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第42話 交歓*
胸元に触れ、薄紅色の飾りを指で弾く。摘 んだり、指で押しつぶすようにしてみると、そこはふっくりと愛らしく立ち上がった。
「ぁ……あぁ」
トゥアルセティスはてのひらで口を押さえ、それでもこらえきれないのか、甘い喘ぎをちいさく漏らした。その声が、ホルセムを誘う。
「トゥアルセティス」
彼の名を幾度も熱っぽく呟きつつ、白い胸にくちづけを落とした。左胸に懐くと、ことこと、と、鼓動が聞こえる。それが、いとおしく、慕わしい。
もっともっと相手をたしかめたくて、ホルセムはトゥアルセティスの肌に舌を這わせた。指先でいじられて、ぷくりと健気に立ち上がっている胸の尖りに、くちびるを近づける。
吐息がかかるだけでも刺激になるのか、トゥアルセティスはなにかを堪えるような表情をする。その表情にもそそられて、すこし赤さを増したように見えるトゥアルセティスの胸の飾りを、ホルセムは口に含んだ。
ちう、と、軽く吸いつく。
「ぁ、あん……っ」
続いて、ちろちろ、と、舌先でからかうように舐めしゃぶった。
「あ、っ、ぁん、ぁっ」
相手が快感を覚えているのがわかるから、ホルセムはさらにしばらく、そこへの愛撫を続けた。そうしつつ、手を下肢のほうへも伸ばしていく。
「あ……っ」
やわい内腿をするりと撫でると、トゥアルセティスの身体が跳ねる。そこから肌をたどり、間 に指を這わせた。白い肢の間で立ち上がりかけているものに、ゆっくりと指を絡める。
「あ……あぁ、ん、あ、アァ……ッ」
やさしくしごきあげると、トゥアルセティスは身を跳ねさせた。快感の核心にふれられて、くちびるからは引っ切り無しに喘ぎがこぼれる。ホルセムがゆるゆると刺激を続けるうちに、とろりと蜜があふれだした。
腕の中の媚態に、ホルセムの身体も次第に熱をあげていた。頭がぼうっとしてくる。もっともっと相手に愉楽を与えたくて、ホルセムはトゥアルセティスの腰を抱え込むように固定すると、ゆるく立ち上がりかけている相手の花茎に顔を近づけた。
「え……?」
トゥアルセティスが驚いたように目を瞬く。
けれども、抵抗する隙を与えず、ホルセムは目の前で蜜をこぼしている、すんなりとした花茎をぱくりと口に含んでしまった。
「あぁっ」
そのまま舌を絡め、頬の肉で締め付けるように刺激しながら吸ってやる。あまりにも直截な行為に逃げようとした相手を押さえ込み、ホルセムはますます彼を舐めしゃぶった。
「あ、やぁ、あん……ァ、っ……」
相手が喘ぎながら、必死で頭 をふっている。ふぅ、ふぅ、と、乱れた熱い吐息は、何かをこらえているかのようだ。
「ん、んあ、ア、アァ――……ッ!」
それでもついに堪えかねて、トゥアルセティスは身体を突っ張らせた。ホルセムの口の中にあふれたものを呑み込み、喉を鳴らして嚥下した。
「力を、抜いていて」
信じられないといった表情を見せるトゥアルセティスに請うように言って、ホルセムはトゥアルセティスの後ろの莟に触れた。
香油の壺をとり、そこに垂らして、の秘められた莟を撫でる。喉を鳴らしつつ、つぷり、と、中指の先を含ませた。
「っ、ぅ」
しばらくいじって、綻 んできたそこに、ゆっくりと指を差し入れる。乱暴にならないように気を配りながら、抜き挿しする。
指を増やし、それらをばらばらと動かしても相手が蕩 けきった表情で喘ぐばかりになった頃、ホルセムはようやく指を抜き取った。
「トゥアルセティス」
ホルセムはトゥアルセティスの膝裏を持ち上げた。慾ぬ濡れてそそり立つ己のものを、トゥアルセティスの入り口に擦 りつける。
「トゥアルセティス、あいしてる」
熱っぽい眼差しで相手を見詰めつつ、ホルセムは、ぐ、と、相手に体重を乗せた。香油に濡れてほころんだトゥアルセティスのそこは、ゆっくりとホルセムの先端を呑み込んだ。
