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※第33話
ディアスの自室へ駆け込んだマイトを待っていたのは、暗闇の中で微かな芳香を漂わせ、椅子に深く腰掛けたディアスの姿だった。
「……マイト。来るのが遅いよ」
責めるような、けれど甘い声音。ディアスはソファの隣を指先で軽く叩く。マイトは呼吸を荒くし、一目散にその場所へ腰を下ろした。
ジェイスに吐き捨てた憎々しい言葉など、ここへ来るまでの間にすべて霧散している。あるのは、この男に触れられたいという剥き出しの欲望だけだ。
「わりぃ……ジェイの奴に捕まっててよ」
「またあの忠実な番犬か。困ったね」
ディアスはマイトの胸元に手を滑らせ、シャツのボタンを一つ、また一つと外していく。その指先は氷のように冷たいのに、肌に触れる箇所からマイトの身体は熱を帯び、内側が甘く痺れていく。
――今日は、いつもとは違う。
マイトが身体を預けようとすると、ディアスはしなやかな指先でマイトの胸を押し戻し、あろうことか彼の「一番疼く場所」のすぐ傍を、焦らすように這い回らせた。
「あ……っ、ディア……っ、触ってくれよ……っ」
「ダメだよ。今はまだ」
ディアスの長い指が、マイトの敏感な突起を意地悪く、けれど極めて繊細に撫で上げる。
摩擦と刺激。それだけなのに、マイトの背骨を電撃が駆け巡り、意識が遠のくほどの悦楽が全身を縛り付ける。
「ッあ、あぁっ……ひぃ……っ!」
「マイト。君は今、何が欲しいの?」
ディアスは指先を止めず、マイトの耳元で甘く問いかけた。
指先が往復するたび、マイトの喉から悲鳴のような呻き声が漏れる。
「……っ、分かってる……だろ……っ」
「言葉で言わなきゃ分からないな。君は、今、何をされたいの?」
ディアスはあえて指を止め、じらじらとマイトの反応を愉しむように視線を落とす。マイトは熱い涙を瞳に浮かべ、羞恥に顔を真っ赤にしながら、自尊心をズタズタに切り裂かれる快楽に打ち震えていた。
「……っ、あんたの……その指で、奥まで……っ、奥まで弄って……ッ!」
「……いいよ。本当に素直だね」
ディアスは低く笑い、マイトの欲望を肯定するように、指先をさらに深く、そして容赦なく奥へと押し込んだ。
マイトは腰を跳ねさせ、ディアスの肩に爪を立てる。
与えられる快楽は、いつもの抱擁よりも遥かに濃密で、マイトの理性を根こそぎ削り取っていく。
「もっと……っ、もっとっ……!」
「君はオレがいないと、こんな風に、一人じゃ何一つ満たされない身体になってしまったんだよ。……そうでしょう?」
ディアスの指が、中で複雑に脈動し、マイトの性感帯を執拗に抉る。
「……そうだよ……っ、ディア……アンタが……っ、俺の、おれ、あっ、あぁっ!!」
快楽の奔流に呑まれ、マイトは自分という存在がディアスという名の聖域の中で溶けていくのを感じた。
理性を焼き切る指先と、耳元で響く甘い言葉責め。
それだけで、マイトはもう一秒たりとも離れられない完全な「支配下の玩具」として完成されていく。
「……本当に可愛い。あともう少し、君をどうやって壊してやろうか、今から楽しみで仕方ないよ」
ディアスは、絶頂の淵で壊れゆくマイトを優しく抱きしめ、狂おしいほどの情愛と悪意を込めて、その唇を塞いだ。
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