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4章-2※成人向け描写あり

 あえかな曲線を描く胸元に、振動する性具が近づけられる様は、ひどくグロテスクな光景に思えてならない。  郁は、ひくひくと喉を鳴らしながら、ただ、その光景を見ていたが――。  性具が触れるか触れないかという間際、小さな声で懇願した。 「……やっぱり、嫌だ。それ、気分じゃない」  いつものすげない言い方ではある。  だが、これから訪れるであろう性感に怯えているように聞こえた。  きょとんと望月が大きな双眸を見開いた。  そして、郁の媚態を見る。  白い裸身を露わに――肉芽は真っ赤に腫れあがり、桃色の雄茎はひっそりと下腹で頭をもたげていた。  アレキサンドライトの瞳は、すっかり、情欲の色に移ろっている。 (どう考えても、もう収まりつかないでしょう)  望月は、ぐっと郁の腕をカウンターに押さえつけた。 「な、に……して……」  想定していなかったであろう望月の強引な行動。  郁は、気だるげに目を見開いたが、抵抗はしない。  彼の感情とは別に、すっかり、身体の方は快楽に屈している。  彼の視線は、望月の手元に固定されている――例のアーティファクトに。 「やだ……いやだぁ……っ」  まるで、こどものような物言いだ。  でも、彼はその気になれば、望月など力でどうとでもできるのだ。  なのに、それをしない。 「郁ってマゾでしょう」  涙目の郁にそう囁く。  返事はなかった。 「君って、僕に虐められるの大好きだよね?」 ――不覚にもそういうところは、かわいい、と思う。  きれいなものを汚しているような、そんな錯覚に陥ってしまう。  そのようなキュートアグレッションに似た心理をこの狼は抱かせるのだ。  郁は、望月から目を背けただけで返事をしなかった。  なけなしの意地か、抵抗らしい。 「かわいい、」 ――かわいくて、壊したくなる。  にわかに望月の中で強い衝動をこみあげた。  そして、衝動のままに振動する機械を胸の先にちょんとあてがった。 「んっ、んっ!」  途端、郁がはしたない声がこぼれないように唇を引き結んだ。 (もっと、声……聴きたい……僕だけしか知らない甘い声……)  今度は性具を押し込むように、ぐに、と強く押し付けた。 「ふ、あっ」  郁の口がぱかりと卑猥な形に半開きになった。  性感帯をこねくりまわすようにローターをあてがう。  すると、郁の中で何かが決壊したようだった。 「あぁ、んっ、ああっ、ふ、あっ、んうっ、ひ、ああぁんっ!」  もう甘い囀りがとまらない。  それは、望月の耳にとても心地良く響いた。  線の細い顎をがくりとのけ反らして――ただ、性感に浸っている。  胸の突起は、まるで、メスのそれのようにぷくぷくと膨らんでいた。 「んう~……ふにゃ……あぁっ……あぁんっ、あふ……ぅ……んっ、ん……くふぅ……っ」 「郁、こっち側は?」  今度は、右の乳首を少し乱暴に引っ張った。  郁が、懸命にかぶりを振る。 「こっちもおもちゃで遊ばないとだめでしょう」  諭すようなやさしい声色でそう言い、今度は右の突起にあてがう。 「ひぁ……あぁああああぁああああんっ!」  郁は、洩れる嬌声など、もう頓着する余裕もないのか。  ただただ、快楽の波に翻弄されるばかり。  だらしなく緩んだ美貌。  その顔を見ているとたまらなく劣情がこみあげてくる。  望月は、下腹に視線を落とした。  桃色の小ぶりな雄茎が、蜜液を粗相しながらピクピクしている。 (ここにおもちゃ、当ててみたらどんな反応をするんだろう……)  ふと、そんな思いつきが頭を過る。  彼は、過ぎた快感に顔を歪ませるのか。  あるいは、声を艶っぽく掠れさせてゆるして、と乞うのか。  考えただけで脳が焼き切れそうな興奮でおかしくなりそうだ。  やおら、望月は、痛々しいほどに膨らんだ肉芽から性具をどけた。 