「ぅ、んぁ……あ……」
内壁がきつく締め付けてくる。トゥアルセティスはホルセムの背に腕をまわして、ぎゅっとこちらにしがみつくようにした。
努めて大きく息を吐き出き、彼はホルセムを受け入れようとしてくれていた。
その姿にいとおしさが込み上げる。胸が詰まる。
ホルセムは身を倒して、トゥアルセティスのくちびるにくちづけた。
ゆるゆると腰を動かし、慣らすようにしつつ、奥を目指す。身体に愛撫をほどこしつつ、ゆっくりと抜き差しを繰り返した。
やがて微細な襞 が、誘い込むように、ホルセムの固い滾 りに絡みついてくる。きゅう、と、締め付ける。その甘い刺激に持っていかれそうになり、くっ、と、思わず歯を食いしばった。
「トゥアルセティス」
ぐぅう、と、身体を撓 め、最後は、とちゅん、と、最奥までを一息に貫いた。
「ぁ、アァ――……ッ!」
ホルセムの昂りが奥へ届いた刹那、トゥアルセティスの身体が軽く突っ張った。
そのまま、ひく、ひくん、と、身をちいさくふるわせる。
熱い内壁がそのふるえに呼応するように蠕動 し、痙攣 し、そして、きゅう、と、ホルセムを締め付けた。
「く、ぅ」
もたなかった。ホルセムは呻いて、トゥアルセティスの中に精を放った。
「あ……あ、ぁ……ホルセ、ム」
「ごめん……俺」
吐きつくして、ふう、と、息をつく。先に達してしまった極まり悪さから、小声で言って、相手を見下ろした。
トゥアルセティスはとろりとした表情でホルセムを見上げている。はぁ、はぁ、と、熱っぽく吐息しつつ、こちらの頬を白い手で包み込んだ。
その仕草に、ホルセムは一度は吐きだした慾が再びむくりと募るのを感じた。
「あ」
こちらの昂奮を食んでいる相手は、その熱が膨らむのを身体の内でまざまざと感じるらしい。ちいさく声をあげると、何を思うのか、さすさす、と、己の白い腹を撫でて見せた。
「あ、あ、ホルセム……おまえで、いっぱい、だ……」
そんなことを言われては、抑えがきかなかった。ホルセムはトゥアルセティスを掻き抱くと、いきなり激しい律動を送りこんだ。
内側の痼 った箇所を擦りたてるようにしてやる。再び固く滾 った慾で、押し込むように、ぐりぐりとそこを刺激する。トゥアルセティスは声をひっくりかえらせた。
「あ、ひぃ、っ……ひぁ、ア、ァッ、アン」
ひっきりなしに嬌声が漏れ、身体も、ひく、ひくん、と、ふるえを刻む。ホルセムはトゥアルセティスの腰を抱え直し、ゆさ、ゆさ、と、相手を揺さぶった。
「あ、あ……あっ……ア、アァ、ンッ」
とちゅ、とちゅん、と、容赦なく奥深くを突く。
「トゥアルセティス……トゥアルセティス……あいしてる、あいしてる、あなたが、すき……っ」
熱っぽく、切実な声で繰り返し呼びながら、ホルセムは何度も何度もトゥアルセティスの身体を攻め立てた。ぬちぬち、と、粘膜が擦れ合う音が耳を侵すごとに、昂奮が高まっていく。
身を倒して、くちづけする。
ぬるぬると舌を絡めつつ、激しく腰も動かし続けた。
「あ、ああ……ア、ア、アァ――……ッ!」
甘い声を聴きつつ、最後に容赦なく最奥を突く。相手の身体を撓 め、ぐ、ぐうぅ、と、深くまで貫いた。
「あ、あ……」
きゅう、きゅうぅん、と、切なくこちらを締め付けてくる内壁の熱さ。トゥアルセティスが極めるのにあわせて、ホルセムも、くぅ、と、息を詰め、再びトゥアルセティスの中に気を吐いた。
「あいしてる」
じん、と、胸が熱かった。
「あなたを……あいしてるんだ、トゥアルセティス」
繰り返すと、相手はしばらくじっと黙っていたが、やがて応えるようにホルセムの背を抱き締めてくれる。
「わたしも……おまえを誰より、あいしているよ。いままでも、これからも、ずっと」
微笑みながら囁かれる言葉にホルセムはまた胸を詰まらせ、きつく相手を抱き締めた。
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