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4章-3※成人向け描写あり
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郁は、不器用にシリコン状の性具を握りこんだ。
手の中のそれは、女性器の形を模していて、醜悪な見た目をしている。
また、滑りを良くするため、たっぷりとローションを満たした。
「こんなの、」
年数経過でくすんだ肌色をしたそれはひどく生々しい。
おそらく、オスの性的興奮を促すためにそのようなフォルムをしているのだろう。
そうは理解しつつも、受け入れられるかはまた別の問題なのである。
「ふっ……くふぅ……んっ……あぁ……っ」
まざまざと自分の痴態を望月が観察している。
そのことが分かって、ひどく居心地が悪い。
だが、望月のことだ。
郁が彼の命令を聞くまでけして、許しはしないだろう。
年齢よりも幼く、純粋無垢な印象を受ける彼だが――。
性的な場面では、イニシアチブを譲ろうとしない。
最初に性的な事柄を教えたのは、まぎれもなく郁なのだが、身体を重ねるごとに、郁の性感帯やどう責めれば郁が感じ入るのか、すっかり、学習してしまった。
(それに、こいつ)
郁は横目で望月を伺う。
無意識なのだろうが――望月にはサディストの気がある。
交尾の際は、けして、主導権を渡そうとしないし、恥ずかしい命令や言葉責めをするのだ。
そんな彼の一挙一動にほだされる自分も自分なのだが、どうしても矜持から、彼のことを憎たらしく思ってしまう。
――今現在の状況もまさに例に漏れない。
「どうしたのさ。ほら、早くそれでおちんちん扱きなよ」
すかさず、望月の甘い叱責が飛んでくる。
郁は反駁しようとしたが、言葉に詰まってしまう。
代わりに洩れたのは、あ、とか、う、とか言葉にならない吐息ばかりである。
「こんなの、いや、なのにぃ……ん……ふっ……ふぅっ……!」
膣口を模した窄まりにぴと、と肉の穂先をあてがう。
(これ、挿入れるのはわかる……けど、)
いかんせん、この手の物には疎いし、能動的に使った試しもない。
ぐっと手に握りこんだ性具――オナホを近づけてみる。
すると、密着した性具と肉身がぷちゅ……と淫らがましい音をたてた。
ふうと望月が大げさなため息をついた。
「郁、時間かかりすぎ。僕が手伝ってあげる」
言うがはやい、望月が郁の手に自らの手を添えると――一気に性具をずりおろした。
「――はぁ、ああぁああああああああああああんっ!」
高い嬌声が迸る。
蕩けそうなやわらかい肉ヒダに根本まで吞み込まれてしまう。
郁が認識できたのはそこまでだった。
ずっぽりと疑似的な膣が、竿肌を呑み込み――勢い良く、白濁を噴きあげていた。
「あ、あぁっ、ああぁあああああああああっ! これっ、ちゅうちゅうって吸いついて……だめえっ、あぁ、んっ、はぁああああんっ!」
未だ、吐精を続け、痙攣する竿肌。
白濁を漏らしては、疑似膣に搾精されてしまう。
その刺激がたまらず、郁は、ビクビクッと断続的に身体を暴れさせた。
顔に熱い息がかかる。
「あ……んぁ……?」
すべてを搾りとられる感覚に悶えながら、郁は気がつく。
望月が、恍惚とした表情で、郁が官能に咽ぶ姿を眺めているのである。
そのことを自覚した途端、頬がかっと熱を持った。
(いやだ、さいあく、見ないで、見るな――)
頭の中は、反駁と情けなさでいっぱいなのに、望月の視線はつぶさに郁の最も嫌うところである本能的な姿を観察している。
まるで、純粋無垢なその視線に凌辱されているようだ。
「ねえ、郁、まだ満足してないでしょう」
追い打ちをかけるような望月の言葉にびくっとしてしまう。
満足していないのは、郁ではなく望月の方なのだ。
散々、性的に翻弄しておきながら、まだ足りないという。
もっと、郁が乱れるところを見たいらしい。
「でも、もうイった……」
言葉だけでも抵抗を試みるが――。
いきなり、身体をひっくり返された。
カウンターに手をつく恰好である。
「え、なに……」
この体勢では、望月の顔が見れない。
今、彼がどんな顔で自分を見下ろしているのか、分からない。
郁がひとりで混乱していると、ぺちん、とどこかユーモラスな音がした。
続けて、薄い尻たぶが、じんじんと熱を帯び――疼くような感覚がした。
一瞬、遅れて、望月に尻を打たれたのだと気がつく。
「ほら、続き、やりなよ」
有無を言わさない口調だった。
また、体勢を変えさせられる。
望月と目が合う。
怯えながら、彼を見上げると天使のような笑顔で郁を眺めていた。
いっそう、やさしい表情である。
そのことが郁の混乱を深めた。
(どうしよう、どうしよう……)
僅かばかりに残った理性が、ぐらぐらと揺れる。
「僕、かわいい郁が見たい……」
とろおり、と蜜が滴るような声だった。
「で、でも……おかしくなる……」
