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第12話 ※全てを与えてあげたい存在 ~クロードSide~
私の自慰を見た日の夜、寝室を訪れたリックは明らかに動揺していて、視線を合わせられなくなっていた。
可愛い……やっぱり君だったんだ。
私を意識して顔を赤くしている。
それだけで下半身が反応してしまいそうになるので、すぐにベッドで寝てしまおうとした。
あまりに私を意識するリックが背を向けてしまい、背中を丸める彼にいたずら心がムクムクと押し寄せてきてしまう。
「リック……可愛いリック。 こっちを向いて。 それとも私に言えない何かがあるの?」
「そ、そんな事は……」
「ふふっ。 意地悪言ってごめんね。 分かってるよ、リックが動揺しているの」
私の言葉に恐る恐る振り向くリック。
その目には恐れと期待が入り交じっていた。
ああ、ようやく君に触れ、その可愛い声を聞く事ができるんだ。
眠っている時は体が反応するものの、声はあまり出ない。
それがもどかしくて堪らなかった。
もっと私の手で乱れ、顔もぐちゃぐちゃになっている君が見たかったから。
上着の隙間から手を潜り込ませ、彼の可愛い胸の蕾を摘まんであげた。
「んんっ、や、やめっ」
「可愛い。 可愛い声、もっと聞きたい」
ようやく聞けた甘い声。
凄く下半身に響いてくる……もっと聞きたくて、 先端をいじめてあげるとさらに可愛い声で鳴いてくる。
「ひぅっ! やあ……ぁ……っ」
「リック、可愛いよ。 気持ちいい?」
「わからな……いぃぃ……っ、あ、だめぇ、みみ……やらぁ……!」
かわいい、かわいい、かわいい。
寝ている時の比じゃないくらい可愛い。
もっと虐めてドロドロに蕩けさせ、私を求めさせたい。
すっかり勃ちきった彼の熱を指先で弄ってあげると、腰を自分から動かし始めた。
散々犯した耳に、誘惑するかのような言葉を浴びせると、すぐにおねだりを始めたのだった。
「あ、う、クロード、さまぁ……さわってぇ……っ」
「リック、それは反則……!」
私の可愛いリック。
君が望めば何でも与えてあげるのに。
この侯爵家だって、私自身だって……煌びやかな宝石も、地位も――――
与えられるものは全て与えたい。
でも君はそれを欲しいとは言わない。
それがもどかしくて、歯がゆくて。
早く君の口から求められたいのに、気高い君は身分などを気にしているに違いない。
そんなところも愛おしいけれど。
本当は口付けをして蕩ける君の顔を見たくて堪らないのに、想いを通わせてからじゃないと嫌だから。
自分の想いをぶつけるように彼の昂りを扱く手を早めていく。
「あっ、あぁ! は、あぅっ、あっ、あっ!」
「リック……リック…………」
早く私を求めて――。
「あぁ! もう、だめぇっ……イクッ……~~!!」
ひと際淫らな嬌声が室内に響き渡っていった。
私の可愛い人は緊張からか、そのまま意識を手放して深い眠りに落ちていく。
手の平に広がる彼の欲望を舐め取る。
「君のものなら何でも食べてしまいたくなるんだ、リック」
愛する人に、私の声は届かない。
「こんなに愛しているのに……」
彼の体を仰向けにさせ、下の衣服を全て脱がしていく。
もう彼の熱は落ち着いてしまっていて、小さくなったソレを触るとわずかに反応したように見えた。
「ふふっ。 可愛い」
でも自分の熱を持て余していたので、彼に発散してもらおうと太ももの間に自分の昂りを挟み、擦り合わせていった。
私のと擦れた彼の熱はやがて反応し始め、徐々に硬くなっていく。
「はぁ……ぁあっ…………きもちいい」
彼からの反応がないのは寂しいけれど、リックの全てに反応してしまう私の熱は、すっかり膨張しきっていた。
「リック……私のリック……~~っ!!」
ビクビクと体が震え、彼のお腹に欲望が散っていった。
