づいたら……喉の奥に入ってしまう!」
「ふふんへふ(いいんです)!」
「はぁっ、しゃべったら……あぁっ」
突然クロード様の両手が俺の頭を掴み、腰の動きを激しくしていった。
「ごめん、リックッ……きもちよくって……!」
「んぐっ、あぅっ、んん~~~っ!!」
「はぁ……でるっ、クッ……!」
彼の楔が喉の奥深くに届いたと同時に、生暖かい欲望が注ぎ込まれていく。
体は硬直しながらも震え、俺に全て注ぎ込もうと、奥へ奥へと腰を押し付けてくる。
俺は喉を鳴らしながら彼の欲望を余す事なく飲み干そうと必死で、無意識に吸い付いていた。
クロード様の……もっとほしい…………。
いつからか口でしているのに、下半身がキュウッと疼き、なぜか後ろがむずむずするのだ。
俺の体はどうなってしまったのだろう。
彼の熱が引き抜かれた瞬間、名残惜しくて堪らなくなる。
「リック、なんて顔をしているんだい」
「へ?」
「まだまだほしくて堪らないって顔をしているよ」
「なっ! そんなわけっ!」
「ふふっ、素直じゃないんだから」
心を見透かされてしまった気がして、咄嗟に悪態をついてしまった。
まさか顔に出ているなんて……ご奉仕してる側がほしがっちゃダメだろ。
そう思いつつもクロード様の顔を見ると、彼がほしくて堪らなくなってしまうのだ。
好きで好きで堪らないから、心も体も欲しくなる。
一緒にいればいるほど欲望は増してきて……これ以上一緒にいたら危険だと思い、そそくさと執務室を後にした。
そして自室に駆け込むと鍵をかけ、ベッドの上で自分を慰めていく。
熱が全然落ち着かない……疼いて仕方ない。
中からすっかり勃ち切った自分のを出し、手で扱いていく。
「ふっ、う……クロードさまぁ……ぁ……」
すぐに先走りによってぐちゅぐちゅと卑猥な音がしてくる。
でも何か物足りない……俺は濡れた自分の手を後ろにもっていき、ゆっくりと指を沈めていった。
「はぁぁっ……ぁ……」
クロード様はどこを刺激してくれていただろうか。
必死に思い出しながら、気持ちのイイ部分を探した。
「どこぉ……みつからな、ぃ」
半分涙目になりながら指を動かしていくと、ふいに柔らかい突起を見付け、そこを刺激していった。
「あっ、あっ、そこぉ……いいっ…………あぁっ!」
前も一緒に扱きながら、後ろも指で……そこからは夢中だった。
クロード様の声を思い出しながら、指を動かしていく。
『リック、ここが前立腺って言うんだよ。 気持ちいいね』
「あぅっ、きもちぃ……クロードさまぁ……もっと……!」
『おねだり上手な子にはご褒美だ』
「ご褒美ください……クロードさまぁ! あぁぁっ!」
彼の楔を後ろに沈められるのを想像し、一気に果ててしまう。
入れられた事もないのに――。
でもあの大きな剛直で中をかき混ぜられたら、信じられないほど気持ちいいような気がして。
「あ…………あぁ……っ」
もう自分の体がすっかりご主人様なしでいられなくなっているのを感じ、嬉しいやら不安やらで気持ちがぐちゃぐちゃになる。
クロード様、好きです。
大好き。
俺の事を好きじゃなくてもいいから、彼のものになりたい。
欲望が増していくばかりの俺は、まさか彼によって夜な夜な後ろも前も胸も全て開発されていってるとは、思っていなかったのだった。
「仕事に戻らないと」
独り言を呟き、自分の持ち場に戻る事にした。
邸を歩いていると、ふと侍女たちの話し声が耳に入ってきてしまう。
猫だった名残りもあり、とても耳がいいので遠くで話している声も聞こえてしまうのだ。
「ねぇ、聞いた? 旦那様もついに身を固める気になったのかしら」
「なになに?」
「公爵家のご令嬢との縁談話が上がっているのよ」
「え?!」
「うそ――ついに?! あんなに美しいのに、今までそういう話がなかったのが不思議だったもの」
え…………公爵家のご令嬢との縁談……?
俺は突然の話に、足元が冷え切っていくのを感じて立ち尽くす。
そんな話は初耳だし、レイラ様もアーヴァン様も何も言ってなかったのに。
クロード様もいつも通りで――――
ご主人様が美しい女性と仲睦まじい姿を想像し、お腹が痛くなってしまう。
祝福しなくてはならないのに。
使用人失格だ……もともと身分も違い過ぎるのだから、俺がご主人様と結ばれる事はない。
「もうすぐ開かれる夜会で、王太子殿下から紹介されるらしいわ」
「殿下から? ご友人である殿下のご紹介とあっては、本当の話のようね」
「公爵令嬢なら旦那様にもピッタリのご身分だもの」
侍女たちは嬉しそうに会話を続けていたけれど、それ以上は苦しくて聞いていられずにその場を去った。
情けないな……こんなんじゃ俺を拾って育ててくれたご主人様に恩返しするどころか、侯爵家でずっとおそばに仕えるなんて出来ないじゃないか。
俺は自分に活を入れ直した。
そしてその日の夜、クロード様に夜会へは護衛兼付き人として連れて行ってほしいと直談判したのだ。
少し戸惑った表情をされていたけれど無事に許可が下りて、お傍に控える事になった。
しかし――――
この夜会が俺の生活を一変していく事になろうとは……想像もしていなかったのだった。
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