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5章【終焉】-1 散華編※成人向け描写あり
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「あ、あ……」
やめて、と言いたいのに声が出ない。
最近は例の吃音がひどくなって、空気の掠れたような変な音が出るばかりだ。
おまけに今、郁は黒い布で目隠しをしていた。
潮が、どんな目で自分を眺めているのかが視えないのは幸いだが――。
はあはあというふたつの熱い呼気が、顔にかかっているのがひどく気持ち悪い。
また、彼の恐怖を煽った。
「肌……やわらけぇ……しっとり吸いついてきて……これ、たまんねぇなあ……」
「んっ! んっ!」
じっとりとした執拗な手が郁の身体を蛇のように這いまわる。
その触れ方がおぞましくて、遮布の下で涙が滲む。
「ほら、かわいいおクチ開いてこれ、咥えろよ。慣れてんだろ」
そう言って、ぬっと唇に何かがあてがわれた。
ぬめりを帯びた肉感的な弾力。
むわっと蒸れた汚臭に郁はそれが何か察してしまう。
「い、あ……いや……ぁ……っ」
唇を喘がせて、抵抗をする。
今まで、潮に口淫で奉仕をしたことはあるが、他者のものを咥えるのは激しい抵抗感があった。
それに唇に当たっている感触からも、潮のそれより切っ先が太いのが伝わってくる。
こんなものを咥えさせられたら、きっと顎が外れてしまう。
ぐいっと容赦なく髪を引っ張られた。
「らんぼう、やめて……やだ、こわい……」
「あ? いまさら、かまととぶるなよ。潮から聞いたぞ。郁は自分の上に跨って、悦んで腰を振る淫乱だって。フェラくらい慣れてるだろ」
恋人から曲解した行為を取り巻きに吹聴されていた事実もショックだったが、今はそのことよりも、どうしたらこの状況で潮に操をたてられるか考えていた。
そのとき、頬に衝撃が走った。
一瞬、遅れて、ぱん、という小気味良い音がした。
郁は、頬を打擲されたのだと気づいた。
ガクガクと身体が震えだす。
先ほどから、彼らの意に沿わないことがあると軽い暴力を振られていたからだ。
郁は、おずおずと口を開く。
鮮やか赤い口腔。
真珠の粒粒のような白い歯。
唾液がねと、と糸を引いた。
「……最初から、従順でいればいいんだよ。ほら、歯を立てるなよ。立てたら、ただじゃおかないからな」
くぷ、と肉の穂先が咥内に差し入れられたと思うやいなや――。
「んむぐうううううううううううっ!?」
熱の塊が、喉奥までやわらかな肉をこじあけていく。
(これ、潮のより、おっきい……息できな……っ……!?)
郁は、ふぐふぐと汚い息を洩らしながらも、竿肌を受け入れる。
鉗子よろしく肉杭が、喉の粘膜をこじ開けていく。
「ん、ぐえっ!」
喉が奇妙な音をたてた。
だらだらと鼻からは、鼻水が、口からは唾液が垂れ落ちていく。
「はっ……狭いけど、喉の締まりいいなぁ……ほら、舌遣え」
上からそんな声がして。
郁は、ちろちろと遠慮がちに舌を遣った。
目隠しをされているが、懸命に目を伏せて――口淫に集中しようとする。
「気持ちいいけど、ぬるいつうか、なあ、あれ使ってみろよ」
「はは。鬼畜すぎだろ。ま、面白そうだし、いっか」
オスたちが、そんな下卑た会話を交わす。
だが、郁は、丁寧に竿肌に舌を這わせていて、気がついていない。
「ん……ふっ……は、ふ……っ……んあ……ふっ……ふっ……!」
そこを舌で舐め清める度に、雄臭い先走りが絶えず溢れている。
口に押し込まれた肉棒などは、どくどくと脈打っているし、硬い肉の感触が舌先に伝わってきた。
