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第14話「心の位置情報」

時間は少し遡る。 『フゥー…報告書の作成終わりっと…。あ、そうだ佑一さんに念のため連絡入れておこう。』 俺はスマートフォンを引き出しから取り出し、佑一さんにメッセージを送る。 柴山 [佑一さん!お仕事お疲れ様です!    すみません!今日は仕事のため    お迎えにいけません。] …スタンプも送っておこう。 俺は柴犬がシュンとしてるスタンプを送る。 ブブッ 佑一さんから返信が届く。 佑一[了解しました!    いつもありがとね!     お仕事ファイト!!] あぁ…幸せだな。 俺、本当にいま佑一さんと付き合ってるんだな…。 俺は気合いを入れるために自分の両頬を叩く。 っし!このあとも頑張るか! …早く会いてぇな。 第14話「心の位置情報」 俺は熊子守さんと共に、 夜間パトロール中に出ていた。 パトカーの車内では熊子守さんが、 寿司屋の魚以外の寿司の存在理由について 熱く熱弁していた。 熊子守「だぁからよぉ!俺はそん時言ってやったんだよ!寿司屋でハンバーグ寿司食って何が悪りぃんだよって!」 『普通にうまいですよね、寿司屋の魚介以外のお寿司。俺もコーンとか好きです。』 俺の返答に仲間を見つけて嬉しそうな熊子守さんは、膝を片手で叩きながら満面の笑みを浮かべる。 「だぁろぉ???難癖付けんならまずは食ってみろよって俺ぁ思うわけよ!」 『そうですよね。』 俺と熊子守さんが他愛ない話をしていると、 ブブブッ 俺のスマートフォンに何かの通知が届く。 いつもと違うバイブレーションが気になった俺は パトカーのハザードランプを点ける。 『熊子守さんすみません。ちょっと確認したいことがあって、一度そこの脇で停まりますね。』 「おうよ!」 カチカチカチカチカチカチ 車を道路脇に止めると、 俺はスマートフォンを手に取り 届いた通知を確認する。 『ん?…なんだこの通知…。』 スマートフォンに届いた通知は 先日、佑一さんと繋げた 防災用の位置情報共有アプリからだった。 アプリを開くと、 佑一さんから位置情報が送られてきていた。 場所は…吠ヶ丘公園…。 なんだ…この胸のざわめきと嫌な予感。 俺は佑一さんのスマートフォンに電話をかける。 ………………繋がらない。 俺はもう一度電話をかける。 ………………駄目だ、やっぱり繋がらない。 ゴクリ。 誤タップ…いやそんな筈がない。 佑一さん自身も気を付けてる筈だし、 そもそも3回タップしなければ 位置情報は送られない。 まさか…何か事故に巻き込まれた!? 俺の思考が駆け巡っている時、 ふと先日のあの男の顔が浮かんだ。 …まさかっ!!!! 身体中の血の気が引く。 呼吸が浅くなる。 俺の様子がおかしいと気づいた熊子守さんが声をかけてきた。 「おい柴どうした?顔が真っ青だぞ。体調でも悪りぃのか?」 『熊子守さん!すみません!!』 俺はパトカーのサイレンを鳴らし 車を発進させる。 「おいおいおい!いきなりどうしたってんだよ!」 思い過ごしであってくれ…ただの誤送信であってくれ… 『熊子守さん!いままで色々教えてくれたのにすみません!後でどんな責任だって取ります!』 「ちょっとちょっと待ってくれ!!何があったってんだ!」 『恋人から…いきなり位置情報が送られてきて…電話をかけても繋がらなくて……俺の思い過ごしかもしれないです…でも、ただ事じゃない気がして…意味もなく位置情報送ってくるような人じゃなくて…』 熊子守「にしても柴っ!ちょっと一旦落ち着けって!」 『俺の!!!!!』 『…俺の何よりも大切な人なんです…。』 熊子守「…んだよ…。おめぇかっけぇじゃねぇの。」 すると熊子守さんがパトカーのスピーカーマイクを手に取る。 熊子守「前の車ぁ!パトカーが通ります!左に寄ってください!繰り返す!パトカーが通ります!左に寄ってください!