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※第26話
剥き出しにされたマイトの褐色の肌が、室内の柔らかな間接照明に照らされて艶かしく汗を光らせている。
海賊として鍛え上げられた分厚い胸板や、無駄のない筋肉。本来ならば他者を圧倒するはずのその屈強な肉体が、今はディアスの白く細い指先一つで、ビクンビクンと哀れなほどに跳ねていた。
「っ……あ、ぁ……っ、ディア……!」
マイトの口から、自分でも聞いたことのないような甘い鳴き声が漏れる。
恥ずかしい。男として、好きな相手にこんな無防備でだらしない姿を晒している自分が情けない。だが、ディアスの指が這うたびに、理性のブレーキは粉々に砕け散り、頭の芯がトロトロに溶けていく。
「そんなに顔を赤くして……恥ずかしいの? マイト」
「あ……当たり前、だろ……っ。俺は、こういうの……っ、ぁっ!」
ディアスの指が、マイトの最も敏感な場所を的確に、そして執拗に弄る。
人体を知り尽くしたディアスの愛撫は、文字通り『暴力的なまでの快楽』だった。
神経の束を直接撫で上げられているような強烈な電流が、マイトの背骨を駆け抜け、脳髄を白く焼き切っていく。
「恥じることなんて何もないよ。君の身体は、こんなにもオレを求めて泣いているじゃない。可愛くてたまらない、マイト、オレにその声をきかせてくるないか」
ディアスは艶やかに微笑みながら、マイトの脚を大きく割り、その無防備な最奥へと冷たいジェルを滑り込ませた。
かつて、恐怖と激痛と共に蹂躙されたはずのその場所は、記憶を封じられた今、大好きな人から与えられる『初めての愛の証』を受け入れるために、熱を持ってひくひくと震えている。
「ディア……っ、俺、もう……おかしくなりそうだ……っ」
「いいよ。オレの前では、理性なんかいらないよね。狂ってしまえばいい」
ディアスは自らの熱い楔を、マイトの狭く熱い肉洞へと、ゆっくりと、しかし容赦なく沈め込んでいった。
「――っっあああぁぁッ!!」
マイトの身体が弓なりに反り、喉から声にならない絶叫が迸った。
引き裂かれるような痛みを覚悟していた。しかし、ディアスの信じられないほど繊細な手管と、マイト自身の極限まで高められた情欲が、その痛みを一瞬にして爆発的な快楽へと変換してしまう。
「は、ぁっ……! あ……っ、ディア……っ、ディアス……ッ!」
「すごいよ、マイト。君の中、すごく熱くて……オレをきつく締め付けてる。そんなにオレのことが好きなの?」
「好き、だ……っ! 好きだ、ディアっ……あぁっ、もっと……っ!」
羞恥心など、とうの昔に消し飛んでいた。
マイトはシーツを強く握り締め、自ら腰を揺らしてディアスの熱を奥深くまで迎え入れようとする。
その健気で淫らな姿を見下ろしながら、ディアスは銀色のターバンの下で、背筋が凍るほど冷酷で、そして歓喜に満ちた笑みを浮かべていた。
――あの日、男たちに犯されら殺してやると血走った目でオレを睨んでいた男が。ジェイスが命に代えても守ろうとした、気高きエブラハムの首領が。
今はオレの下で喘ぎ、オレの男根を咥え込み、もっと欲しいと涙を流して乞うている。
「あ……っ、そこ……っ、だめ、ディアっ……そこ、やばい……ッ!」
ディアスが意図的に、マイトの前立腺をピンポイントで激しく突き上げると、マイトは狂ったように首を振り、よだれを垂らしながら白目を剥きそうになるほどの絶頂を味わった。
「だめじゃないよ。全部あげる。オレの全部で、君をめちゃくちゃにしてあげるからね」
パンッ、パンッ、と、肉と肉が激しく打ち付けられる音が部屋に響き渡る。
ディアスの突き上げは、見た目の優雅さからは想像もつかないほど野性的で、圧倒的な力に満ちていた。マイトは自分が巨大な嵐のど真ん中に放り込まれたような感覚に陥り、ただディアスの首にすがりつき、波のように押し寄せる快楽に身を委ねるしかなかった。
「ひ……っ、あぁぁっ! ディア……っ、アンタが、俺の、なかに……っ」
「そうだよ、マイト。よく覚えておいて。君を満たせるのは、世界でオレただ一人だけだ」
もう、後戻りなどできない。
ディアスが注ぎ込む快楽という名の猛毒は、マイトの細胞の一つ一つにまで浸透し、その精神構造を不可逆的に書き換えていく。
「いくよ、マイト……オレの全部、君の奥で……っ」
「あ……っ! 俺も、俺もいく……っ!! ディアぁぁっ!!」
極限まで張り詰めた弦が弾けるように、二人は同時に絶頂を迎えた。
マイトは獣のような咆哮を上げ、自らの腹に熱い白濁を撒き散らしながら、ディアスの放つ熱すぎる欲望を、自身の最奥でドクドクと受け止めた。
目の前が真っ白にスパークし、意識が遠のくほどの圧倒的な余韻の中で、マイトの身体はガクガクと小刻みに痙攣し続けている。
「……はぁっ……はぁっ……」
呼吸も絶え絶えに、力なくソファへ沈み込むマイト。
その汗ばんだ額に、ディアスは優しく、慈しむようにキスを落とした。
「……俺……もう、ああ、おかしくなりそう、かも……」
虚ろな蒼い瞳で、マイトは熱に浮かされたように呟いた。
それは、恋に落ちた男の甘い愛の言葉。
そして同時に、ディアスの仕掛けた完璧な罠が、完全に囚われたのだ。
「大丈夫だよ、マイト。君はずっと、オレのそばにいればいい」
ディアスはマイトの身体をきつく抱きしめながら、その言葉の本当の恐ろしさを隠し、極上の甘い笑みを浮かべた。
肉体も、精神も、そして『エブラハム・ロジャーの首領』としての未来すらも。
マイトはすべてを差し出し、最も甘美で残酷な奈落の底へと、自ら喜んで堕ちていったのだった。
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