「ん……くぷ……ちゅ……っ……ふ……ちゅ……っ、ちゅ、く……」
郁は、ただ、早く射精をしてほしい一心で義務的に舌を動かす。
もうひとり、郁の身体をまさぐっていた男は、生々しいピンクのローターを手にすると、ふっくりと芯を持ち始めた乳首にあてがった。
ぶぶぶ、という凶悪な振動が敏感な性感帯に伝わり、びりびりと脳が焼けるような強烈な快感に懊悩する。
「ふぐぎゅっ!?」
今度は膨らんだ乳首をすり潰すように、ぐり、と角度を変えてローターを押し当てられた。
遮布の下で郁はアレキサンドライトの瞳を大きく見開いた。
「むぐうううぅうううううううううううううううっっ!!!」
ビクビクと華奢な姿態が痙攣し、力が抜けていく。
うっかり、奉仕していたものから口を離してしまいそうになると、すぐに叱責が飛んでくる。
「口がおざなりになってんぞ! 仕方ないから手伝ってやるかー……」
言うが小さな頭蓋を髪ごとたぐりよせられて――凶悪な肉の穂先が喉の粘膜を乱暴にこじ開けていく。
ぐぶっ、と喉が変な音をたてた。
「あ、あがっ、ん、むぐっ、んーっ……んううぅううううっ!」
(これ、息できなっ……喉……串刺しにされて……し、死んじゃうっ……死んじゃうぅー……)
郁が顔を真っ赤にしながら、極太の肉棒を口いっぱいに頬張る。
なんとか、鼻で息をしようと試みるが、呼吸を阻害され、おまけに性感帯は無機質な性具で犯されている始末。
男は、郁の頭を押さえつけたまま、乱暴に腰を使い始めた。
「ん、ぐ……おっ、おぐっ……ん、ぐえっ、うひお、うひお、たしゅけて……あ、がが、ぐ、ぐるじ……っ……!」
恋人にそう助けを求めるが堂々の無視。
「おれ、しんじゃう……」
「ぎゃはは、コイツ、馬鹿じゃねえの? フェラで死ぬやつなんていねーよ、オラッ!」
郁を苛みながら、相手はひどく興奮しているようだった。
大振りに腰を打ちつけながら、喉の奥に肉杭を叩きつけてくる。
強引に開かされた口も、強く摩擦される喉の粘膜も痛くて、苦しい。
乱暴なイラマチオに、郁は、ただ、涙を流しながら、行為を受け入れることしかできない。
「反応、鈍くなってきてね?」
「まさか、生娘じゃあるまいし」
男は、腰を遣いながら、荒い呼気を吐く。
喉肉を擦りあげる竿肌がいっそう熱を帯び――脈動が早くなっていた。
どくん、どくん、という脈を感じながら、まさか、と思う。
郁はこの後のことをよく知っていた。
しかし、現実だと認めたくなかった。
「ん、むぐうっ、いあ、いあああっ! たしゅけ、て……うひお……っ! んぐぶっ!」
いっそう、喉に深く竿肌を突きたてられた瞬間、汚液が爆ぜた。
それは、肉感的なしなりを伴って、口からこぼれおち――。
ザーメンが郁の顔にひっかけられる。
その拍子に、目隠しがずれた。
笑いながら郁の顔にザーメンをかける男。
笑いながら痛々しく腫れあがった突起を弄ぶ男。
ふたりの笑顔が歪んで見えた。
肝心の潮の顔は――涙で滲んでよく見えなかった。
「お願、助けて……潮……潮以外に抱かれるなんて嫌……そんなの……おれ、耐えられないよう!」
肩で息をしながら、郁は、回らない舌でそう訴える。
だが、潮は何も言葉を発しなかった。
「ほら、続き、やるぞ。郁……これで終わりなわけないだろう。だって、」
「遊びはまだ始まったばかりだもんなあ。俺たちと遊んでよ、郁」
絶望に弛緩した郁の腕をそれぞれの手が引っ張る。
「あ、う……」
うなだれたまま、郁はベッドに組み敷かれた。
もちろん、この狂乱めいた凌辱を止める者はこの場にはいない――。
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