「んうっ」  望月の行動が意外だったのだろう。  郁が、酔眼をけだるそうに開いた。  だが、抵抗はしない。  そして、望月は、脈打っている雄茎に、性具を当てた。 「――――――――――――――ん、ぐぅぅうううっ!」  アレキサンドライトの瞳がぐるんとあらぬ方を向いた。  華奢な四肢が跳ねる。 「郁、郁ー?」 「あ、えぇ?」  暴れる身体とは裏腹に郁の反応が鈍い。 「……ほら、郁、怖くないよ」  そっと郁の頬を撫でる。  すると、焦点のあわない瞳が望月を捉えた。 「……ち……もちづき……」  口唇を喘がせた後、震える声で郁が望月の名を呼んだ。 「きもちい……こわい……」  郁がつたない言葉で訴えてくる。  どことなく、冷めた印象の彼が、甘えるように縋ってくる。 「きもちいの、もうやだぁ……」  郁が身を捩らせて、掴まれた腕をほどこうとする。  つい、望月は内心で舌打ちをする。  この魅力的な身体を自分だけの物にしたい。  自分の匂いをいっぱいつけて――他のオスが近寄らないようにしたい。  自分以外が触れることは、けして許さない。 (あれ……)  そこまで、考えて、望月は我に返る。  自分の中にそのような生々しい感情の機微、つまるところ、醜い独占欲があるだなんてこれまで、自覚していなかった。 「もう、やめて……」  郁が甘えるように、そう言う。  その癖、桃色の雄茎は、ひっそりと勃ちあがり、ぷくり、とひとつ蜜汁の泡を吐き出した。  言っていることと身体の反応が矛盾しているのだ。 ――まるで、望月を欲しがっているようだ。  そんな都合のいい変換をしてしまう。 「ほら、頑張って。ね、いい子だから」  くぱくぱと開閉を繰り返す鈴口から垂れているよだれをなすりつけるようにローターをなすりつける。 「ん、あっ、ひあうっ、あぁっ、んっ、く……ふぅ……んっ!」  敏感な箇所を振動ですり潰されるのがたまらないのか。  郁がきゅっと瞳を閉じた。  すると、長い睫毛が白くなだらかな頬に影を落とす。 (限界まで、我慢させて……それで一気に責めたらどうなるんだろう)  そんなインモラルな欲望が浮かぶ。  郁が粗相したせいで薄い陰毛、竿肌、会陰までびっしょりと濡れている。  肉感の乏しい尻肉のその奥――後孔も湿り気を帯び、ひくついていた。  望月は、卵型の性具をそこにあてがった。 「ん、やっ……もちづき、なに、して……」  そのまま、つぷ、と一気にローターを体内に挿入した。  郁の垂れ流したもののせいで、よく滑り、挿入は容易だった。 「あ、ぅんっ、は、ぁああんっ、あっ、あっ、ぶるぶるしたのっ、なかっ、挿入ってきてぇ……!?」  郁が、髪を振り乱しながら、挿入の快感に惑う。  いつも、咥えこまされる望月自身よりは、質量が劣るとはいえ、絶えず、振動するそれに性感帯を苛まれている。  ずっと、お預けにされている身体には、強烈な刺激だろう。  郁の全身がびっしょりと汗をかいている。 「あ、ひっ……あ、んっ、あぁあっ、これ、きもちいとこで……ずっと動いてっ……おもちゃ……とめてっ……お願っ、ん、あっ、あぁ、あああんっ!」  白い額に、汗ばんだ前髪が貼りついている。  へばりついた前髪をやさしく梳いてあげながら、囁く。 「もっと、郁が気持ちよくていっぱいいっぱいになっているところ、僕に見せて?」 「え……あう……」  直接的な性的な要求に、郁がおろおろとした。 ――もっと、この狼が快楽を貪るところを見たい。  望月は、郁の手にもうひとつの性具を握らせた。  やわらかいシリコン状のおもちゃ。  その形状から、おそらく、自涜に使うものだと望月は気がついていた。 「ね、これでひとりえっちしてみて」  郁のことだ。  どんな悪口(あっこう)が飛んでくることやら。  しかし、意外にも郁は素直にこくんと、ひとつだけ頷いた。  

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