「感じておかしくなっちゃうかわいい郁が見たいな。だめ?」
「んっ……く……ぅう……っ」
そろそろとオナホを握りこんでぎこちなく手淫をする。
すると、ローションで濡れそぼった膣壁を模した凹凸が竿肌を擦りあげる。
「あぁ、んっ、ふあっ、い、あっ、んんっ、んうううー……っ!」
おまけに雄茎がぎゅうぎゅうと圧迫されてしまう。
強すぎる快感だった。
「これ、だめっ、だめだからあっ」
足をガクガクと震わせながら、郁は必死に訴える。
「けど、郁の手、止まらないね? そんなにこれ、気持ちいいんだー……」
手の間から、ローションと蜜汁の混ざったものがぽたぽたと滴る。
「いやだっ、言わないでっ、言うなあっ……ん、やっ、あうっ、は、ぁんっ!」
快楽を貪る自分を卑しいと言われたように感じた。
しかし、そんな自己否定とは裏腹に、一向に手淫は止まらない。
「あっ、あえっ、あ、んっ、あ、はっ、は、ふぅっ、やりゃ……あ……っ!」
「やなの? でもおちんちん擦る度にぐっちゅぐっちゅってイヤらしい音してる……聞こえるでしょ?」
望月の言うとおり、手を動かすとぬぢゅぬぢゅという卑猥な水音がした。
そろそろとオナホをずり上げると――ねと、と粘っこい糸を引いた。
そして、また根本までオナホを竿肌に含ませる。
目の奥が瞬くような感覚。
頭の芯が痺れて、それこそおかしくなりそうだ。
「あひいんっ!」
郁が悲鳴をあげる。
すると、望月はじっと郁を見ると――着衣を乱し、竿肌をとりだした。
それは、小柄な身体に似合わない長くしなやかな肉感をしていた。
途端、郁の目線は“それ”に釘付けになってしまう。
無意識に唾液を呑み下す。
(もちづきの、ほしい……)
「ちゃんと、イけたらくれる……?」
恥じ入りながら、そう問うた。
望月は目をきょとんとさせたが、やさしく微笑み――。
「うん。ちゃんとイけたらご褒美あげる」
「なら、がんばる……んうっ……んっしょ……」
思いっきり、オナホを握りこみ、激しく竿肌を扱く。
「んやっ、あぁっ、あうんっ、は、んっ、あっ、だめ、きもちいっ、きもちい……」
郁はだらしなく舌を突き出しながら、そんな実況をする。
奥にいけばいくほど狭い隘路に、雄茎がはまるのがたまらない。
それにぷつぷつとした突起が竿肌にひっかかるのがひどく気持ちいい。
「……エロすぎ。反則でしょ……」
望月が、郁の媚態を鑑賞しながら、竿肌を擦りあげる。
(もち、おれの、おなに……見ながら、ひとりでシて……おれで、こーふん、してるの……?)
荒い息遣いがふたつと淫らな水音が空間に反響している。
「郁っ、郁っ……」
望月が掠れた低い声で、郁の名を呼ぶ。
(おれのこと……性的な目で、見てるんだ……)
本来は、不快なはずなのに――途方もなく昂る。
「んっ……はぁ……」
(ちゃんとイけたらこの後、もちに……抱いて、もらえる……)
そんな想像をしただけで、身体が期待でぞわぞわとした。
熱いものが精管を登ってくる。
「あっ……だめっ、イくっ……イっちゃ――ひ、あぁ、っ、あぁああああっ!」
郁は、オナホをぎゅっと握りこんだまま、絶頂に達していた。
「や、ぁあんっ、あ、んっ、あふぅっ、うぅんっ! だめぇ……びゅっびゅって出てっ、出てるっ!」
二回目の吐精だというのに、間欠泉よろしく勢いよく白濁を噴きあげる。
全てを搾りとられるような快感がずっと、続くのが怖い。
「もちっ、もちぃ……」
射精の快感に喘ぎながら、無意識に、望月の名前を呼ぶ。
自分が望月を“飼っている“つもりだった――だが、今の状況は、まるで、自分の方が、彼に飼われているようだ。
残滓まで、性具に射精して、かくんと腰が砕ける。
すかさず、望月が郁の腰を支えて――。
「よく出来ました。すっごくかわいかったよ、郁?」
少しサディスティックな口調で、望月が淫猥な遊びの感想を口にする。
羞恥のあまり、頬が熱を持つ。
「ほら、ご褒美。約束していたでしょう」
望月の小さな手が、郁の髪を撫でる。
「んっ、んぅっ」
甘やかされて嬉しい気持ちとやさしい手つきが心地良くて、大人しく髪を撫でられていた。
だが、望月は一向に、髪を撫でたきり、郁に触れようとしない。
(もちが、ほしい……)
郁は顔をぐずぐずにして、望月を見た。
それから、口唇を開いては閉じ――ややあって、言った。
「ね、もち、抱いてえ……」
自分の声色は、発情したメスのように媚びを露わに、オスを求めていた。
望月が髪を撫でる手を止めた。
そして、いやに艶めかしい表情で微笑した。
「いいよ」
郁は、気がついた。
花の香りのような――望月のフェロモン臭が強くなっていることに。
つまり、望月は望月で、郁のことを抱きたいと願っている。
そのことに深く安堵して、くたりと彼の腕に身を預けた。
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