19 / 20
第19話
もう、どうなっても良いと思う。
それは投げやりなのではなく、自分の気持ちに正直になろうと思えたのだ。
柴田は頷いて「好きだよ」と真っすぐに告げると、光輝は目を丸くする。
「ほ、本当に?」
顔を近付けて覗き込んでくる光輝に、柴田は顔を赤くしながら背けた。
「何だ……意外かよ?」
光輝がそっと柴田の頬に手を添えて、正面を向かせる。
緊張でいっぱいいっぱいなのに、余計に恥ずかしくて堪らない。
「まぁね。龍二さん、あまりそういう素振り見せてくれなかったから」
「み、見せてただろ……さっきのキスで気付けよ……」
「え?た、確かに情熱的だったけど……」
柴田は既に、これ以上は我慢ができなくなっていた。
「俺は、お前だから好きだし、キスだってする」
「龍二さん……でも、いつから俺のこと?」
「さぁな。気付いたら、お前がいればもうどうだって良いって思ってた」
柴田の言葉を聞く光揮の顔はトロンと蕩けそうになっている。
「そんなこと言って……俺に火を点けないでよ」
そう言って、光輝はまた濃厚なキスを再開してきた。
欲を抑えられなくなった柴田は、自ら光輝の舌を追いかけ互いに貪り合う。
蕩けるようなキスをしていると、光輝の手が柴田の着ているシャツの中に潜り込んできた。
彼の手の感覚に一瞬違和感を覚えたが、直ぐに体の熱が急速に増していった。
「んっ……」
思わず柴田の口から甘い声が漏れた。
「可愛いな……」
光輝がニヤリと笑う。
「バ、バカ言うな」
柴田が目を泳がせると、唇をチュッと吸われ、肌を弄る光輝の手が上に上がってきた。
最初は冷たかった光輝の手は、柴田の熱のせいか温かさを持ち、心地よく感じられる。
『気持ちいいな……』
ふとそう感じたと思った時に、光輝のしなやかな指が柴田の胸にある突起に辿り着いた。
「あっ……」
指が少し触れただけなのに、つい反応してしまう。
「可愛い声聞かせないでよ。止まらなくなる」
艶やかな光輝の目に見つめられると、理性など吹っ飛んでいってしまいそうだ。
相手は大事な時期の芸能人。この先に……この先に進んでも良いのだろうかとも思うが、自分に触れるこの男が欲しくて堪らない。
前に光輝を抱いた時とは、全く異なる感情が柴田の心を占めていた。
「いいよ。お前が欲しい」
縋るように柴田が言うと、光輝は一瞬顔を赤くして固まってしまった。
「いいの?俺、歯止めが利かなくなるよ?」
耳元で甘く囁かれ、柴田は自然と二回頷いていた。
「分かった。ここじゃヤリにくいし、ベッドに行こう」
「え!?」
事を致すとしたら、こんな狭いソファーじゃ集中できない。
それ位柴田も分かっているが、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
ベッドという言葉が、なぜかとてもイヤらしく感じられてしまったから。
「何?嫌なの?」
チュッと口付けられると、柴田は首を横に振った。
嫌なわけがない。
自分だって、この目に映る男と結ばれたくて仕方ないのだ。
ともだちにシェアしよう!

