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5章【真相】-6 追憶のアネモネ編※成人向け描写あり
「郁、」
いつもと同じように潮の私室に通された。
「潮……おれ、図書室に行きたい……」
泣きそうになりながら、そう懇願する。
身体が、カタカタと震えていた。
今は潮から離れて、本の世界に逃げたかった。
「……終わったらね」
「え、」
潮が、郁の身体を抱きかかえると、そのまま、ベッドに連れていった。
乱暴に身体をベッドに放られた瞬間、郁の顔が刷毛で塗ったように一気に青ざめた。
「う、潮……こわい……いや……」
とうとう、しゃくりあげながら言葉だけで抵抗を試みる。
だが、頭では潮からは逃げられないことを理解していた。
「そんな悪い口を聞くなんてね。おれ、間違えたかな」
「え、」
間違えた――一体、何を?
潮は、毟るように、きれいなブラウスやズボンを脱がしていく。
そして、この頃、ふっくらとしてきた白い太腿を抓った。
「痛いっ!」
郁は悲鳴をあげた。
「静かにできないなんて、郁は悪い子だなあ……やっぱり、間違えたみたいだね?」
くすくすと潮が笑う。
潮のことは怖いと思う――だが、郁は違和感を覚えた。
「潮……ここ、やだ……部屋にだれかいる……」
行為から逃げたい詭弁ではなかった。
……部屋に“誰か“がいる。
何者かの気配がするのだ。
郁は、確信した。
震えながら、気配がある部屋の隅を指さす。
「……誰もいないじゃないか。まさか、嫌だからってうそをついたの?」
「ちがうっ、ちがうぅっ! そこに誰かいたぁ……いたからっ……うそじゃないぃ……し、信じて……」
「おれの言うことを聞けないうえにうそをつくなんて郁は悪い子だな。お仕置きしなきゃ」
そして、緩くもがく姿態を体重で抑えつけられて――。
まだ、潤っていないその箇所に熱が押し込まれた。
「ぐ、あッ、あぁあっ!」
郁がのけ反って、苦悶の呻きを洩らす。
その箇所がぶつり、と切れ、ぬるりとした生暖かいものが伝った。
(痛い、痛い、痛いっ――)
思考と身体を駆け抜ける激しい熱と苦痛にそれしか考えられない。
はあ、と生暖かい呼気が、耳を掠めた。
「……薫、」
潮は、そう呪いの言葉を吐いた。
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