道を開けてください!」 !!!!! 『熊子守さん?!』 「場所は何処だ?」 『!!!!!吠ヶ丘公園です!』 すると熊子守さんは警察無線を起動させる。 熊子守「あー…至急、至急。48から各車両へ」 「46どうぞ」 「49どうぞ」 「47どうぞ」 「吠ヶ丘公園より通報有り。事件もしくは事故の可能性。至急応援求む。」 「49了解」 「47了解」 「46了解」 『熊子守さん…!!ありがとうございます!!!』 「何もなけりゃ、誤通報って事ですませりゃいいんだよ。とりあえずお前は運転にだけ集中しとけ。」 『はいっ!!!』 佑一さん…どうか無事で居てくれ…!! 現場に到着すると、 俺はすぐにシートベルトを外し 車内から飛び出す。 熊子守「あ!おい!柴ッ!!」 佑一さん…佑一さん!!! 熊子守「ったく!!あー…こちら48。現着…」 ハァハァハァハァハァ 何処だ…何処にいる?! 俺はスマートフォンの位置情報が送信された場所付近に到着するが、そこに佑一さんの姿はなかった。 …おかしい…確かに位置情報はこの辺を指しているのに… ん?…あれはなんだ? 視線の先に何かが大量に落ちているのを見つける。 俺はその散らばったものたちを 確認するために駆け寄る。 茂みの上に無造作に散らばっているは ペンケースに書類にタオルなど色々。 『…………!!!!』 そして俺の視線に飛び込んできたのは… 《寺川 佑一》とかかれた複数枚の名刺だった。 俺は直ぐにまた走り出し、 佑一さんの行方を探す。 佑一さん…頼む…どうか…無事でいてくれ…間に合え…間に合え!!!…間に合ってくれ!!!! ガサガサッ 微かに鳴った草を掻き分ける音を俺の耳は聞き逃さなかった。 音がした方を見た時、俺の視界に飛び込んできたのは… 果物ナイフを振り上げた男と、 しゃがみこむ佑一さんの姿だった。 「佑一さん!!!!!!」 俺はすぐに走り出す。 そして俺は自分が警察官ということを忘れ、 右の拳でその男を全力で殴り吹っ飛ばしてしまった。 そしてそのまま佑一さんと男の間に立ち、 二人の間に壁を作る。 佑一「…え…?…柴山くん…?」 『佑一さん…遅くなってしまってすみません…でも、もう大丈夫です!』 男はフラフラと立ち上がり…再びナイフを構える。男と目が合う。 末頭下「お前は!?……お前は…なんでいつもいつもいつもいつもいつも俺と寺川くんの邪魔をするんだぁー!!!」 男は一心不乱にナイフを振り回し襲いかかってくる。 佑一「健太くん!!逃げて!!!」 フゥー…俺は息を吐き出すと。 刃物の動きを見極め一瞬の隙で腕を掴み刃物を落とすと、そのまま腕を男の後ろへと回し取り押さえる。 『公務執行妨害、並びに殺人未遂により現行犯逮捕します。』 末頭下「離せ…離せぇ…!寺川くん…てらかわくぅん!てぇらぁかぁわぁくぅん!」 プッツン 俺は、男の頭を掴み地面へと顔を叩きつけてしまう。 『気安く佑一さんの名前を呼ぶな』 男は気を失ってしまう。 佑一「柴山くん…」 俺はふと我に返り男を放置したまま佑一さんに駆け寄る。 『佑一さん!!!』 俺は佑一さんの震える小さな身体を抱きしめる。 佑一「し…柴山くん……柴山くん…柴山くん…うっ…うう…柴山くん…」 佑一さんのすすり泣く声が耳元で聞こえる。 『大丈夫です…もう大丈夫です。』 俺は更に強い力で佑一さんの身体を抱きしめた。 ガサガサッ 熊子守「おい!柴っ!大丈夫か!」 『熊子守さん!犯人そこに伸びてます。』 熊子守「お、おう!」 熊子守さんは、気を失っている男へと駆け寄る。 熊子守「あちゃーこりゃまた派手にやっちまったなー。正当防衛にしちゃ…ちょっとギリギリかもなぁ…」 柴山『…覚悟はできています。』 佑一「そんな…!お巡りさん違うんです!俺が悪いんです!俺が…俺がっ!」 俺は佑一さんの頭を抱きしめる。 『佑一さん…大丈夫です。 俺はあなたのことを護りたくて    警察官になったんですから。』 佑一「え…?」 