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5章【終焉】-2 散華編

 あの日から、潮の扱いは、日によって変わった。  恋人のようにとびっきり甘やかす日もあれば――。  折檻しながら、ひどく抱く日もあった。  ひどい日は、部屋に呼ばれた潮の取り巻きたちに輪姦された。  郁は、潮からの扱いに困惑し――徐々に消耗していった。  コロニーの住人たちが性的な目で、郁を見て、潮の目を盗んで触られるのもストレスだった。  ひどいときは路地裏に連れ込まれて、犯されそうになったこともある。  だが、郁は壊れるわけにはいかなかった。  もえぎを、幼い妹を養うこと――そのためには、潮の支援が必要だったと痛いほどに理解していた。  もはや、郁に逃げ場はなかった。 (きっと、いい子でいればいつかは潮も昔みたいに戻ってくれるはず……)  そう盲目的に恋人を信じようともした。  どのような仕打ちを受けても、最後にはそう思うことでぎりぎりのところで精神を保とうとしていた。 (それに、もえぎを守らなきゃ……)  今日は、大勢に犯された。  そのせいで、身体が痛く、下半身を引きずるような歩き方になってしまう。  ずるずると這うように、家路に向かいながら、郁はもえぎの顔を浮かべる。  もえぎと暮らすささやかな廃屋。  あそこに帰ったら、もえぎのかわいらしい笑顔が待っている。 (きっと、きっと……あれ……)  ふと、郁の足が止まった。  茫然と丘を見上げて、思う。 「おれ……きたない……」  先ほどから、大量にそそがれたものが秘部から太腿を伝っている。  それに身体に精液の匂いがこびりついて、消えない気がしたのだ。  郁は、その場にしゃがみこんで、わんわんと声をあげて泣いた。  その日は、もえぎの顔を見られなくて――彼女が寝静まるのを待って、家に帰った。  夜気の寒さに身を震わせながら、郁の唇が無意識に言葉を紡ぐ。 「きたない、きたない……きたない……」  ただ、郁は壊れた人形のように、その言葉を呟いていた。  

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