これを彼の中に出せたらいいのに——。
そんな私の願いは、奇しくも違う形で叶う事となった。
ある日の執務室で、いつものようにリックが私にご奉仕したいと私を壁際に連れて行った時の事。
何をしてくれるのかと思って見ていれば。
「今日はクロード様のココを私がお世話します」
「え?!」
彼は私の下半身に頬擦りしながら、私のをお世話すると言うのだ。
さすがに面を食らった私は断ろうとしたけれど、頑として譲らない。
君の中に出したいと思ったとは言え、このご奉仕は想像していなかったな。
でも少しは彼の願望を叶えてあげなくては、いじけてしまうかもしれないと考え、今回は私が折れる事にした。
一生懸命私のを口に咥え、たどたどしく舌を動かしている彼が可愛い。
「リックはとても主人想いの子だね」
「ふぁひふぁほうほはいはふ(ありがとうございます)」
口に咥えながら話されると堪らなく気持ちよくて、ゾクゾクする。
こんなのも無自覚なんだろうな。
「んっ、んぐっ、んん……っ」
ダメだ……可愛いが過ぎる。
視界が狂暴だ。
リックが必死に喉の奥で私のを扱く姿はとても煽情的で嗜虐心を煽られた私は、気付けば彼の顔を掴みながら自身の腰を動かしていた。
「ごめん、リックッ……きもちよくって……!」
強引にはしたくないのに……!
こんなご奉仕されたら歯止めがきかなくなってしまう。
「んぐっ、あぅっ、んん~~~っ!!」
「はぁ……でるっ、クッ……!」
喉の奥に直接注がれていく欲望。
それを無自覚に飲み干していく最愛――――
口内から自分の熱を引き抜くと、目の前の愛する人はまだ欲しそうに顔を蕩けさせていた。
少しは自惚れてもいいのかな。
そんな彼を見る事が出来て、少し私自身が浮かれていたのかもしれない。
良くない知らせというのは、そういった時にやってくる。
王太子殿下からの書簡に、次の夜会で私の婚約者候補にと公爵令嬢を紹介すると書かれていたのだった。
全く迷惑な話だ……政治的な思惑があるのは分かっているとは言え、物凄く面倒だ。
私にはフレデリックという心に決めた人がいるのだからと、きちんと伝えなければ。
そこへタイミング良くと言うべきか、リックが一緒に夜会に付いていきたいと言い始めた。
「私を護衛、または付き人として連れて行ってほしいのです」
「しかし……」
「アーヴァン様に剣術や武術は一通り習っています。クロード様のお役に立ちたいのです!」
「うーん……」
連れて行きたい。
皆に私の愛する人だと見せびらかしたい。
でもその反面、誰かが彼に興味を持ったらと思うと胸が掻きむしられる気持ちになる。
絶対にそれだけは阻止したい。
でも公爵令嬢に私の最愛だと紹介する事も出来るし――――迷う私にアーヴァンが言葉をかけた。
「連れて行ってあげればいいのでは? リックはとても優秀ですよ。 私が保証します」
それも気に入らないけどね。
リックをよく知っているみたいな口調なのが。
でもアーヴァンが言うならリックの腕は確かなのだろう……彼は滅多に褒めないから。
猫だったから動きもいいのかな。
そう思うと顔が緩む。
「わかったよ。 じゃあお願いしようかな」
「本当ですか?! やった!!」
「アーヴァンはレイラに彼の服を用意するように伝えてくれ」
「承知いたしました」
「俺、頑張りますね!!」
こういう時は俺って使うんだもんなぁ。
「ふふっ。 期待しているよ」
「はい!」
私の可愛い人は無邪気に喜びを爆発させ、微笑ましくて思わず笑みがこぼれてしまう。
愛おしくて大切な、私のリック。
君さえいてくれれば何もいらない。
夜会では彼に変な虫が付かないように私も気を付けなければ。
静かな決意を胸に、夜会の日を迎えたのだった。
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