『それに、今回に関しては全面的に俺が悪いです。あなたに怖い思いをさせたアイツのことが許せなくて…自分を抑えられませんでした……俺は…警察官失格です…。』 熊子守「確かに…こりゃあ流石にやりすぎだな。良くて謹慎。悪くて逮捕ってとこだなぁ…。だがな柴山。俺は、お前さんがしたこと…警察官以前に、人としては間違ったことしてねぇと思ってるぜ。」 『えっ…?』 熊子守「だってそうだろ。自分の世界一大切な人が危ねぇ目にあったんだぜ?そんな時冷静にいられる奴の方が俺はどうかしてるって思っちまうぜ。俺だって、もし嫁さんが同じ目にあったとしたら更に惨いことをしてたかもしんねぇ。」 『…熊子守さん…。』 熊子守「ま、あくまでも俺個人の考えだけどな!それとな柴山!これだけは覚えておけ。」 熊子守さんは俺の方を向くと満面の笑みで 熊子守 「お前やっぱ、   警察官向いてるよ!」 俺は溢れそうになる涙をこらえる。 『…ありがとうございます。』 熊子守「さぁーってと、まぁ、今回は俺の監督不行き届きってぇ事で。ケツでも持ってやるかねぇー。」 熊子守さんが身体の関節をパキポキと鳴らしはじめる。 そして熊子守さんは伸びた男の顔を右てのひらでペシペシと叩き始める。 熊子守「はーい、じゃあそろそろ起きようねー。」 すると、男が目を覚ます。 末頭下「あれ…俺…いったい…」 熊子守「おはようさん。」 熊子守さんがにっこり男に声をかける。 熊子守「兄ちゃん派手に顔面から転んだみたいやなぁ~」 え?!それに熊子守さん何か関西弁になってる!? 未頭下「はっ?お前何言って!これはアイツが…」 熊子守さんの右拳が男の顔にめり込む。 末頭下「ガハッ」 『え!!!』 熊子守「察しが悪い兄ちゃんやなぁ~、これ自分が派手に転んで作った傷やろ?なぁ?」 末頭下「お…お前警察がこんなことして許されると思ってんのか!!!」 熊子守「犯罪者が何ぬかしとんねん。」 熊子守さんは男の顔を地面へと叩きつける。 熊子守「自分、よぉ言われんねん。警察っちゅうより、あっちの方が向いとるんやないかって…。せやから、な?もう分かるよな…?」 末頭下「…ひぃっ…」 熊子守「…あと10分…。」 熊子守さんが腕時計を確認する。 末頭下「な、なにが…」 熊子守「せやから…自分のお仲間さんが到着するまで10分もある言うてんのよ。良かったなぁ兄ちゃん。ゆっくりお話できるなぁ。」 末頭下「…………。」 熊子守さんがニッコリと笑うと、男は再び気絶してしまった。 熊子守「気絶してもうたわ。」 『あ…あの熊子守さん?』 熊子守「…あぁ!すまんすまん!つい熱が入ると関西弁でちゃうんだよなぁ~あっはっはっ」 いや、そこではなくて…とは流石に言えなかった。 熊子守「こっちはええから、そっちのこ気にしてやんな。」 やっと安心できたからなのか いつの間にか佑一さんの身体の震えが 少しだけ抑まっている。 『佑一さん。遅くなってしまって本当にすみません。俺がもっと早く気付けていれば怖い思いをさせずにすんだかもしれないのに…』 俺は右手で佑一さんの頬に触れる。 その手を佑一さんが両手で包んでくれた。 そして俺の手のひらに頬をすり付ける。 佑一「健太くん…ありがとう…。」 その一言に全てが詰まっている気がした。 佑一さんの温かい心からの一言。 俺は胸がいっぱいになってしまい。 『はい!』という言葉と、もう一度強く抱きしめることしか出来なかった。 ーーーーーーーーーーーーーーー またまた少し遡って、 末頭下ストウカさんに見つかり 俺が人生の終わりを悟った時。 「佑一さん!!!!!!」 と聞き覚えのある大切な人の声が聞こえた。 俺が振り替えると、 視界に飛び込んできたのは 吹っ飛ばされた末頭下さんと、 一人の警察官の姿だった。 月明かりに照らされ暗くて良く見えなかった 警察官の顔が見える。 佑一『…え…?…柴山くん…?』 え、え、え?なんで柴山くんがお巡りさんの格好をしてるの?え?ちょっとまってどゆこと!? 