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5章【真相】-5 追憶のアネモネ編

 コロニーの住人たちは、見違えた郁の姿に目を奪われていた。  いつもは飛び交う悪口も、このときばかりはない。  ただ、圧倒的な美に目を奪われていた。  郁の目には、コロニーの住人たちは、映っていない。  ただ、帰るべき場所を目指した。  ふと、上を見上げると見事な碧空が広がっていた。  郁は、太陽に手を翳した。  いつもは灰色にくすんでみえる町並みだというのに――。  なぜか、このときばかりは、いやに空が透き通って見えた。 「空ってこんなにきれい、だったんだ」  郁は、すう、と息を吸った。 (それに息がしやすい気がする)  

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