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4章-4※成人向け描写あり

4 「……ほんとうに、この体勢でするの……」  今にも消え入りそうな声で郁が問うた。  手をカウンターにつき、小さな尻をこちらに突き出している。 「うん、全部見えるからね」  細い背に浮いた肩甲骨も、ウエストが揺れているのも――。  怖じている様子なのに、また、股間を勃たせているのも全部、見える。 ……それよりも郁は気がついているのだろうか。  どこか、マゾヒスティックな物言いは、望月のオスとしての征服欲と嗜虐心をひどく刺激することに。  自分に抱かれることでこの狼が快楽に屈するところを望月は渇望していた。  無意識に力のこもった五指で、細いウエストを牽引する。 「あっ」  郁が、上擦った声をあげる。  荒い呼気をこぼしながら、肉の穂先を窄まりにあてがうとくちゅ……っと濡れた音がした。 「い、挿入れるの?」 「挿入れてほしいってお願いしたのは、郁の方でしょう。ほら、いい子だから身体から力抜いて……ね?」  ちゅっとリップ音をたてて、肩甲骨に吸いつく。 「んんんっ!」  すると、赤い花弁のような鬱血痕がその白い肌に刻まれる。  恋慕なのか、独占欲なのかは分からない。  ただ、この狼を独り占めしたい――。  くぷ、と竿肌を後孔に含ませていく。  行為の前に抜いたが、散々、ローターで嬲られたせいで、その箇所が蕩けそうに熱い。  それに、よく締まる狭穴だ。  望月は、締め付けに眉を歪めながらも、竿肌から伝わってくる快楽に抗えず、一気に痩身を貫いた。 「はぁあぁああああああああああああ……んっ!」  途端、郁が大きく身体を逸らせた。  まだ、半勃ちほどの雄茎から、ぴゅくぴゅくと欲望の証左を漏らしていた。 「また、おもらししちゃったの? ふふっ、恥ずかしい子だなぁ。お尻もきゅうきゅうって食いちぎられそうに締まって……感じてるね、郁……」 「やだ……っ……やだぁ……ずっと、きもちいっ……きもちいの、とまらなくてこわいっ」  未だ、絶頂に達しているらしい郁が弱弱しく姿態を捩らせる。 (逃がしたくない……)  望月は、本能的に郁に覆いかぶさり、体重をかけた。 「か、はっ」  郁が苦しそうに喘ぐ。  いっそう、結合が深くなった。 「またっ、深いのっ、も……だめぇ……」 「また、イっちゃったの? お尻……僕の離そうとしないよ?」  ぐっと腰を突き入れる。  すると、凶悪な切っ先が奥のうねりをぶち抜く形になる。  郁は、行き過ぎた快感にわけが分からないようだ。  とうとう、小さくしゃくりあげる声が聞こえた。  哀れすら誘う光景ではある。  普段の望月ならば、即座に行為を中断していただろう。  率直なところ、束の間、迷いはしたが――。 「もちの、かお、みたい……」  郁が啜り泣きの合間にそんなことを言ってきた。 「え?」  正直、その言葉はまるで想定していなかった。 「この体勢、こわい……ずっと、きもちいのもこわい……もちのかお、みせて……」  甘ったるい声色で、郁が懸命に縋ってくる。  いっそう、健気でいじらしい。  望月の背にぞくりとしたものが走った。 「こわい、こわいよおっ」  郁が幼子じみた仕草で、ただ、怖いと繰り返す。  シンプルなようで、複雑な感情がこみあげてきて――望月は、郁の痩身を抱き寄せた。 「僕はそばにいるよ。怖くないでしょ」 「うん、そうだけど……」  まだ、郁は、不服のようだ。  いつものすげない態度とはかけ離れた甘えが愛らしい。  望月はくすっと喉を鳴らした。 「どうしてもって君が言うなら、2回目からはそうしてあげるけど?」 「2回目……」  まざまざとその場面を想像したのだろう。  郁がカウンターに顔を伏せた。  でも、尻尾が少し揺れている。 (素直じゃないなあ)  身体を重ねている最中だというのに、つい笑ってしまう。 「いいよ、郁、一緒に気持ち良くなろ?」  身体を抱きかかえたまま、腰を打ちつける。  ぐぷっ、と深いところまで、竿肌が隘路を掘削する。 「あ、んっ、ふぁ、あああんっ、あ、ひっ、おれのなか、もちの形にひろがって……」 「それって煽ってるの? もっと、君のこと、虐めちゃうかも」 「ちがうぅ……そうじゃなくてっ……形に馴染んで……こんなの、」  以前、交尾は嫌いだと言っていた。  つまるところ、郁にとっても生理反応と感情が一致しないことに困惑を隠しきれないようだ。  なあんだ、と望月は思う。  郁も自分と一緒なのだ。  望月も、彼が故郷を滅ぼしたことに対する憤りは感じる。  生活を共にしていて彼のやさしさを知った。  ショートケーキの匂いを発する美しい身体に依存している。  全ての感情の機微がばらばらで――それは、とても理性では御せずに、感情はばらばらなのだ。 「一緒、だね」 「なに……んっ、あぁっ、はぁああああぁあああんっ!? どおして? 中で大きくなって……お腹、くるしい……じゅぶじゅぶって激しく動いて……んっく……ふぅっ、ん、ふぁああああああっ!」  律動が激しさを増す。  卑猥な形に広がった後孔が、食いちぎらんばかりに望月自身を締めあげる。  室内には、体液とフェロモンの淫臭が満ちていた。  汗みずくの身体を重ねて、ただただ、たがいの身体を貪るのだ。 「もちっ、もち……あぅん、は、ぅっ、あんっ、あぁっ、ああああんっ! おれ、もう、イっちゃうっ、イくぅ……!」  郁が、啜り泣きながら、もう何度目か分からない絶頂の報告をしてくる。 「ん……僕も……郁のなか、とろとろでぎゅうぎゅう締めつけてきて……もうがまん、できない……一緒にイこ?」  望月は、思いっきり、郁の痩身に体重をかけると――最奥まで、竿肌をつきいれた。  摩擦で腫れぼったくなった媚肉(粘り気が強い)が、細かに絡みついてくる。  そのまま、深く突きあげるとうねりと肉身が同時に痙攣した。 「く……っ、ぅ……締め付け、キツい……もう出るっ……!」 「ひぁ、あぁああああああああああんっ! イっ……イって……イってる……! お腹、じんじんしてきもちい……すごい深いのっ、んぐ、これ、ぎもぢい……え、あぁ……っ!」  郁が、絶頂し――狭穴を窄めて、搾精する。  果てに、望月は、郁の体内に、迸りを注いだ。 「あ、あぁ……ふっ……ふぅっ……もち、の、なかにでて……熱いっ、熱いのにっ……これ、すきぃ……っ」  郁が、恍惚と呟く。  すべてを持っていかれるような搾精をに荒い息を吐きつつ、くたりと彼の身体に密着する。  間近に郁の体温と息遣い、ショートケーキの匂いを意識しながら、しばらく、彼と寄り添っていた。

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