柴山「佑一さん…遅くなってしまってすみません…でも、もう大丈夫です!」 まじで柴山くんじゃんか!!!!! え、かぁぁぁぁぁっこよっ!!!!!! さっきまで命を狙われてたという恐怖を遥かに凌駕した、あまりにも唐突なご褒美に俺は心臓を別回路でバクバクさせてしまう。 俺の思考が不謹慎にもフィーバー状態に突入したとき、 末頭下さんがフラフラと立ち上がり…再びナイフを構える。 まって!俺!今は流石にそれどころじゃないだろ! 柴山くんがこんな命懸けの状態なのに なに不謹慎に舞い上がってんだ…。 やっと冷静な俺が戻ってきた。 末頭下「お前は!?……お前は…なんでいつもいつもいつもいつもいつも俺と寺川くんの邪魔をするんだぁー!!!」 末頭下さんは一心不乱にナイフを振り回し柴山くん目掛けて襲いかかる。 まずいっ! 『健太くん!!逃げて!!!』 柴山くんは「フゥー」と深い息を吐き出す。 そして末頭下さんの刃物の動きを見極め 一瞬の隙で腕を掴み刃物を落とすと、 そのまま腕を末頭下さんの後ろへと回し その場で取り押さえて見せた。 『公務執行妨害、並びに殺人未遂により現行犯逮捕します。』 ヒイイイイイイイヤアァァァァァァァア!! 一瞬戻ってきていた冷静な俺は死んだ。 か、か、か、か、か格好良おおおおお!!! 見て、あの切れ長の目つき! え、これ、まじで何?え、こんなの、アニメとか漫画で親の顔くらい見てきたシチュエーションだよ??こんな特等席で見ちゃっていいんですか?ありがとうございます! 末頭下「離せ…離せぇ…!寺川くん…てらかわくぅん!てぇらぁかぁわぁくぅん!」 末頭下さんの声は一切俺の耳には届いていなかった。 すると柴山くんはいきなり何の前触れもなく、末頭下さんの頭を掴み地面へと顔を叩きつけてしまう。 『気安く佑一さんの名前を呼ぶな』 ヒイイイイイイイイイイイイ。 待って、え、待って。 柴山くんのこの雄味の強い感じ何。 え、てか今 気安く佑一さんの名前を呼ぶな って言った?ちょっとまってくれよ。 それは、だって、あれじゃんね もう独占欲剥き出しってことじゃんね。 俺好きだよ。そういうのむっちゃ好きだよ! え、やばい、どうしよう… あまりにも癖すぎて…気ぃ失いそう。 俺の代わりに、 末頭下さんが気を失ってくれた。 ちょっと…ちょっと待ってくれよ… 俺…もうこの気持ち抑えらんねぇよ 『柴山くん…』 俺の声に反応した柴山くんが駆け寄ってきてくれた。 「佑一さん!!!」 やばい…格好良すぎる… 俺の彼氏格好良すぎるって… え、てかまって、情報過多すぎて流しちゃってたけど、え、柴山くんの仕事って警察官だったの? え?そんなの許されるの? だって警察官だよ? 妄想相手職業ランキングトップ3の警察官だよ? やばい、震える。ここまでくると怖さと幸せのダブルパンチで身体震えるって…。 そんな不純なことを考えていたら、 本当に身体が震えだしてしまって 俺が怯えてると勘違いした柴山くんが 俺の身体をぎゅうっと抱きしめてくれた。 『し…柴山くん……柴山くん…柴山くん…うっ…うう…柴山くん…』 俺は感謝のあまりむせび泣いてしまう。 柴山くん…ありがとう…ありがとう…ほんとに…色々とありがとう…愛してる…そしてほんとごめん。絶対引かれるから言えないけど、この震えはそっちの震えじゃないんだわ…ほんっとにごめん!そしてもうひとつごめん。全然健太くんって呼べてない。ほんっとにごめん。まだちょっと照れてまうんや。 柴山「大丈夫です…もう大丈夫です。」 ごめん…柴山くん…駄目なんやて… 全っ然大丈夫やないんや… 俺の心のキャパシティーとっくにオーバーキルしてんのやわ… 柴山くんの俺を抱きしめる力が 更に強くなる。 し、し、し、し、柴山くん。 死ぬ、俺本当に死んじゃうって。 心臓の動きもうやばいんだって。 警察官服の柴山くんのハグは本当にもはや凶器なんだって、さっきの果物ナイフなんかよりよっぽど凶器なんだって!!! 俺が柴山くんのハグに死にかけていると。 ガサガサッ 熊子守「おい!柴っ!大丈夫か!」 あ、お巡りさん!た、助かったぁぁぁあ! そしてなんやかんやあり… 柴山「佑一さん。遅くなってしまって本当にすみません。俺がもっと早く気付けていれば怖い思いをさせずにすんだかもしれないのに…」 柴山くん…ごめんね…本当に不謹慎なんだけど、俺は今むしろ、末頭下さんに感謝までしてしまっているよ…確かに柴山くんが来るまでは本当に怖くてしょうがなかったけど、今回のことがなければ、あの神シチュエーションを特等席で見ることも出来なかったわけであって…いやほんとにごめん。きっと今の俺たち…心配してくれる柴山くんと興奮してる俺とで…心の位置情報がちょっと…いや、かなりずれちゃってるんだわ。 柴山くんの大きな手が俺の頬に触れる。 俺は感謝の意を込めて柴山くんの手を両手で包む。 そしてその手のひらに頬をすり付けてみたりする。 佑一「健太くん…ありがとう…。」 いや、本当に神供給ありがとう。 しばらく俺今日の出来事思い出すだけで飯がうめぇよ…まじで白米何杯もいけちゃうよ。 いや、本当にありがとう。 こんな俺の彼氏になってくれてありがとう。 ありがとう…ありがとう。 柴山くんは満面の笑みで 『はい!』と答えると。 もう一度俺の身体を強く抱きしめてくれた。 あったかい。 そして、少し時間が経つと 続々とお巡りさんが駆けつけてきた。 事故の可能性も考慮して救急車の要請も合わせてしていたらしく、静かだった公園が一気に騒がしくなる。 救急隊員「目立った怪我もなさそうですね。」 『はい、大丈夫そうです。ありがとうございます。』 なんか大事おおごとになっちゃったな…。 ま、でもそりゃそうか、俺一応殺されかけたわけだし。 …本当に、柴山くんが駆けつけてくれなかったら俺はいったいどうなっちゃってたんだろう。 俺は、駆けつけたお巡りさんたちと情報共有をする柴山くんの姿を見て。 ちょっとまだ現実味がないというか、いままでの全てが夢や妄想だったんじゃないかという不思議な感覚に陥っていた。 最近はもっぱら考えることは無くなってきたけど、 こういう俯瞰した状態になった時に、どうしてもふと思ってしまう。 どうして、柴山くんは…… こんなにも俺のことを好きになってくれたんだろうか…と。 たった2ヶ月ほどお店で会話を交わしていただけで、こんなにも好きになってもらえるものだろうか。 俺がそんなことを考えながら、 柴山くんを見つめていると 柴山くんが俺の視線に気づくと駆け寄ってきた。 柴山「佑一さんすみません…。もうすぐ終わりますので。終わり次第ご自宅までお送りします。」 あ、普段より言葉遣いが更に丁寧になってる。 お巡りさんモードだ! 『そんなそんな!家まで全然距離ないし一人で帰れる…』 そう言っている最中、絶対に一人で帰さないという柴山くんの視線に耐えれなくなった俺は、大人しくそのご厚意に甘えることにした。 『すみません…よろしくおねがいします…。』 まったくこの人は…という声が聞こえてきそうな顔をした柴山くんが話を続ける。 柴山「今日は色々あって心身共にお疲れだと思うので、聴取は後日で大丈夫とのことです。」 『ありがとう。』 熊子守「おーい、柴っ!こっち来てくれ!」 柴山「はい、すぐ行きます。佑一さんすみません。ちょっと行ってきます。」 『うん、頑張って!』 俺は小さなガッツポーズを送る。 柴山くんは嬉しそうに俺の頭を一回優しく撫でると、お巡りさんたちの元へと戻った。 そんなこんなで、 ストーカーと化した常連さんに命を狙われたり 柴山くんが警察官ということが判明したり 後日の事情聴取に警察に行ったりと 忙しかった大事件の日々を終えた俺は今… 柴山くんと テーマパークに初デートに来ています。 第14話 「心の位置情報」

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